え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

兵隊やくざ

2019年01月16日 | 任侠・ヤクザ映画
1965 日本(大映) 103分 コメディ/戦争/任侠
監督/増村保造
出演/勝新太郎、田村高廣、北城寿太郎、滝瑛子、淡路恵子

(90点)勝新と高廣コンビによる軍隊痛快娯楽活劇・・・・

第二次世界大戦中、ソ連と満州の国境近くの軍隊に荒くれ者の勝新が二等兵として配属される。
各部隊で問題児として扱われて流れてきたのだ。インテリの上等兵の田村高廣にその面倒を押し付けられるが。破天荒だが筋の通っている勝新をかばい、かばってくれる田村高廣を信頼し、硬い友情、もとい、濃厚な情で二人はいつも一緒。軍隊の理不尽ないじめの中で生き抜いていくのだ。戦争が激化し最前線に送られ離れ離れになることが決定。互いを死なせたくない二人は脱走を図る。


勝新の映画は「悪名」が好きだったので他の映画も気にはなっていた。
「伊集院光の週末TUTAYAでこれ借りよ!」で柴田理恵が推薦していたので、TUTAYAで借りて観た。
娯楽作品と思ってたけれど、結構問題作じゃね?
時代的に制作者が戦争体験者なので当時としては普通の描写も今だったらなかったことにしているタブーばかりかも。
全編軍隊でのいじめの話だし従軍慰安婦は普通に出てくるし、これを痛快娯楽映画として作られていたのだから凄い。しかも意識してるのかしてないのか判別付きにくいがBLと言うかゴリゴリのゲイ映画。もちろんゲイの性描写はないが精神的な漢同士の濃厚な繫がりが描かれている。
まあ、でも、やっぱり当時の大映映画は面白い。こんな暴力的な戦争任侠映画なのに絵がキレイで文学の香りすらするのだ。それでいて立派に大衆娯楽。このシリーズも引き続き観るが座頭市も観ようっと。


(2019年1月16日レンタルDVD108円)