劇場と映画、ときどき音楽と本

オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

映画「キネマの天地」

2019-09-09 15:56:11 | 映画
衛星放送の録画で松竹映画「キネマの天地」を観る。松竹の大船撮影所50周年記念製作というタイトルが出てくる。だから大船撮影所の話かと思ったら、その前の蒲田撮影所が舞台の作品で、映画の最後に大船撮影所の開設の話が出てくる。

1986年の作品で、野村芳太郎が製作、山田洋次が監督で、出演者は渥美清や倍賞美恵子などが出てくるので、なんとなく寅さん物を連想するような雰囲気。それ以外にも大スターが大勢出ているので、それを見つけるのも楽しみかも知れない。

話は浅草の映画館街から始まり、その映画館の一つで売り子をやっていた美人の娘が、監督に目を付けられて女優となり大スターになるまでを描いている。撮影所風景で、城戸所長や、いろいろな監督が出てくるが、喜劇の得意な斎藤寅次郎や、ローアングルで撮る小津安二郎などがいかにもそれらしく出てくるので、それだけでも面白い。

主演の女優は田中小春という名前なので、当時の大スター田中絹代のイメージなのかも知れないが、田中絹代の経歴を知らないので、なんとも言えない。

蒲田撮影所の話なので、当然のように蒲田行進曲がテーマソングとして繰り返される。この曲は現在も蒲田駅で流れるぐらい有名だが、この曲は元はアメリカのオペレッタ「放浪の王者」の曲で、1930年に映画化されて日本でも公開されているが、日本語の歌詞が付けられてレコードでも出たのが1929年のことなので、アメリカの映画を見てではなく、宝塚歌劇で歌われたのを聞いて歌詞が付けられてのではないかという気がする。

今も活躍したいる人が出てくるが、35年も前の作品なので、みんな若いなあと懐かしく観た。