劇場と映画、ときどき音楽と本

オペラ、バレエ、歌舞伎、文楽などの鑑賞日記です

ミラノ・スカラ座の切符を買う

2017-04-07 09:21:50 | オペラ
たまには本場のオペラを観ようということで、計画を立てた。6月末から7月にかけて、ミラノ・スカラ座、ヴェローナ野外オペラ、ヴェネチアのフェニーチェ座を連続してみて回る弾丸ツアーだ。こうしたパッケージ・ツアーも旅行社から売りに出されてはいるが、旅行時期、演目が選べないし、何しろ価格が高い。70~100万円というのが相場のようだ。そんなに払う気はないので、全部自分で手配することにした。

自分で手配するうえで、一番の難関はミラノ・スカラ座のチケットである。世界で有名なこのオペラ劇場には、世界中からファンが押し寄せるので、競争倍率は高い。僕もミーハーだからプッチーニの「ラ・ボエーム」のチケをとることにした。およそ半世紀も前にゼフィレッリが演出した名舞台が、スカラ座とニューヨークのメトでは今でも上演されている。

さて、切符の入手方法だが、今ではほとんどの劇場はインターネット販売をしているので、インターネットで直接買うのが、確実で席も選べて、安い。スカラ座のホーム・ページはイタリア語だが、英語にも切り替えられるので、英語がある程度分かれば買うことができる。これは世界中どこの劇場でも同じだ。とはいっても人気の演目は売り切れてしまうので、発売と同時に入手した方が良い。

事前の準備としては、ホーム・ページで自分の見たい演目の発売日を確認しておくことが大事だ。スカラ座でのインターネット販売は、シーズン・チケットの販売の後なので、良い席はすでに売れてしまっている。また、発売日の午前中に窓口販売が行われて、インターネットの販売はイタリア時間の正午からなので、およそ1万円以下の安い席も窓口販売で売れてしまっている。だから、インターネットで買えるのは、高い席の比較的悪い席ということになるが、日本から買うのでハンディを負うのは仕方がない。

また、演目や出演者によっても売れ行きはかなり異なるので、どれを狙うかはよく考えておく必要がある。一般的に言って、各演目の初日や土曜日は売れ行きが良く、すぐに席は埋まってしまう。それに次ぐのが金曜日や日曜日の公演で、平日は比較的買いやすいといえる。

今回は人気演目の金曜日に挑戦した。発売時刻になると切符を買うページに移れるようになるので、そこで具体的な座席を選んでカートへ入れる。値段、見やすさなどを考えて、そこで決断が必要となる。各公演ごとに価格表は事前に発表されているので、それを見て、どこを狙うか考えておく必要がある。また、座席を選ぶページでは、カーソルをその席に合わせると、舞台の見え方が小窓が開いて出てくるので、そうした情報は事前に研究しておき、当日はあまり時間をかけずに席を選びたい。

一旦席を選んでカートへ入れてしまえば、15分間は留保されるので、そこからはゆっくりと落ち着いて購入手続きをすればよい。切符の入手方法は、郵送か電子チケット(自宅で印刷)かを選ぶことになるが、郵送は約1週間かかり郵送料も必要なので、僕は自宅で印刷を選んだ。その後は、購入者の氏名、住所、電話番号、メルアドなどが求められる。イタリア人だと納税者番号などが必要だが、日本人を選ぶと投入の必要はない。そこから進むと、投入したメルアドにパスワードが送られてくるので、それを画面に入れると、決済画面に進む。

決裁はクレジット・カードで、VISA、マスターなどを選ぶ。こうした主要なカードでは3Dセキュアと呼ばれる認証方法が使われている。つまり、利用者が本人であることを確認するために、一度カード会社の画面に飛んで、そこでパスワードを投入して、本人確認ができるとオーソリが完了して、購入できる仕組みだ。カード会社の画面に飛ぶのは販売店にパスワードを盗まれないための仕組みだが、こうしたカードを使う時には、事前にパスワードを確認しておかないと慌てることになる。

使えるカードにはJCBも入っていたので、唯一の日の丸カードを応援しようと思ってJCBを使ってみた。カード情報を投入して裏面のセキュリティ・コードを入れると、そのままオーソリが完了して決裁終了となった。簡単でよいが、セキュリティでは負けている。これでよいのかJCBと思う。

カード決済が完了すると、取引完了の画面となり、先ほど登録したメルアドに確認メールが届き、添付ファイルが6個もついていた。そのうち5個は意味のないスカラ座のロゴマークで、チケットはPDFで送られたファイルに入っていた。チケットはA4版で印刷されて、切り取り線が書いてあるが、印刷チケットの上部に、購入者の名前が打ち出されている。トラブルが起きるのを防ぐために、記名式のチケット発行のようなので、実際に使うまでは切り取らずに持って置き、求められたらパスポートなどで本人確認する必要があるだろう。

以上、簡単ではあるが、今後自分でスカラ座のチケットを買おうという人のためにメモっておく。