今日は快晴の秋晴れ、日中は29度近くまで温度が上昇した。
佐世保地区のお客様回りはまだ続いている。
本日は朝から相浦地区のお客様を・・・・・。
「一番苦しい時に助けて貰ったから信用金庫じゃなからんばね。」
「お宅のMさんが、自分のことのように心配してくれてね。あん時のことは一生忘れきらんよ。」
「もうかれこれ50年からお付き合いばしよるとよ。本当に色んな職員さんにお世話になってきたバイ。」
私はクリスチャンの結婚式で新郎新婦に対して、神父様が問い質すあの台詞を思い出した。
「病める時も、健やかなる時も、汝はこの女を愛するか・・・・。」
お客様にお取引をして頂く、とりわけご融資をするということは、まさにそういう覚悟がいるのである。
ある石油店にお伺いした時のこと、
船会社の倒産で途方も無い気の遠くなるほどの焦げ付きが発生した時、大きな地銀はとても冷たかったのだが、信用金庫さんが一番始めに一緒に頑張って行きましょうと云ってくれた。
再生計画を立案しながら、
「毎月これだけ頑張れば7年で何とかなるよ・・・。」
と支援課のMさんが道を示してくれた。
それで
「よーし・・・。ということになり、家族で頑張って5年で目途をつけたんですよ。」
経営者のお顔の皺に、ご苦労された跡が刻み込まれていた。
しかし、とても優しく、清々しく、何より自信に満ちておられた。
今は退職されている先輩Mさんの渥美清に似たお顔が、キラキラと輝く相浦の岸壁に浮かんだ。
・・・・・・そうなのだ。
この先輩達の苦労と汗を、私達は信用金庫の想いとして、永遠に受け継いでいかねばならないのである。
人情の機微に触れることによって、自分も教えられていく。
商業はすべからく中央資本化して、淘汰の波に晒されている地方経済の厳しい世相の中ではあるが、
だからこそ、相互扶助の美しい花を咲かせるために・・・・
病める時も、健やかなる時も
迷わず「信用金庫したい」ものである。