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オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

ミラノの「最後の晩餐」の入場券を予約する

2017-04-09 12:58:56 | 旅行
6月末のスカラ座の切符を買ったので、ミラノ行きのついでに、ダビンチが描いた有名な「最後の晩餐」も見ようと思い、切符の予約を試みた。正規の入場料は10ユーロ(予約の場合はそれに2ユーロの予約料がかかる)のようだが、代理店に依頼すると、予約の手続きだけで24~30ユーロという法外な価格になっている。これだけのプレミアムが付くのだから、よっぽど買いにくいのだろうと思う反面、何とか自分で手に入れようと考える。

いろいろとネットで検索しようと思ったが、「最後の晩餐」て、イタリア語では何というのかというのが最初の疑問だった。英語ではラスト・サパーと言うらしい。日本語と同じだが、晩餐よりもサパーの方が軽い食事のイメージだ。パンと葡萄酒だけみたいなものだから、英語の方がよりニュアンスが近いかなと思う。調べてみると、イタリア語ではチェナーコロ・ヴィンチアーノという名前だと分かる。直訳するとヴィンチの食堂といったところか。ダ・ヴィンチが食堂に描いたことから、そう呼ばれているらしい。

ところで、レオナルド・ダ・ヴィンチという名前は、ヴィンチ(村の名前)から来たレオナルドという意味だと習った覚えがある。「ダ」は奪格で、英語のフロムに相当する前置詞だ。そう考えると、ヴィンチの食堂と呼ぶよりも、レオナルドの食堂と呼んだ方が良いのではないかという気もするが、ヴィンチが姓のようにとらえられているようだ。

このチェナーコロ・ヴィンチアーノで検索すると、ヴィヴァチケットという会社の予約サイトが現れる。ところが、チケットはすべて売り切れだ。年に4回の売り出し日が書いてあり、その日に3か月分が発売となるので、3か月以上前に訪問日を決めて予約するならば、インターネットで買えそうだ。ところが、それを逃してしまうと、インターネットでは買えない。

ネットで調べると、コールセンターに電話して買ったとか、当日売りを朝一番で狙ったという情報が現れる。当日売りへの挑戦は、最後の手段と考えて、コールセンタに電話してみる。イタリアの朝一番に電話すると、イタリア語でアナウンスが流れて、受付時間は日曜日以外の朝8時から〇〇時までみたいなアナウンスが流れて、英語は2を押せみたいなことをいうので、2を押してみると、訛った英語で同じ内容が流れる。朝8時にかけているのに、まだ受け付けていないようだ。

気を取り直して、1時間後にもう一度かけてみる。そうすると、アナウンスが変わっており、受付が始まっているようだ。期待を込めて、英語の2を押すと、込み合っているので、そのまま待てのようなアナウンスなので、待っていると、込み合っていますとのアナウンスで突然切られてしまう。まあ、長く待っていると電話代もかさむので、切った方が親切なのかも知れないが、それならば、初めから切ってもらった方が良い。親切なのか不親切なのかわからないが、とりあえず、何度も電話をかけてみた。

そうすると、イタリア語で「込み合っているので、またあとでおかけ直しください」とのアナウンスが入り、ぶちっと切られてしまう状態となった。まあ、その方が親切だよなと、妙な関心をする。その日はもう繋がりそうもないのであきらめて、また翌日に試みることにする。

翌日も同じように試みるが、「お待ちください」と「かけ直して、ブチ」の繰り返し。国際電話代は確実にかかっていそうだが、繋がりそうもないので、方法をもう一度検討する。

受付電話番号は****360なのだが、グループ受付は*****362のように書いてあるので、*****361とか362に電話すれば案外通じるのではないか。英語受付は込み合うのかも知れないので、頑張ってイタリア語でやるか。それとも諦めて、旅行会社に大金を払うか。いろいろと考えるが、どれもリスクがあるので、もう少し従来のやり方で電話をかけ続けることにする。

そうして、結局電話を始めて5日目、通算36回目のコールで突然つながった。繋がれば後は簡単。希望日を伝えて、午後が空いているかと尋ねると、13時でどうかとの返事なので、それで結構だと予約した。その後に、氏名、クレジット・カード番号、メルアドを尋ねられた。これはネットで打ち込むのは簡単だが、電話で伝えるのはちょっと大変だった。特に氏名やメルアドはイタリア人には意味のない文字列に思えるだろうから、アルファベットで一文字ずつ伝えることになる。それでも、英語とイタリア語ではアルファベットの読み方が異なり、日本人の訛った発音なので、アルファベット伝えるのに苦労する。ちなみに、iは英語ではアイだが、イタリア語ではイとなる。eも英語はイーだが、イタリア語ではエだ。

こちらも、相手がイタリア人だと考えて、イタリア語でアルファベットをいうものだから、よけい混乱に拍車がかかる。結局、アメリカのA、ベルギーのB、カナダのC、デンマークのDみたいに、単語を並べてアルファベットを伝えることになるが、昔はよくこうしたやり方を使ったが、インターネットの時代となったので、すっかりと忘れている。

一応、誰でも知っていそうな国の名前を使うのが一般的だが、これもだんだんと混乱してくる。イングランドのE、フランスのF、ジャーマニー(ドイツ)のGぐらいまでは良いが、Hはオランダでよいかな発音に出てこないよななどと考えていると、相手がホテルのHと助け舟を出してくれた。Jはもっと悩む。ジャパンのJと言いたいところなのだが、Jを使わないイタリア語のジャポネはGで綴ることになっている。てなことで、アルファベットの伝え方を事前に準備しておくのが最も大事だと分かった。

結局、いろいろと時間がかかり、12分間の通話となった。IP電話なので、12分間で240円。安い。5日間で使った電話代は合計で800円ぐらいだった。でもまあ、旅行代理店に頼むよりもかなり安く済んだ。

電話を切ると、すぐに確認のメールが届いたので、きちんと伝わったと安心した。アメリカのクチコミ・サイトも覗いてみたが、アメリカ人もやはり予約に苦労しているようだった。他にも苦労している人がいることを知り、少し安心した。