阿蘇山を眺めて暮らす自由人!

四季の移ろいを肌で感じ、阿蘇で暮らす自由人が見たもの・聞いたこと・感じたこと

一の峰、二の峰…登山と野草

2015年09月28日 | 阿蘇ガイド

 ジオガイドの”登山と野草”サークル(リーダーOさん、Hさん)に参加…南阿蘇の山、一の峰登山口~一の峰(頂上)~二の峰(頂上)~林道まで下り、林道から(車)で帰る、初秋に咲く沢山の野草に出会った


 一の峰に登る途中、”輪地(わち)切り”を通る、”輪地切り”は野焼きの時、植林地の周りへの延焼を防ぐ幅10m程の防火帯で、夏の終わりから秋にかけて草を刈り、刈った枯れた草を焼いて(輪地焼き)作る…”輪地切り(8月から9月)”や”野焼き(2月から3月)”は毎年地元住民と多くのボランティアが協力して行われる



 一の峰の山頂が”ススキ”たなびく草原の向こうに見えてくる



 一の峰山頂に到着、頂上付近にある岩塔(トア)の風穴は”落雷を引き金とする風化穴”である。この事実を論文(地形 第34巻第4号 303-311頁(2013))にまとめた横山勝三(元熊大教授)氏が解説…クリノメータをかざすと風化穴の周りは落雷による磁極の乱れが観察された




 二の峰から一の峰を望む…一の峰から二の峰の尾根の下には岩脈(岩盤の隙間を登って来た溶岩)が在ることが解る




 初秋の野草に出会う、”コガンピ(小雁皮)”「ガンピ」はコウゾ,ミツマタとならび紙の原料にされた。作られた和紙を「雁皮紙(がんぴし)」と言う。”ヤマジノキク(山路野菊)”は日当たりのよい草原に生える




 ”マツムシソウ(松虫草)”はマツムシ(スズムシ)が鳴くころに咲く花、日本の固有種で荒れた山地の草原に生育する…マツムシソウの花畑と来年咲く1年目のマツムシソウの苗





 ”センブリ(千振)”は乾燥して腹痛等の薬草としても使用される。”ハバヤマボクチ”は草刈場(葉場)に生育する火口アザミの意味がある。”オミナエシ(女郎花)”は「秋の七草」の一つ…萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)




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田の実祭(阿蘇神社)…流鏑馬etc.

2015年09月25日 | 阿蘇ガイド

 阿蘇神社の楼門が秋晴れの空に聳える、阿蘇神社の”田の実祭”が執り行われた



 10時から神事が始まり、お祓いの後、米・酒・塩・水・鏡餅・魚・海藻・野菜・果物などの神饌に加え稲の初穂と赤飯が供えられた




 お神楽を奉納した後、深々と頭を下げて神様に五穀豊穣を感謝する




 神事終了後、「願(がん)の相撲」が奉納される…力士は駕輿丁(かやちょう;おんだ祭りの神輿の担ぎ手)が紅白に分かれて5組が2回取り組んだ、勝負は赤と白が交互に勝つように決められている



 相撲が終わると、楼門前の横参道で流鏑馬(やぶさめ)が始まる。馬は10頭、射手は阿蘇神社流鏑馬射手会(阿蘇清峰高校の馬術部OB)が務め、参道には的が三ヶ所に設けられていて、阿蘇神社の楼門前を射手は3回駆け抜け、矢が当たると五色の紙吹雪が舞い上がる…一時間に渡る烏帽子に直垂(ひたたれ)・袴で鹿皮の行縢(むかばき)を着けた射手と馬の勇壮な儀式である





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田の実祭(国造神社)

2015年09月22日 | 阿蘇ガイド

 五穀豊穣の感謝祭である”田の実祭”国造神社の前日祭が、22日午後6時から行われた…神事は当日祭(23日)と後日祭(24日)に行われる予定だ


 国造神社は阿蘇谷の東北の手野に祀られている。神武天皇の皇子神八耳命(カミヤイミミノミコト)の孫、速瓶玉命(ハヤミカタマノミコト)を主神とし、妃・雨宮(アマミヤ)神とその子、高橋神と火宮神の四神を祀っている…十世紀初めの「延喜式」の神名帳にも記されている古い神社



 石灯籠や子供達が作った紙の灯籠が足元を照らし、神社へ導いてくれる




 全国でも珍しい”鯰”を祀る鯰宮がある



 ”手野の大杉”(樹齢約2,000年、平成3年の台風で倒れたため主幹を保存)の前で、高校生が叩く大太鼓が境内に鳴り響き、地域の祭りを盛り上げていた…夕暮れ時の夜店も賑わっている、ここで”寿司”・”焼きそば”・”おでん”の夕食



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秋晴れの庭と阿蘇山(中岳)

2015年09月20日 | 阿蘇のくらし

 14日(月)中岳の噴火当日には、この冬来日予定のスエーデンの友人から「黒煙が舞い上がる阿蘇山がテレビで放映されていたが大丈夫か?」と電話があった、マスコミが騒ぎ過ぎだ!…その後の中岳は水蒸気を多く含んだ噴煙や時には火山灰を多く含んだ灰黒色の噴煙を吹きだしているが、住民は普段と同じ生活を続けている


