心配した天気は幸いにも曇り空、家族旅行の客(レンタカーの6名)を阿蘇駅で出迎える。愛知から飛行機で熊本にお越しになり黒川温泉などに泊まられた後、最後に阿蘇の雄大な大自然を楽しみたいとのこと…希望は”阿蘇中岳火口”だが、火口周辺警報(噴火警戒レベル2)発令中で火口から半径約1km以内への立ち入り禁止のため、代わりに”米塚と草千里ガ浜”を案内する(山久とその妻)
阿蘇駅から米塚まで、レンタカーを先導して阿蘇山北登山道を登る。北外輪山の雄大な草原に赤牛が草を食んでいる…登山道を車で約20分ほど登ると阿蘇を代表する均整が取れた美しい山”米塚”に着く
目の前に迫る米塚を見て”なぜ、木が生えず草原があるのか?”、”なぜ、美しい山が出来たのか?”等の矢継ぎ早の質問…人々が約1000年にわたり、野焼き、放牧、採草により草原を維持してきたこと(世界農業遺産)、玄武岩質溶岩が発泡したスコリヤの成層火山で短期間の噴火で形成されたこと(ストロンボリ噴火)を話す
道路工事で側面が削り取られた”上米塚”ではスコリヤ丘の内部構造を目で見て観察し、”スコリヤ”を手で触り、その手触りや重さを体感
”草千里ガ浜”は火山博物館の南に広がる草原だが、約26,000年前に中央火口丘で一番激しい噴火をした2重火山で、南側にある烏帽子岳の火口をも吹き飛ばした
草千里展望所から、西側の烏帽子岳登山道を歩き、西側の池(最初の噴火の火口)の南を通り、駒立山に登って一休み、さらに東側の池(2番目噴火の火口)の南を通り東側の丘陵(最初の噴火の火口壁上)に登る…今日は曇りで草原を風が吹き抜け、海抜約1,100mのトレッキングは気持ちが良い
今が盛りの花は、サイヨウシャジン(細葉沙参)…シャジン(沙参)の細葉形という意味
ホソバシュロソウ(細葉棕櫚草)…花序の上の方には雄しべと雌しべのある両性花が、下の方には雄しべだけの雄花が咲く。根もとにシュロの毛のような葉鞘(ようしょう)の繊維が残っている
ワレモコウ(吾亦紅)…赤黒いこの花はなに色だろうか? その時みなそれぞれに茶色、こげ茶、紫などと言い張った。どこからか「いや、私は断じて紅ですよ」と言うのが聞こえた。「花が自分で言っているのだから間違いない、われも紅とする」で「我亦紅」となったという
最後に東の丘陵から噴煙(ほとんど水蒸気)を吹きだす中岳を展望…家族旅行(10代から70代)の客、阿蘇の大自然を満喫され大満足!