あんなに酷暑の夏もいつしか逝ってしまった。
旅立ってしまえば、懐かしい思い出だけが残る。
エアコンと心中して毎夜床に就いた、あのうっとおしい日々は
過ぎてしまえば、「あぁ!あんな夏もあったよね・・・」ということである。
そんな過ぎ去っていくものに対する「懐かしみ」、「憐れみ」も日本人ならではの
「侘び」、「寂び」の範疇なのであろうか。
だから強烈なパワーで走り去った夏の残り香が、妙に懐かしかったり
秋の夕日に胸がキュンと締めつけられたりするのであろう。
若い頃、まだ高校生だったろうか、進学校という看板を背負い、受験勉強らしきことをしていた頃、
ラジオから聞こえてきた数々の名曲も過ぎ去っていったものではあるが、
この頃になって、私の半ば壊れかけた脳裏で
益々、鮮烈な光を放ってくるのは一体どうしてなのであろうか・・・。
<!-- 誰もいない海 トワ・エ・モア -->