 9月17日午前6時50分撮影…四季折々、刻々と姿を変える阿蘇山



 9月17日午前7時10分撮影…朝日がさしてきた



 9月20日午前7時37分撮影…火山灰をまき散らしている



 9月20日午前10時37分撮影…水蒸気を噴き上げる



 秋晴れの阿蘇の朝夕は冷え込むようになって来た、畑・庭や法面に伸びた草を刈るのが忙しい毎日




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阿蘇山(中岳)噴火

2015年09月14日 | 阿蘇のくらし

 午前9時43分頃、阿蘇山(中岳)が噴火…噴火当時は生茂った畑の草を刈払機で刈っていたので噴火の鳴動に気が付かなかったが、30分程経過後阿蘇山を眺めると噴火初期の真っ黒の噴煙から灰色に変化した噴煙がもくもくと空高く舞い上がっていた、気象庁の発表によると上空約2,000mに達したとのこと


 噴火直後の写真(児玉史郎さん撮影)



 気象庁が噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げ、「阿蘇火山防災会議協議会」は火口から半径約4キロを立ち入り禁止としたため、阿蘇ガイド(GeoGuideやインタープリタ)の会合が行われる”火山博物館”へ行くことが出来なくなった


 火口から半径約10kmの南外輪山に住む者には、風向きによっては降灰がある…晩春~夏~初秋は南風が吹くため阿蘇谷方面に降灰、晩秋~冬~初春には北風が吹くため南郷谷に降灰が多い


 今回は、マグマ水蒸気爆発(多量の水と高温の熱源(マグマ)が接触した場合、水の瞬間的な蒸発による体積の増大(体積が約1,700倍)が起こり、それが爆発となる)と考えられている


 中岳の噴火様式は約10~20年の周期で次のサイクルを繰り返しているようだ、(1)”活動が穏かな時期”は火口全面に「湯だまり」→(2)”活動がやや活発”になると湯だまりの水量が減少し「土砂噴出現象」→(3)”活動がさらに活発化”すると火口底が露出し「赤熱現象」→(4)”さらに活動が活発化”すると「大きな穴(火孔)」から「火山灰を噴出する噴火」→(5)”活動が最盛期”には周期的にマグマのしぶきや噴石等を放出する「ストロンボリ式噴火」→(6)”活動が終息”し火口は再び「湯だまり」で覆われる


 初秋の阿蘇とススキ



 花期が長い”サルスベリ(百日紅)”の花




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阿蘇もん(自然観察)

2015年09月11日 | 阿蘇ガイド

 長崎市・K小学校の生徒を乗せた修学旅行バスが午前8時50分”あそ望の郷”に到着、約15~16人の班に分かれて”阿蘇もん”さんを訪問して体験学習をする。私はコーディネータとして、O先生の阿蘇もん(自然観察)に参加して同行


 コースは”あそ望の郷”を出発し、南阿蘇外輪山の地蔵峠登山口ー地蔵峠ー(自然観察)ー(湧水のかに・ヨコエビ観察)ー広場で折り返しー地蔵峠ー登山口ー”あそ望の郷”の約2時間30分…天気は快晴、子供達は南外輪山の自然を関喫したようだ



 地蔵峠で、自然観察コースの説明を聞く生徒達



 九州自然歩道では、紫色の花”マツムシソウ”[マツムシ(スズムシ)が鳴くころに咲くことが和名の由来]や冷涼な気候を好む”ホソバハハコグサ”が咲いている




 サントリーの「自然水の森」は、保水性が高い”ブナ(橅)林”で覆われ木漏れ日がさし込んで涼しい、クマザサ(隈笹)の中に”ツチアケビ”の実が生っていた




 白川の源流の一つの湧水では、一生を淡水域で過ごす純淡水性の”サワガニ”や水辺の石の下に住むものは体を横に倒して生活する”ヨコエビ”等、めずらしい甲殻類を観察…子供たちはすばしこくカニやエビを捕まえる





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初秋の阿蘇山

2015年09月08日 | 阿蘇ガイド

 ”阿蘇GeoGuide”のサークル活動が阿蘇山頂にある火山博物館のレクチャールームで開かれるため、南登山道を車で登り降りすることが多い。7日は”英語サークル”で英国人の講師による英文ガイドの添削、8日は”パソコンサークル”のホームページの作り方が開催された


 南登山道から眺める草原や阿蘇の山々は、早や秋の気配を感じる…のんびり草を食む阿蘇の赤牛、火山性の地獄温泉や垂玉温泉の湯気が立ち上り硫黄の匂いがする




 草原の向うに北外輪山の鞍岳がよく見える、草原から湧き上がるような雲が風にたなびく…秋の空だ!




 南登山道は”暗いトンネル”が御竈山の山麓を西から東に突き抜けて通っている…トンネルを抜けると山頂は近い



 南東からの眺める烏帽子岳の稜線は途中で途切れ、山頂にあった火口が吹き飛ばされたことを想像させる



 中岳は、なお活発な活動を続けている


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