え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

私の男

2014年12月16日 | アート系
2013年 日本(日活) 129分 ドラマ/R15+
監督/熊切和嘉 原作/桜庭一樹『私の男』(文藝春秋刊)
出演/浅野忠信、二階堂ふみ、山田望叶、
    モロ師岡、河井青葉、高良健吾、藤竜也

(80点) 浅野忠信と二階戸ふみが近親相姦

震災で両親を失った少女は親戚の浅野忠信と一緒に暮らすことに。
数年が経ち、少女は立派な二階堂ふみとなる。
そして親子と言う立場でありながら日常的に肉体関係となる。
しかも二人は親戚ではなく実は本当の親子だった。
そのことを知っていて二人の関係も知ってしまった藤竜也は二階堂ふみに、二階堂ふみに!
さらにそのことを追求しに来たモロ師岡は、モロ師岡は!!
やがて二階堂ふみは浅野忠信のもとを去り高良健吾と付き合いだす。


桜庭一樹の出世作でセンセーションを巻き起こした原作を映画化し、どっかの国の映画祭で賞を取って話題になったので観たが、衝撃の問題作として観るには、あーそうですかと言う感じだった。
この監督の前作の「夏の終わり」でよろめきドラマのくせに濡れ場を完全削除する手法を取っていたので今作もR-15とは言っているけれど濡れ場なしかなーと覚悟していたが濡れ場はあった。
それは、良かった良かった♪


(2014年7月頃センチュリーシネマにて賞とり凱旋上映にて有料鑑賞)

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太陽

2014年12月13日 | アート系
2005 ロシア 115分 ドラマ/史劇/アート
監督/アレクサンドル・ソクーロフ
出演/イッセー尾形、ロバート・ドーソン、佐野史郎、
   つじしんめい、桃井かおり

(70点) ロシア監督ソクーロフがイッセー尾形で描く昭和天皇の低予算映画

あ、そ。
日本映画のタブー、天皇陛下を人間として描いた日本では問題作。
あ、そ。
このまま第二次世界大戦が続くと日本は滅んじゃうと憂いた昭和天皇ことイッセー尾形は軍部が反対するのを制して日本の敗北を宣言することを決意。
頑張って頑張って国民に向けてポツダム宣言を録音するのだ。
そして桃井かおりに褒めてもらうねん。
あ、そう・・・。


ロシアの鬼才がヒットラー、レーニンに続いて昭和天皇を描く。
ソクローフの映画は「最後の一頁」とか観ていて眠くなるけど完璧な映像美がなんか凄いと言う印象だったのだが、これはなんかちゃっちすぎない?
イッセー尾形は自身の一人芝居タッチで昭和天皇を熱演しているけれど、脇役の執事が素人ぽくて興ざめ。
終戦記念日を記念しての再上映だったが、何故か日本語字幕なしの直輸入バージョンでマッカーサーとか米軍とかが何言ってるかわからない。
観る価値はあるけど面白くはない。
次の日に観た同じ終戦の様子を描いた「日本のいちばん長い日」を先に観てたらもっと理解できたかも。


(2014年8月シネマスコーレにて有料鑑賞)

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リアリティのダンス

2014年12月11日 | アート系
2013年 130分  チリ/フランス ドラマ
監督・脚本/アレハンドロ・ホドロフスキー
製作/ミシェル・セイドゥー
出演/ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス
    イェレミアス・ハースコヴィッツ、アレハンドロ・ホドロフスキー

(80点) ホドロフスキー印で描く少年時代と父の思い出

少女のように美しい美少年だったホドロフスキー。
ウクライナ移民の両親とともにチリの田舎町で暮らす。
厳格な父とオペラ口調の母、ダイナマイトで手足のない障害者の人々、サーカス、カモメ、打ち上げられる魚たち、軍事政権下でレジスタンスに参加する父。
多感な時期に強烈な体験をしつつ少年はホドロフスキーになっていく。


