花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

”秋の宝石” (18)№ 5

2020-11-29 | 植物 花

今日の ”秋の宝石” は、「シロヤマブキ」、「タンキリマメ」の漆黒の実です。

<黒真珠>に喩えた最後の記事です。

 最初の “黒真珠” は、「シロヤマブク」(白山吹)の実です、此の実も、真珠とは、言え難いのですが ・ ・ ・ 

似た花で黄色い五弁や八重の花を咲かせる「ヤマブキ」(山吹) Kerria japonica とは、属が、違う植物です。

花の色は、白で四弁花、「ヤマブキ」より実が着きやすいのか、「ヤマブキ」の実より視る機会が多い様に思います。

もっとも、八重の「ヤマブキ」の雄蕊、雌蕊が花弁に変化して、実を結ばない所為も有るようです。

花弁の枚数4枚と同 じ4個の真っ黒な実を着けます。

バラ科、シロヤマブキ属、耐寒性落葉低木、日本、朝鮮半島、中国に自生、学名  Rhodotypos scandens

花は、白色で4弁花

<「タンキリマメ」>

次は、「タンキリマメ」(痰切豆)の黒い実です、球形でないので、<真珠>とは、言い難いのですが

「タンキリ マメ」(痰切豆)の豆果の赤い莢と漆黒の種子です。

豆果の莢は、緑、黄、赤と変色、秋には、鮮やかな赤紫色に色着きます、混色の莢の色も愉しめます。

鞘が、弾けて黒光りする種子が、現れますが、暫くの間、鞘に付着した儘です。

花は、総状花序を出して、10数個の淡い黄色の蝶型の花を咲かせます。

名前の由来は、豆を食べると、痰を止める効能が有るとの俗説からとのことですが、真偽の程は ・ ・ ・ 

マメ科、タンキリマメ属、蔓性多年草、学名  Rhynchosia volubilis 

種子は、暫く鞘に着いています。

葉は、3出複葉で、小葉は、厚みが有ります、葉脈が目立つ葉で、「クズ」(葛)の葉に似ています。

萼には、褐色の毛が生えています。

似たものに、「トキリマメ」(吐切り豆)が、有りますが、葉の形の違いで区別出来ます。

下図は、淡い黄色でマメ科特有の蝶型の花をしています。

”痰切り” とは、綺麗な命名ではないですが、花、鞘が、結構綺麗なのです。

「痰切豆」の名前の由来は、種子を煎じて飲むと、痰を取り去る薬効が有るからとか

<各画像は、クリックで拡大表示します>


”秋の宝石” (17)№ 4

2020-11-27 | 植物 花

今回は、バラ科の「アロニア・メラノカルパ」、黒光りする ”秋の宝石” です。

最初は、「アロニア・メラノカルバ」の黒い実です。

 「アロニア」の種類によって、熟した時の色が違います。

「アロニア・アルブティフォリア」Aronia arbutifoliaは、赤色で

「アロニア・メラノカルバ」Aronia melanocarpaは、黒色です。

両者の交雑種は、「アロニア・プルニフォリア」Aronia prunifoliaは、暗紫色です。

初夏の頃、「梨」の花に似た白い花を散房花序に咲かせます。

バラ科、アロニア属、北アメリカ原産、落葉低木、英名 Chokeberry、Aronia

特に、「アロニア・アルブティフォリア」は、日本の「カマツカ」(鎌柄)に似てるので

「セイヨウカマツカ」(西洋鎌柄)、「オータムベリー」等の別名が付いています。

また、「アロニア・メラノカルバ」には、「ブラックチョークベリー」(Black chokeberry) の他に

“黒い実のナナカマド” の愛称が

黒い実は、ジャムやジュースに加工しますが、赤い実は、専ら観賞用です。

ポリフェノールが、「ブルーベリー」より多く含んでいるとかで、サプリメントとして、最近、人気が有ります。

下図=黒い実の「アロニア・メラノカルバ」Aronia melanocarpa

漆黒に熟した果実は、”黒真珠” かな

 

初夏の頃に「梨」の花に似た花を咲かせます。

下図は、赤く熟す「アロニア・アルブティフォリア」Aronia arbutifolia

下図は、上の2者の交配種で、暗紫色の「アロニア・プルニフォリア」(Aronia prunifoliaです。

 

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以下は、過去に載せた記事です、再掲載しました。

 
秋、トウダイグサ科の花2題

”秋に色着く” は、「イイギリ」(飯桐)の赤く色着いた実です。葉をすっかり落として、真赤な実が「葡萄」の房の様に下垂します、「ナンテン」(南天)の実にも似ています。「飯......
 

