「毛穴が詰まる」話が、どんどん変化している不思議

「毛穴が詰まる」話の歴史

私はご相談をお受けする際には、必ず現在使っているシャンプーと過去お使いになったことのあるシャンプーをお聞きしています。育毛剤に限らず、シャンプーも次から次に新しいものが発売されていて、訴えられている効果には色々あります。

育毛関連でよく訴えられるのが「毛穴が詰まって毛が生えない」から、毛穴を綺麗にすることを謳っていることです。「毛穴が詰まる」と言われる結果は、私がこの仕事を始めてからほとんど変化しなのですが、詰まるものがかなり変化してきています。

皮脂・過酸化脂質・角栓・角質・今はシリコン

私がこの仕事を始めた当初によく言われていたのが、「皮脂が毛穴に詰まって毛が生えない」でした。大手の育毛サロンがTVの特集を担っていたこともあり、TVや雑誌等々のマスメディアでよくみました。

その当時から、私の師匠筋も私も「皮脂で毛穴は詰まらない」「それどころは皮脂を取るケアで頭皮をダメにする」と訴えかけていましたが、中々受け入れて頂けませんでした。今から15年以上も前の話です。

「皮脂で毛穴が詰まらない」をちゃんと理由を付けて説明していると、今度は「角栓で毛穴が詰まって毛が生えない」と言う話が出てきました。それも理由を付けて「毛穴は詰まりません」と訴えかけていると次に出てきたのが「過酸化脂質とか角質で毛穴が詰まる、毛穴を塞ぐ」と言う話が出てきました。

皮脂は脂なので液体です。液体が詰まることはなく、人体は35度以上の体温があるので油は固まることもないのです。こんな至極当たり前の話が常識にならずに、普通ではないことが当たり前の常識になっていたのです。今もそんなことを言っているサロンや人もいますから、洗脳されている人が多いと言えますね。マスメディアの力は恐ろしい。

人の頭皮の毛穴は、顔の毛穴の2倍か3倍大きいので、通常は角栓が出来る前に吐き出されてしまうのです。もし、詰まるとするなら、毛穴の排泄機能が衰えた時なので毛穴掃除をすれば良いのではなく、毛穴の能力を改善させてあげるケアが必要なのです。

過酸化脂質の話も、それは皮脂の質の問題なので洗えば良いのではなく、食習慣や生活環境の問題なのです。
角質に至っては、マイクロスコープで見ればそう見えるだけで、フケが乗っかっているだけなので、頭皮を洗って綺麗にするのではなく（洗って綺麗にしているとさらにフケは増える）、荒れている頭皮を改善してあげる必要があるのです。

今はシリコンが悪者になっている

つい最近ですが、ご相談者の方がお使いになっているシャンプーを検索すると、そこに表示されている内容を見た時驚きました。シリコンが毛穴に中に詰まると表示されているのです。

シャンプーに使われているシリコンの配合率はどの程度なのでしょう。10％も20％も配合されているとは考えられませんから、せいぜい1％もあれば多い方ではないか？と思います。500ml入りのシャンプーの中に5mlシリコンが配合されていて、いかにして毛穴に詰まるのでしょう？不思議です。

もし、本当に詰まるものがあるなら、カラー剤の方が余程詰まりやすいです。なにせ染める際には頭皮と毛にカラー剤を塗って温めてしばらく放置するのですから。ところが、不思議なことに、「カラー剤が毛穴に詰まって毛が生えなくなる」と訴えかける人はいないのですね。

私が知らないだけかもしれませんが、もしかするとこのブログが初めてかもしれません。詰まるよりももっとカラー剤は頭皮にも毛穴に負担を強いる結果にはなりますが・・・・。
ヘナだから大丈夫なんてことはありませんからねぇ。