佐世保での挨拶回りもあと一日を残すのみとなった。
41年間の事務道具も片付けて、一応去る体勢は整えた。
雨の中を黙って去っていくことになるのだろう。
私の部屋の入り口に掲げていた連絡用ボードには
鬼が棲んでいると書いていたのたが、それもきっぱりと消し去った。
これは事務室に入る前に自分を奮い立たせるつもりで、自分に宛てて書いていたもの。
まあ、結論から云えば、鬼にはなれなかった。
というよりは、現場の辛さや苦しさがよく理解できたからである。
6月一杯の書類に目を通し、回覧のハンコを押す。
長い間お世話になった机にも深々と頭を下げて退室した。
老兵は去り往くのみなんである。
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