奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その805)

2018-11-07 08:15:00 | 奈良・不比等
北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
日経新聞の“私の履歴書”に多川俊映(たがわしゅんえい1947生れ)氏が登場している。古都奈良・興福寺貫首(1989~)である。藤原不比等の創建時・天平伽藍の中核であった中金堂落慶(2018.10.7~11)を300年振りに済ませ、満を持して絶好の興福寺宣伝の機会を掴まれている。明治150年の今年(2018)、廃仏毀釈の惨憺たる被害からの復興を漸く、古都奈良・興福寺は宣言したことになる。国宝の阿修羅像だけは知名度ナンバーワンであるが、未(いま)だに、西国巡礼9番札所としての知名度の方が大きい。-----
多川俊映氏は同じ法相宗本山の西の京・薬師寺の写経による寄進を良しとせず、法相宗の唯識教学のお勉強も欠かさずに、他方では地味に中金堂再建の企画を進めて来られた。薬師寺の唯識は地に落ちているが、古都奈良・興福寺では毎月、仏教文化講座を開くなどその教学の精神を絶やしていない。中国の三蔵法師がインドから遥々と持ち帰った唯識教学はインド仏教の最高の教えであると云うことを知る日本人は少ない。西遊記は誰でも知っているのだが。唯識教学は難しくて三島由紀夫も理解出来なかった程であり、養老孟司氏がご自分の脳科学の研究とそっくりだと驚きを禁じ得ないとご本に書かれていた。-----
勿論、多川俊映氏の著書には唯識教学の教えを説いたものが幾つかあるがヒットしているようではない。だが、一般にも知って貰えるように、興福寺売店には置いてあるそうだ。一度、西洋哲学に飽きた方は、インド哲学の華、唯識教学を学ばれては如何だろうか。-----
多川俊映氏は日経新聞の私の履歴書を読んで、国内観光客が世界遺産古都奈良・興福寺に殺到してくれることを衷心から夙(つと)に願っておられるのだと思った。
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