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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

東京芸術劇場の東京フィル・コンサート

2020-02-08 09:51:19 | 音楽
2月7日(金)の夜に東京芸術劇場で東京フィルハーモニーのコンサートを聴く。19時開演で、15分間の休憩を挟み終演は21時10分頃。場内はほぼ満席。

プログラムは、「ロシアの薫り」と題してラフマニノフ特集で、前半はピアノ協奏曲2番、後半は交響曲2番。指揮は渡邊一正、ピアノはベテランの花房晴美。

ピアノ協奏曲の2番は、ロシアの暗いムードが好きな曲だが、今回の演奏は妙に明晰で明るい演奏。ピアノもきちんと演奏しているが、なんとなく情感というか、ラフマニノフのうねりとなって押し寄せる情感の波が感じられない。だから面白くないかというとそうでもなく、今まで聴いたことがないだけで、こうした演奏もありなのかと思わせるものだった。

後半の交響曲2番は、1時間もかかる大曲。退屈しないかと思ったが、聴き始めたら引き込まれてあっという間に終わった。全体にアレグロで早いテンポで進むが、第3楽章のアダージョがくっきりと浮かび上がり、美しく聴かせた。ラフマニノフはこれまであまり聴いてこなかったが、魅力的で良いなあと改めて感じる。

ピアノのアンコールはドビッシーの曲で、花房晴美はフランス音楽を得意としているらしく、この演奏が素晴らしかった。オケもアンコールがあり、チャイコフスキーの「眠れる森の美女」のワルツ。ロシア仲間での締めくくり。

帰りはいつものスペインバルで軽い食事。トルティージャ、生ハム、クリームコロッケ、タラのフリットなど。