ということで、三年ぶりの五島の磯釣りは、
石鯛にめぐり合えないまま、夕陽は沈みやがて夜を迎えました。
昨日に続いて「ひぜしん」の釣り大会磯信友会のお話
昨日の表題は「磯に立つ男」だったのですが、果たして見事に石鯛は釣れて男になれたのかどうか・・・・。
夜釣りでは私は真鯛とイサキを狙って遠投カゴ釣り
米山さんは瀬際のクロ狙いのフカセ釣り。
本当はこの釣りは両立しないのですが、ポイントが違うということで、無理やり許して貰ったのはいいのですが、やっぱし米山さんにはアタリなしで、ちょっと気の毒でした。
夜中12時頃まで釣って、高い岩場の上で久しぶりに人生を語り合いました。
順調だった米山さんにも、人生の大波が押し寄せ・・・・
辛いこともあったようです。
40年続けられた呑み屋さん稼業から綺麗さっぱり足を洗われて、今は柚木の山の上で農業見習いの仙人生活に入っている米山さんは、毎日が楽しくて仕方が無いご様子。
一日にすることが山のようにあるので、毎日5時に目が覚めるのだそうな・・・。
お顔の色艶も心なしかとても良さそう。
決まった収入が無くなって、人の有難さとお心が良く見えるようになって、とてもよかったとも仰いました。
彼のことはとても気になっていましたが、ただ黙って見ておりました。
色々とあった時は、ただ黙って、いつもと変わらずに見ていて貰うほうが嬉しく、却って有難いいものなのです。
彼も私が辛いときそうして、ただ黙っていてくれましたから。
彼は、やはり独自の世界を持っている苦労人だけあって、世の中の捉え方、処世訓が違っています。
深い話を素直に語り合い、人の有難さを噛み締めあい、疲れて磯の上にそのままゴロリと横になりました。
明け方物凄い寒さに目を覚ますと、いよいよ本番の石鯛釣りにかかります。
それにしても美しい朝日、沈む太陽と昇る太陽を見れるだけでも磯釣りの価値は充分だと思えてなりません。
納竿は午前9時、夜が明けてから、たったの三時間が勝負なんであります。
これまで25年ほど培ってきた、あらゆるノウハウと、ありったけの精力を一本の石鯛竿に込めて、真剣に釣りに没頭したのですが、とうとうこの日石鯛は姿を現してはくれませんでした。
石鯛釣りにボーズはつきものとはいったものの、負けてサバサバなんであります。
やがて回収の船が迎えに来ました。予定時刻の三十分前に荷物をまとめて船を待つのが、私達の慣わし・・・。
まる一昼夜私たちをアドベンチャーワールドに引き込んでくれた白瀬灯台を後にしました。
結局今回は二人とも枕を並べて討ち死に、初老のおじいちゃんは磯でも立たない男の烙印をおされてしまったのです。あーあ
今まで何十回となく訪れたこの白瀬なのですが、果たして今度はいつ来れるのかと思うと、次第に遠くなるその姿が、とてもいとおしく思えたのでありました。
帰りしなに釣り人の回収のために立ち寄った沖黒瀬、ここもよく訪れた特級ポイントです。
港に無事に帰りつくと、獲物の検量が行われ、ヒラスの98cmを筆頭に真鯛68cmなど上々の釣果でありました。
今回で第24回大会となった磯信友会は吉原会長さんのもと、武雄市でも最も歴史のある釣り大会となって、釣り人からとても喜ばれているのです。