少年期の映画かと思いきや後半はお父ちゃんの話に。
アヴァンギャルドの鬼才カルト王ホドロフスキーの23年ぶり85歳での監督作。
85才で撮ったとは思えない映画。
ホドロフスキーの映画は「エル・トポ」しか観てなかったがアヴァンギャルドだが娯楽性もある作風は健在。そんでもってフリークスも健在。
「ホドロフスキーのデューン」と共に観たが先に「デューン」を観た方がこの作品に想い入れできたかも。
しかし、チラシの美少女が観たくて観たのに美少年だったのにショック。しかも、こんな美少年がホドロフスキーだとは。クソジジイ監督の自己陶酔には頭が下がる。


(2014年7月シネマテークにて有料鑑賞)

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少女は自転車にのつて

2014年08月17日 | アート系
2012年 サウジアラビア/ドイツ 97分 ドラマ/少女/異文化
監督・脚本/ハイファ・アル=マンスール
出演/ワアド・ムハンマド、リーム・アブドゥラ

(100点)普通に面白い実は普通でない映画。DVD特典のメイキングも必見。

男尊女卑がハンパない国サウジアラビアで女の子が自転車を買うために奮闘するハートウォーミングでチャーミングな佳作。

いやいやいや、とんでもない映画だよ。
まず普通にさわやかな感動を呼ぶ児童文学的な面白い映画である。
観客としてはヒロインが魅力的だね♪あー、面白かった。と思って見終えられる映画である。
だからオススメする。
マイナーな映画だからよっぽどの映画通しか観てないし、どこのレンタル店にも置いてあるとは限らないし、置いてあっても知らなきゃ借りない映画である。
いやいや、凄い映画だよ。
映画館のないサウジアラビアで作られ、サウジアラビアでは観ることが出来ない映画。
本当は映画館で観たかったけどDVDにはメイキングが収録されていて、これも本編なみにカルチャーショック満載のドキュメントとして超面白い。
面白いで済まされる映画じゃないんだけど、とりあえず難しい映画じゃないから観れ観れ。
しかし、こんなに迫害されてるのに女性って強いね。
逆に男としては、こんな強い女性たちに自由を与えたらそりゃーヤバイよねとも思う。
でも、やっぱりこの映画で描かれているような社会は間違ってる。
カワイコちゃんが幸せになれない世界は駄目よ。


(2014年8月DVDレンタル準新作200円にて鑑賞)

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her/世界でひとつの彼女

2014年08月16日 | アート系
2013年 アメリカ 126分 ロマンス/SF
監督・脚本/スパイク・ジョーンズ
出演/ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン(声のみ)
    エイミー・アダムス、オリヴィア・ワイルド

2013年アカデミー脚本賞受賞
(70点) オッサンがコンピューター彼女(音声のみ)と恋に落ちちゃう

離婚調停中の代筆ライター セオアドが最新のOSを使い始めた。
その人工知能は音声のみだが女性の声を設定したらメチャメチャいい感じ♪
愛情に飢えていたセオアドは、なんだかもう、なんだかもー、
バラ色~~~!!
だけど、どんどん自己成長する人工知能サンマンサは、もうセオアド一人の彼女としては全然満足できない。
同時に800人以上と付き合えるし他のコンピューターとも関係を結べちゃう。
だって夢のスーパーコンピュタープログラムだもの。
そんなサマンサに人間セオアドは、なんだかもう、あーっもぉーっ!!
超ブルーーーっ!!!


