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トッパンホールの「ハーゲン・クァルテット」

2023-11-02 16:04:35 | 音楽
11月1日(水)の夜に、トッパンホールでハーゲン・クァルテットを聴く。チケットは売り切れで、満席状態。若い人も結構いる。トッパンホールは何処の駅から歩いても遠いので、ちょっと気が重いが、室内楽やピアノのリサイタルには最適なホールという感じがするので、今回も意を決して出かけた。

ハーゲン・クァルテットは、ドイツの弦楽四重奏団で、40年ぐらい前に結成して活躍している。ハーゲン兄弟4人に始めたが、一人がソロ奏者となって抜けたので、第二バイオリンだけが兄弟でない別の人を入れたようだ。演奏を見ていると、体型の違いなどから兄弟とそうでない人とが明確に分かった。

トッパンホールには20年前から定期的に来ていたようだが、コロナでしばらく途切れていたのが久々に再開されたようだ。3夜にわたって演奏会が開かれたが、プログラムはモーツァルトとベートーヴェンが1曲ずつで、フランスの作曲家の物が1曲付け加わるという形。

1日は最初にモーツァルトの弦楽四重奏曲15番、続いてドビュッシーの弦楽四重奏曲、20分の休憩後にベートーヴェンの「ラズモフスキー2番」という王道を行くプログラム。

最初のモーツアルトは珍しく短調で書かれた作品で、モーツァルト的な響きとはちょっと違う感じもあるが、さまざまな技法が取り入れられていて面白い。続くドビュッシーの弦楽四重奏曲は初めて聞いたが、ドビュッシーがこんな曲を書くのかと思った。第一楽章と第四楽章はいかにもドビュッシーという感じだが、二楽章と三楽章が個性的でとても面白く感じられた。

締めくくりはベートーヴェンで、有名な曲だけに何度聴いても面白い。兄弟で長く組んで活動しているだけあって、4人の息がピタリと合い、強弱やメリハリの付け方も素晴らしく、久々に弦楽四重奏曲を堪能した。オーケストラもいろいろな音色の楽器があって面白いが、音が多すぎて、音楽の構造がよくわからないが、弦楽四重奏は見事な四声の構成で、それぞれの楽器の奏でる音が組み合わさっていく様子がよくわかり楽しいと思った。

帰りがけにお気に入りのピザ屋で軽い食事。タコのマリネ、ルッコラとトマトのサラダ、ピッツァ・ロマーナ(アンチョビが効いている)、飲み物はイタリアの白。

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