風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

デフレスパイラル 風竿流経済の読み方

2009年11月26日 23時59分54秒 | 風竿日記

政府はわが国がデフレ状態にあると宣言した。

ではあの、小泉・竹中の鳴り物入りで行った構造改革は一体何だったのか・・・。

経済のグローバリゼーションという大義名分に隠された、アメリカ的な市場原理主義により、まだ息をしているのに輸血を止められた多くの中小企業者を私は仕事柄たくさん知っているのだ。

そもそも竹中学者センセイは、「日本は先の大戦における敗戦国である。」という基本認識からわが国の中小企業の体質をちゃんと捉えていたのか。

大いに疑問が残るのである。

日本の企業の99.7%が中小企業であることをちゃんと御存知であったならば、あんな極端なアメリカナイズされた金融改革はやれなかった筈なのである。

敗戦国の企業というものは、基本的に国家経済が破綻した状態からスタートしたのであるから、殆どの事業者が無一文からスタートしたのである。

戦費とした集められた国債はすべて無価値になったのだからそれもむべなるかな。

そして戦後の闇市から日本の中小企業は逞しく血の滲む努力で立ち上がって行ったのであった。

ということは、いかに経済のグローバル化が進展しようと、戦勝国の体力のある(自己資本のある)アメリカの企業とは、スタート時点からそもそも違っていたんである。

経済のグローバル化のシンボルとしてあのホリエモンまで国政選挙に担ぎ出したのは一体誰だったのか。

竹中は彼の選挙応援までやっていたよね。

国際競争力をつける必要があるのは、輸出入を執り行う大企業と金融で言えば国際金融を手がける金融機関、すなわち今で言うメガバンクと地銀の一部なんである。

国内で細々と頑張っている日本型の企業に、ニューヨークのマンハッタンのルールを押し付ける必要があったのか・・・。

経済のグローバル化に棹を刺すわけではないが、日本型の企業群の独自性を踏まえた経済金融政策を打たねば、国民は疲弊してしまい、「水清くして魚棲まず」ということになってしまうことを危惧するのである。

つまりは国内基準的にはダブルスタンダードが必要であったということなのだ。

これより先は、ちょっと言い辛いので、ここで断念・・・・・。

実体経済の事実として、小泉・竹中コンビの圧政以降、日本の中小企業、とりわけ零細企業は毎年5%ずつ音を立てて減少しているんである。

民を苦しめて何が政治なのか

政治とは弱者に視点を合わせるべきなのだ

今でも時々厚かましくテレビに出演するあの竹中平蔵を見ると、無性に腹が立ってならないんである。

彼は在任当時、「デフレ経済は織り込み済み、あと三年もすれば立派に立ち直るのだ。」とシャアシャアとのたまわったものだ。

小泉センセイも早々と引退して悠々自適の毎日だとか・・・・

彼も云ったよね。国民に痛みを三年辛抱しなさいと・・・・・。

日本郵政の解体を目潰しにして、さらに建設業は公共投資の最たる大悪人のような切り捨て方をしたのが、小泉構造改革の隠れた負の遺産なのです。

そして本当に自民党どころか日本の国をぶっ潰してしまった。

当時竹中路線の対極を諭す論客はいつの間にかテレビからは遠ざけられてしまった。リチャード・クーや紺谷典子などである。

しかし今改めて彼らの言ってたことは本当に正しかったのだ。

確かに大手ゼネコンが甘い汁を吸う、癒着型・利権誘導型の公共工事は廃絶せねばなりませんが、地下を掘っても石炭くらいしか出てこない無資源国家の日本において、その殆どが山であるという日本において、狭い国土を有効利用するという内需主導型の経済構造に緩やかに修正改革すべきであったが、それは、今のように建設業をないがしろにしては、もはや絶望。

その構造改革を急激に行うというのは狂気の沙汰としか思えなかったが、地元でコツコツと頑張ってきたA級の土木建設業者の社長が嘆く。

「かっての工事高の2割しかなかとばい。」

「社員ば2割には出来んやったよ・・・。」

バブルがはじけて以降景気がどんどん悪くなっていく中で、建設業はわが国の雇用を100万人も増加させて支えてくれたのであったが、もはや小泉構造改革の人柱として、傍で見ていても気の毒なくらいに凋落の一途である。

小泉・竹中の荒っぽい大掃除の後、多くの破綻企業を前にマッカーサー元帥よろしく欧米のハゲタカファンドが日本中を買い漁ったことを我々は絶対に忘れてはならない。

昨年のリーマンショック以来、国家戦略の帝国覇権主義の王道をいくアメリカもさすがにリーダーシップをヨーロッパに揺さぶられるという事態が続いていたが、皆さん騙されてはなりませんよ。

いまだに世界の基軸通貨は米ドルであることを・・・・。

彼らは借金しようが、国家財政が危うくなろうが、基軸通貨のさじ加減でどうにでも対処していくということを・・・・。

米国はおそらく今度は輸出戦略により、経済の建て直しを図っていくことでありましょう。

中国にオバマが長く滞在したのは世界最大の輸出国として敬意を表したことを物語っている。

お得意さんに頭を下げるのは営業の基本なのであります。

アメリカが輸出に軸足をおく、だから円高はどんどん進行します。そして技術・加工貿易型の日本経済は益々窮地に追い込まれていきます。

不況と製造過程が安い国へ拠点が移り、仕事が減る。給料が上がらないからモノが売れない。売れないから製造が出来ない。出来ないから仕事が減る。減るから給料が上がらない。

この負の連鎖が螺旋階段のように続くのが、デフレスパイラルなのですが、ケインズの近代経済理論にはこの処方箋が語られていないのですね。

そして日本国家の借金もついに860兆円を超えました。今国債の金利が上昇すれば、真っ先に困るのは国庫なのであります。

だから簡単にはインフレターゲット戦略は採れません。

一体どうすればいいのか・・・・。

もはやデフレに歯止めを掛ける政策は、思い切ってアジア通貨を円で立ち上げるか、米国の国債を中国に買ってもらうか。

もしくは昭和30年代の暮らしに逆戻りするかですね。

貧しかったが日本人の心は美しかったあの時代に、経済的にはもどることになっても、精神的には随分と荒廃が進んでいる今のわが国には難しいことではありましょうね。

亀井センセイの一時しのぎ法案も、却って結果を悪くするだけ、「真の国家百年の大計」を戦略的に構築する、私心なき、玄人はだしの肝の据わった政治家の出現が今ほど待ち望まれる日はありません。

ああ一気に書いたので、疲れた。

最後まで読んでくれたお方はえらーい。

ご精読のお礼に長崎県外海町の夕陽をプレゼントしましょう。

提供は舎利弗さん