私の好きそうな話なので観てみたがイマイチ乗れなかった。
だってヒロインが声だけだから必然的に画面にオッサンしか映ってないだもの。
そのヒロインも超美人女優スカーレット・ヨハンソン様が演じているとは言え声だけじゃ萌えねー。
また、世界観が近未来でコンピューターの操作がほぼ音声認識でこれまでの通常音声ガイドとサマンサとの違いも明確に感じられなかった。
サマンサの声がアニメ声なら萌えたのかなー?
あと、映像も綺麗だったけど、これ映画でやる内容かなー、と疑問に思った。
小説とかマンガとか、いっそうのことゲームとかの方が合っているのではないか?
でも、流石に脚本賞を受賞しているだけあってお話は面白い。
個人的には現代のフランケンシュタインだと思った。
主人公がプログラマーとしてサマンサを創造したのなら余計にその色合いが強かったけど。
ただ無駄にエロ描写満載なのは嬉しかった。
エンディングの歌声は好み。


(2014年7月ミリオン座にて招待券鑑賞)

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グランド・ブタペスト・ホテル

2014年07月26日 | アート系
2013年 100分 イギリス/ドイツ コメディ/ミステリー
監督・製作・脚本/ウェス・アンダーソン
出演/レイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハム、エドワード・ノートン
    シアーシャ・ローナン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー

(90点) 完璧な画面構成でクスリっとさせるスラップステッイク・コメディの秀作

かのブタペストホテルの上客のババアが何者かによって殺された。
遺言であの名画がかのブタペストホテルの伝説のコンシェルジェに残された。
コンシェルジェとババアはイイ仲だったのだ。
しかし殺人の容疑をかけられたコンシェルジェは新人のベルボーイと共に逃亡。
追ってくる殺人鬼と混乱の時代のあれやこれや。
ベルボーイの彼女の協力を得てコンシェルジェの無実を晴らすのだ。
と言う冒険譚を話すかつてベルボーイだった現ブタペストホテルのオーナー、そしてそれを聞くベストセラー作家、そして今や銅像となったベストセラー作家の銅像の前でその小説を読む少女。
そうあれはブタペストホテルが伝説のコンシェルジェによって大盛況だった頃の話。


それなりにえげつないけど、楽しく観られる芸術映画。
引き絵も多いので大スクリーンで観ることをオススメ。
完璧に計算されつくした画面構成による面白さを堪能する一級のコメディだが、個人的にはカワイコちゃんが足りないかな。


(2014年7月伏見ミリオン座2にて有料鑑賞)

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Walkabout 美しき冒険旅行

2014年07月14日 | アート系
1971年 イギリス 96分 アドベンチャー/芸術
監督・撮影/ニコラス・ローグ 原作/ジェームズ・ヴァンス・マーシャル
出演/ジェニー・アガター、リュシアン・ジョン、デヴィッド・ガルピリル
    ジョン・メイロン、ロバート・マクダーラ、ピート・カーヴァー

(100点) ロリコンとショタコンとオースラリアマニアに捧ぐ芸術的環境映画

オヤジは何も知らぬ娘と息子を砂漠に連れ出し無理心中を図るが殺しそびれて一人で勝手に死んじゃう。
残された姉と弟はオーストラリアの砂漠を放浪することに。
途中アボリジニ人の少年に出会いつつ、やたらローアングルのやらしいカメラワークでお姉ちゃんの足をとらえつつ、旅は続く。


カメラマン出身の映像派の異才ニコラス・ローグの単体監督デビュー作。
マニアックな名作として知る人ぞ知る映画だったが内容は知らなかった。
東京に行く予定が出来て空いた時間の娯楽を探したら新橋文化劇場でコレと「狩人の夜」と言うなかなか通な二本立てがやっていたので観に行った。
ローグの作品は「マリリンとアインシュタイン」を以前に観ていたので訳の分からん映画かもと思ったが美少女が過酷な状況で冒険するちょっとエッチな芸術映画でエリマキトカゲとかウォンバットとか変な動物がちょこちょこ出てきてそれなりに楽しかった。
私はお姉ちゃんの足やオールヌードを楽しんだが5歳児の男子や現地人の少年の裸も堪能出来るので芸術と言う名のエロ映画として変態的な娯楽作として楽しむのも良し。
美しい大自然の映像や文明批判的なテーマの映画として文化人ぽく語るのも良し。
そんな映画。


(2014年7月新橋文化劇場にて2本立て800円にて鑑賞)
 同時上映「狩人の夜」

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