恥かしい、他愛も無い、バカみたいな話だが・・・・、
幼い頃というか、少なくとも小学校2年生までは、
この世にサンタクロースは実在するのだと思っていた。
イブの夜に枕元に靴下を置いておくと、サンタのおじさんが必ずプレゼントを持ってきてくれるのだと、
母から言われ続けてきた私は・・・・、
眠い目をこすりながら、布団の中でサンタクロースが現れるのを待っていたものだ。
でも、いつしか眠りの精が現れて、ボクちゃんを夢の世界へ誘うのが常で、
「しまった・・・・!」 と思って飛び起きると
枕元には、当時とても欲しかった汽車の玩具が鎮座していたのである。
「いつ、サンタさんは来んしゃったと・・・・・。」
「ター坊は寝とったもんねぇ・・・・。夜中に来よらしたとよ・・・。」
母はクスクス笑いながら話してくれたものだった。
幼稚園の頃から、山のように算数や国語のドリルを勉強させた厳しい母であったが、
子供に夢を与える優しい一面も兼ね備えていた。
小学一年の三学期にその母が他界した。
その年のクリスマスイブ、私はいつものように期待に胸を膨らませながら枕元に靴下を置いて寝た。
はたして、朝飛び起きると、靴下が一足そのままの状態で置かれてあった。
一日間違えたのだろうかと25日の夜も靴下を置いて寝た。
しかし寒い部屋の中に、靴下がポツンと寒い枕元ににあった。
サンタクロースはこの世に居なかったのだ・・・・・。
そして、私は、母がサンタさんだったことをやっと悟ったんである。
まったくもって 他愛の無い、恥かしい話なのだが、
幼い頃、本気で・・・・
この世には、サンタクロースが実在するのだと信じていたのである。
子供たちが心に夢を持ち続けられるような平和なクリスマスが訪れますように・・・・
貴重な母との時間ですからね。
もう50年以上も前の出来事なのに・・・です。