花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

冬、大輪の椿

2021-11-29 | 植物 花

一般の「ヤブツバキ」(藪椿 ) Camellia japonica  や「リンゴツバキ」(林檎椿)Camellia japonica var.macrocarpa 

先駆けて咲く大輪の「グランサムツバキ」と「タイワンツバキ」(台湾椿)の二種を挙げてみました。

両者、花弁、雌蘂、雄蘂の形から、”目玉焼き”   Fried egg tree  に喩えた異名が 付いています。

 

<「グランサム椿」>

香港の九龍半島が原産地で、日本には、昭和の中頃に入ってきたとのことです。

<グランサム>の名前は、当時、香港総督だった<グランサム卿> Alexander Grantham  の名前からとか

黄色い雄蘂が500本位、雌蘂の先端が5裂しています、花弁は、7~10枚、先端で反り返ります。

葉は、肉厚で光沢が有り、葉脈が目立ちます。

此の多数の黄色い雄蘂をスクランブルエッグに喩えて名が付いた由

ツバキ科、ツバキ属、常緑小高木、香港 九竜半島、中国 広東省原産、学名  Camellia granthamiana

中国名「大苞白山茶」、英名   Grantham's camellia




 多数の雄蘂、花弁が、スクランブルエッグの異名の由来です。

下図は、花後の果実です、花の美しさに比べて、グロテスクで見劣りが

因みに、下図は、「リンゴツバキ」の実ですが、「グランサムツバキ」の実に比べて美しいのです。

次も、此の時季に咲く大きな白い「ツバキ」の「タイワンツバキ」(台湾椿)です。

<「タイワンツバキ」(台湾椿)>

「タイワンツバキ」も此の時季に比較的大輪の花を咲かせます。

蕾は、「藪椿」等に比べて小さいのが特徴で、「グランサム椿」同様、雄蕊が目立ちます。

「グランサム椿」との違いは、黄色い雄蕊の中央に一本、淡い緑色の雌蕊が突き出ることです。

英名 の  Fried egg tree は、白い花弁と黄色い雄蕊の姿を著したものです。

ツバキ科、タイワンツバキ(ゴードニア)属、常緑高木、台湾、中国、ベトナム原産

学名   Gordonia axillaris英名   Gordonia、Fried egg plant、中国名 「大頭花」、別名 「ゴードニア」

次の ”スクランブルエッグ” は、「タイワンツバキ」(台湾椿)の花です。

「タイワンツバキ」も 英名   Fried  egg tree 、「グランサムツバキ」と同じ様に多数の雄蘂が目立ちます。

「グランサムツバキ」の英名が  Scrambled eggs ですから、似た様なイメージです。

此の「ツバキ」も冬に咲く「椿」で、白い大輪(10cm位)の花を咲かせます。

葉も、ツバキ科特有の艶が有る肉厚の葉です、花弁が氷の様に透け、縁が波立つのも綺麗です。

ツバキ科、タイワンツバキ(ゴードニア)属、常緑高木、中国、ベトナム原産、学名   Gordonia axillaris

英名   Gordonia 、Fried egg tree、別名「大東茶」、「大頭花」、「ゴードニア・アキシラリス」

尚、Gordonia  は、イギリスの園芸家の名前に因るとか



透き通る様な花弁が、此の花の魅力です、”目玉焼き”  です。

 下図は、夏に開花する落葉性の「ナツツバキ」(夏椿)S tewartia pseudocamellia の花です。

花弁の透けるような質感が似ています。


「フウ」(楓)が紅葉しています。

2021-11-25 | 植物 花

「ナンキンハゼ」(南京櫨)の葉が紅葉しています、”はぜ の葉 あかくて入り日色” です。


今日は「フウ」(楓)の紅葉を挙げてみました、寒さが増してきて、街路樹も色着いてきました。

「フウ」の大木の紅葉が鮮やかです、初冬の陽空かして透かして通り抜けます。

 

「タイワンフウ」(台湾楓)と北アメリカ原産の「モミジバフウ」(紅葉葉楓)が混在する街中の「フウ」の並木です。

葉の形や紅葉することで、「カエデ」と混同しがちですが

「フウ」は、フウ(マンサク)科、「カエデ」は、カエデ科ですので、違う植物なのが解ります。

漢字表記の「諷」を音読みすると「フウ」、訓読みすると「カエデ」ですので、混同するのですね。

「フウ」(楓)と「カエデ」(楓)の一番の違いは、実の形で区別できます。

「フウ」の果実は、トゲトゲの球状の集合果ですが、「カエデ」の実は

プロペラ状の羽が付いた翼果の違いが有ります。

フウ(マンサク)科、 フウ属、落葉高木、雌雄同株、台湾、中国原産

学名   Liquidambar formosana英名   Formosa sweetgum、Chinese sweetgum

別名 「サンカクバフウ」(三角葉楓)、「イガカエデ」(伊賀楓)等々、学名の   Liquidambar は、“液体” の意味とか

香料や薬用にした由来から、Formosana は、原産地の 台湾 からとか

「モミジバフウ」L.styraciflua、別名 「アメリカフウ」は、「モミジ」の葉の様に5~7裂の掌状の葉を着けます。

今年の「フウ」の紅葉は、例年より色褪せた感 じがしますが、街中を彩ります。

「モミジバフウ」(「アメリカフウ」)、「タイワンフウ」が混在しています。

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街中にも「フウ」の並木が存在していて、人通りも少なく、癒やされます。

