朝から、鶯の初鳴きが聞こえる!
小高い陽だまりにはスイセン(Narcissus)が咲いている、スイセンの名は「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という”中国の古典”に由来。
古来から日本人に愛されてきた椿(Camellia japonica)の花にミツバチが蜜を集めに来ている。現在、稲に撒く農薬でミツバチが減少している…農薬を減らして環境汚染を食い止めなければ、人類にも悪影響を及ぼすだろう。有機肥料で育てる”おいしい丸葉山”(2月19日)、ささやかな活動はその一貫でもあるのだ!
数日、暖かい日が続いたためクロッカスも元気、白色も遅れて咲いた。
春はそこまで来ているのだな~~
快晴で暖かい日、阿蘇の冬の風物詩"古閑の滝"まで1時間30分のドライブ。
駐車場に車を止めて雪が残る坂道を登る。道ですれ違った若者が”こんにちわ”と快く挨拶する、坂道も苦にならない。約600m程登ると滝が見えて来た。
水量は少なく酷寒期には氷瀑が架かることで有名だが、すでに氷瀑は溶けて少ない。”古閑の滝 岩に浸みいる 水の音”
カルデラ東部のカルデラ壁(先阿蘇火山岩の坂梨流紋岩)を流れ落ちる滝…カルデラ壁の静寂、肌を刺す冷気の中、流れ落ちる滝の水が印象的! 道路案内には古閑の滝(Koga Falls)、何時もは男滝(落差80m)と女滝(落差100m)の2本の滝があるため英訳は複数形を使っているのだろうか、この夫婦滝は単数のKoga Fallで良いと思うが…
滝の横には列車が出入する豊肥本線のトンネルがある。ここは1昨年の九州北部豪雨でトンネルが崩落し線路が流失して甚大な被害を被った。周りのカルデラ壁にも多くの爪跡が残っていて痛々しい。
近所に住むKさんの呼びかけで、”おいしい丸葉山”プロジェクトが昨年から始まった。英国”パム・ワーハースト:「食べられる景色がある町づくり」”の阿蘇版だ!
昨年、ゴミ収集箱を修理した時の様子
草が生い茂る空地を整備して、有機肥料で花・果物・野菜などを育てるボランティア活動。現在9名程のメンバーが活動しているが、趣旨に賛同するなら誰でも参加できる。
この活動で①地域が美しい場所になる ②作業を通して互いに仲良くなる ③出来た果物や野菜は誰でも自由に取って食べてよい…おいしい丸葉山地区だ!
今日は、手始めにバス旅行でメンバーの研修と親睦を深めることになり、S夫妻が家に訪ねてきて”山鹿の装飾古墳めぐり”などを話しあった。
「自宅から根子岳が見えますか?」と聞かれることが多い。2月5日のブログ(写真)のようによく見える。阿蘇五岳の中で、東側に離れたて立つ根子岳は熊本の人々に一番人気がある。岩脈が浸食によって削られ、薄い板状にそびえ立つ姿に魅せられるのであろう…その最高峰「天狗岩」(1433m)は険しく、登るには高度な登山技術が必要だ。
神話によれば、『阿蘇の神、健磐龍命は阿蘇の五つの山の兄弟をかわいがっていました。末っ子の根子岳は兄弟の中で一番背が低かったので、萩岳付近に住む鬼に「一晩のうちに背を高くして!」と頼み込み込み、鬼は名誉にかけ萩岳から石や岩を夜どうし運んで根子岳に積み上げました。東の空が白み始めると、根子岳の峰々に雲がかかり、気高ささえ感じるほどでした。根子岳は、「どうだい、兄さん達!雲を従えそびえ立つ姿は」と自分が一番偉いとばかりに肩をそびえかえしました。父の健磐龍命は「近頃の根子岳は言うことに従わないばかりか、逆らうことも多い、鼻持ちならん!」「兄さん達を見下しておごり高ぶるな!」と、いさめながら枝を束ねた竹の棒で頭をたたきました。』…これが頭がギザギザになった原因だそうだ。
神話にも現代に通じる真実が所々に含まれていると思う。
(追記) 神話では末っ子の根子岳は、阿蘇山が大噴火してカルデラが形成される時期(約8~11万年前)に、カルデラの縁にできた阿蘇五岳では一番古い火山と考えられている。
雪の阿蘇、散歩の途中で撮影!
左から”烏帽子岳”、”中岳”、”高岳”と”御竃門山(おかまどやま)”である。雪の阿蘇山は凛として風格があり、眺めていても身が引き締まって清々しい。
この阿蘇山は27万年前から9万年前の間に、4回の大噴火で大量の火砕流を噴出し、陥没や崩壊によりカルデラが形成されて、その中に雨水などがたまり湖ができた。
その中に中央火口丘の活動が始まって阿蘇五岳が形作られた。約6万年前に御竃門山、約3万年前に烏帽子岳、約2万年前に高岳、中岳が形成されたと考えられている。立野火口瀬の形成により水の流出、溶岩流によるせき止めを数回繰返して、現在の阿蘇山が出来上がった。
眺める景色も、その生い立ちを知ると深まってくる。