”秋の宝石” (16)№ 3

2020-11-24 | 植物 花

紅葉した「ナンキンハゼ」(南京櫨)の葉が、緑色の「クズ」(葛)の葉をバックに映えます。

花が、少ない季節には、植物の果実を挙げています。

今日の宝石<黒真珠>は、「ネズミモチ」、「トウネズミモチ」、「プリペット」の黒い実です。

<「ネズミモチ」(鼠黐)>

モクセイ科の「ネズミモチ」(鼠黐)の実も漆黒色に熟しています。

妙な名前ですが、此の実の形が、鼠の糞に似ていて楕円形

葉がモチノキ科の「モチノキ」(黐の木)に似ているからとか

6月頃に、円錐花序に白い小さな花を多数咲かせます。

花は、筒状の漏斗形で、花冠の先端が4裂して反り返ります、雌蘂雄蘂が突出ています。

次に載せる中国原産で同じモクセイ科の「トウネズミモチ」(唐鼠黐)の実とも似ていますが

実の形が、球形ですので、区別は、容易です。

亦、「ネズミモチ」の葉を太陽の光に翳すと、葉脈が透けて見えるが

「トウネズミモチ」は、透けて見える違いでも区別が容易です。

モクセイ科、イボタノキ属、常緑小高木、日本原産、学名 Ligustrum japonicum、別名「タマツバキ」

 「トウネズミモチ」(唐鼠黐)は、「ネズミモチ」より開花時期が遅く、花は、大きい違いが

学名 Ligustrum lucidum、英名 Glossy privet

 

<「トウネズミモチ」(唐鼠黐)>

「ネズミモチ」より開花時期が遅く、花は、より大きい違いが有ります。

学名  Ligustrum lucidum、英名 Glossy privet 

 

「ネズミモチ」、「トウネズミモチ」の花は、似ていて、小さな白い花を咲かせます。

 

