古都奈良・修学旅行と世界遺産の街（その１４１）

「世界遺産・古都奈良の平城宮跡を東西に横切っている近鉄奈良線のルートは南に下げて大宮通りに沿って地下化する検討を奈良県では開始する。」とのＴＶニュースが流れていた。街角インタビューを観ていると、「奈良県民・特に奈良市民であるならば、近鉄電車が平城宮跡を走っているのは生まれる前からのことであり不思議でも何でもないと。」と答える人が多かった。-----
「世界遺産・古都奈良」をユネスコに登録する際に将来的には近鉄奈良線を平城宮跡から移設あるいは地下化すると約束したのだろうか定かではないが、それ程気にする必要は無いように思われる。テーマパークのど真ん中を私鉄の電車が疾駆しているなど、観光客のためには寧ろ楽しんでもらえる気もするのだが、遠い先、リニア新幹線の開通までには、検討に値する名案が浮かべばそれも良しと云ったところなのだろうと、観ていて思った。-------
確かに、「元・奈良そごう百貨店（現在・イトーヨーカドー）」のあるところは長屋王の邸跡であることが判明し、ビル建設に際して地下階の建設は行われていない。近鉄奈良線の地下化を検討しても実際には平城宮跡の近くを通ることは避けられないので、地下に埋もれている埋蔵財を痛めてしまう危険は寧ろ高くなってしまう。であれば現状の方が余程ましとも云えるのである。