そして、真夏を謳歌した木々は
はらはらと泣くように 分身を落とす
散り散りと 別れ逝くのを 惜しむがごとく
去り逝く短い秋を 惜しむが如く
容赦の無い 北風に晒され
はらはらと 泣くがごとくにである
舞い落ちた色紙を敷き詰めた 秋色のカーペットは
実はそういった 哀しみの彩りだとするならば
私達は木立の本当の心根の在り処を 慮らねばならない
だから 晩秋の落葉樹の木立を カサコソと
なるべく 踏みしめぬように 用心して歩く
それくらいは やさしくしないと
このたとえようも無い美しさは けして理解できないのだ
泣きながら 別離を惜しんでいる木々に申し訳がたたぬ
わがやの ささやかな ハナミズキもまた
泣いているのだろうか
そういえば 今朝は霜が降りていた
もう冬が そこまで