「ネズミモチ」の仲間の「プリペット(プリベット)」の 黒い実も熟しています。

小枝が密生するので、生垣等に植栽することが多いようです。

初夏の頃に、白い小さな花が集まって花穂をつくります、甘い香りを振りまきます。

葉に白い斑が入って「シルバープリペット」、葉が黄色い「プリペット`レモン&ライム`」の種類が有ります。

モクセイ科、イボタノキ属、半常緑低木、ヨーロッパ、東アジア原産、学名  Ligustrum sinense

英名  European privet、別名「セイヨウイボタノキ」、「ヨウシュイボタノキ」



初夏に、下図の様な白く小さな花を咲かせます。

<各画像は、クリックで拡大表示します>


”秋の宝石” (15)№2

2020-11-22 | 植物 花

今日の<黒真珠>は、「ギンバイカ」、「カクレミノ」の黒い実です。

本物の真珠とは、程遠い感じですが、”模した” と言うことで御容赦を ・ ・ ・ 

最初は、樹木花の「マートル」(ギンバイカ / 銀梅花)実です。 

<「マートル」の実>

ヨーロッパでは、結婚式の式場を飾ったり、花嫁が持つブーケに使うとのことで

「祝いの木」の別名が付いた  ”目出度い”  樹木花とのこと

ギリシャ神話や旧約聖書にも登場する植物で、古くから親しまれていた植物のようです。

エジプト、ローマ、古代ギリシャでも、現代のように料理スパイス、香水として利用したとのこと

ドイツでは、今でも結婚式に此の花で作った冠を被るそうです。

スウェーデンでは、女の子が生まれると此の木を植え、やがて、花嫁になる時に

枝や葉で髪飾りをつくって祝う習慣が有るとのこと

「桐」の木を植えて、娘が、結婚するときに

タンスを作って持たせる日本の風習に似てます

夏に白い5弁花を咲かせます、「梅」の花に似ているので、「銀梅花」の名前の由来になった由

特に、多数の細長い雄蘂が溢れ出る様子は、美しいものです。

亦、艶の有る肉厚の葉も、此の白い花を引き立てます、葉には、「ユーカリ」に似た芳香が有ります。

秋には、円錐形で黒青色の果実が、実を結び、食べられますが、少々苦い味がします。

フトモモ科、ギンバイカ属、半耐寒性常緑低木、地中海沿岸原産、学名  Myrtus communis

英名  Common myrtle、別名「イワイノキ」、「ギンコウボク」


初夏の頃に、名前の由来になった「梅」の花に似た5弁の白い花を咲かせます。

次は、「カクレミノ」(隠れ蓑)の黒い実です。

<「カクレミノ」の実>

今頃に熟す黒い実には、「カクレミノ」の実が有ります、熟し過ぎて、皺が縁った実も

実の先端に、花柱が残るので、尖がり帽子の様な面白い形になります。

初夏から夏に懸けて、枝先に散形花序を出して、5弁の緑白色の花を咲かせます。

葉の形も変化するので、種々の形の葉を同時に視ることができて、愉しめます。

亦、葉は、成長すると、切れ込みが無くなるのも特徴です。

若木の頃の葉のは、三裂して昔の雨具の<蓑>に似ているで、此の名前が付いた由

<隠>は、此の蓑を被ると、人が隠れることができると言う昔話からとか

葉が成長するに随って、切込みが無くなります、肉厚の艶やかな葉が、紅葉するのも楽しめます。

ウコギ科、カクレミノ属、常緑高木、日本、台湾、朝鮮半島に分布、学名  Dendropanax trifidus

別名 「カラミツデ」、「テングノウチワ」、「ミツデ」、「ミツナガシワ」



三裂した葉が、昔の雨具の蓑の形に似ているから<蓑>の名前が着いた由

<隠>は、此の蓑を着けると身を隠すことが出来るとの伝説からとか。

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過去の記事の再掲載です。

 
秋の夕陽色(2)

秋に色着く № 11「チェッカーベリー」の実が赤く色着いています、紅葉する葉と、赤味を増す実を楽しみます。此の時季には、「センリョウ」、「マンリョウ」、「ヤブコウジ」等......
 

”秋の宝石” (14)№ 1

2020-11-20 | 植物 花

「ナンキンハゼ(南京櫨)」、「ハゼノキ(櫨の木)」の葉の紅葉  が、一段と其の色を増してきました。


次は、サトウハチロウ作詩<小さい秋みつけた>に詠われてる「ハゼノキ」(櫨の木)の紅葉です。

<小さい秋みつけた>の中に

風見の鶏の ぼやけたとさかに はぜの葉 ひとつ はぜの葉赤くて 入り日色

と詠まれています、赤くて入り日色なのです。

日本原産の「ヤマハゼ」(山櫨)に似ていますが、葉の裏表や茎に細かい毛が生えていているのが「ヤマハゼ」で

無毛で薄いのが、「ハゼノキ」なので、区別可能です、亦、「ウルシ」にも似ていますが

葉の先端が、尖っているのが「ハゼノキ」で、丸味を帯びているのが「ウルシ」です。

ウルシ科、ウルシ属、落葉高木、東南アジア原産、雌雄異株、学名  Toxicodendrum succedaneum

英名 Wax tree (実から木蝋)を採ったことからとか

別名 「リュウキュウハゼ」、「ロウノキ」、「トウハゼ」、「ハゼ」



単に、「ハゼ」とも呼ばれています、<ハゼモミジ>(櫨紅葉)の名前で、秋の季語にもなっていました。

日本には、実から木蝋(もくろう)を採る為に、中国から琉球を経て入った由

別名に、「ロウハゼ」、「トウハゼ」の名前が付いた理由とのことです。

葉は、奇数羽状複葉、10枚から15枚位の小葉からなる

Cimg16632_3 

 

今日は、宝石<黒真珠” に見立てたカ果実を載せてみました、黒光りする熟した実達です。

最初は、「シャリンバイ」の実です。

<「シャリンバイ」(車輪梅)>

「車輪梅」の名前もユニークですが、由来は、車輪状に着く葉が

車輪のスポークに似ていて、花が、「梅」の花に似てる故の命名とか

花は、初夏の頃、円錐花序に、五弁の白、亦は、淡いピンク色の花を咲かせます。

実は、緑色から紫色、青色、熟すと黒色と変化します。

バラ科、シャリンバイ属、常緑低木、日本、中国、朝鮮半島原産、学名    Rhaphioleps umbellata

別名 「タチシャリンバイ」、「ハマモッコク」




 下図の様に、葉が、車輪の様に着きます、名前の由来です。