下図は、「タイワンフウ」(台湾楓)と「モミジバフウ/アメリカフウ」(紅葉葉楓)の葉と実です。

「タイワンフウ」の葉、実

「モミジバフウ」の葉、実

「タイワンフウ」の実(上図)も「モミジバフウ」の実(下図)もよく似ています、棘棘の金平糖の様な姿です。

葉の切り込みが、3裂か5裂かで区別出来ます。


公園の「紅葉楓」も紅葉しています、ベンチの日溜りが格好の休憩場所です。

 

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”秋の宝石” シリーズ(16)

2021-11-23 | 植物 花

今日の ”宝石” は、「モッコク」、「ザクロ」の果実です、ルビーに喩えました。

正確には、<実>と言うより<種子>の色ですが、陽の光を受けて、赤く燃える様に輝きます、”宝石” に値します。

最初は、「モッコク」(木斛)の種子です、果実の皮を破って露出します。

<「モッコク」>

「モッコク」(木斛)の名前の由来は、“花の香りが「セッコク」(石斛、シンビジュウム)の香りに

似ている樹木の花なので” とのことです、日本、中国、朝鮮半島に分布

夏、花径1.5cm位の白色の花が咲きます。

互生する葉は、分厚く光沢が有り、生垣、庭木などに利用します。

ツバキ科、モッコク属、常緑高木、学名 Ternstroemia gymnanthera



下図は、「モッコク」の花です、清楚な感じの花です。

 

次は、「ザクロ」(柘榴)の赤い種子です。

 「ザクロ」(石榴、柘榴)の実もルビーの輝きです、頂上に “王冠” を戴いた実が裂けると

中からルビーの様な種子が現れます。

グレナデシロップの原料や食用になりますが、鑑賞用にも充分に答えます。

ミソハギ科、ザクロ属、耐寒性落葉高木、西アジア、地中海沿岸原産

学名     Punica granatum 、英名   Pomegranata

スペインのグラナダ  Granada  地方の名前は、此の「ザクロ」の木を多く栽培していることに由来するとか

他に「ザクロ」に纏わるエピソード、伝説、由来等は、多数有るようです。

一つだけ、“紅一点” とは、中国の詩人が、「ザクロ」の赤い花を詠んだ詩に有るとのこと

沢山の緑の葉の中の一つの真紅の花を著わしたようです。

    他に 江戸時代の銭湯の湯船に入る出入り口を “石榴口(ざくろぐち)” と呼んだ由来等々

多数有るようですので、調べてみると面白いかも。



“紅一点” 、「ザクロ」の赤い花です。


”冬の宝石” シリーズ(14)

2021-11-20 | 植物 花

「オキナワスズメウリ」が、熟してきました、赤色に白い縦の 斑が、入った小さな「瓜」です。

日本原産の「スズメウリ」雀瓜   Melothria japonica  とは違った華やかさが有ります。

「瓜瓜」は「沖縄雀瓜」より果実は、若干小さく、熟すと白くなり、別種の植物であることが、解ります。

「オキナワスズメウリ」の赤色とは違い、雑草然としていて見栄えは、イマイチです。

唯、「スズメウリ」は、有毒では無いのですが、「オキナワスズメウリ」は、有毒なので食用には不向きです。

大きな葉と、蔓が、広い範囲に絡み登るので、夏の日除けにして、綺麗な果実を鑑賞するにも向いています。

ウリ科、オキナワスズメウリ属、蔓性一年草、学名   Diplocyclos palmatus 

原産地は、沖縄の名前が、付いていますが、沖縄の他にオーストラリア、南アフリカ、インドとのこと

 

下図は、熟す前の緑色の実も、白い縦の斑が、綺麗です。

 

下図は、赤く熟した実です、白い斑もハッキリ残っています。

赤く熟した実に混じって、未だ緑色の実も混在してますが、収穫します。

蔓や茎を使ってリースを作る予定でしたが ・ ・ ・ 

葉は、落葉して無くなり、茎や蔦は、絡まり着いて、長い儘採集採集は、無理なので、短く切ってしまいました。

下図の様な姿になりましたので、リースの作成は、無理でした。

今回の ”宝石” シリーズには、「クサギ」臭木の実を挙げてみました、サファイヤに見立てた果実です。

 

<「クサギ」(臭木)>

”臭木” の名前ですが、臭いのは、葉に傷つけた場合で、花は、其の分、甘い良い香りがします。

「香木」では無く、「臭木」の名前の由来のようです。

集散花序に、白く筒部が細く長い花を咲かせます、先端は、5裂して平開します。

緑色の萼が、段々に赤色に変化するのも見物です。

秋に瑠璃色に熟す果実も、赤い萼とのコントラストが美しいものです。

熟す前の実は、黄緑色ですが、熟すと紺碧に変わります。

花や実は、仲間の「ボタンクサギ(牡丹臭木)」や「ゲンペイカズラ(源平葛)」に似ています。

果実は、オクナ科の「ミキーマウスの木」の実にも似ています。

シソ(旧クマツヅラ)科、クサギ属、常緑小高木、日本、朝鮮半島原産、学名    Clerodendrum trichotomum

英名    Harlequin glory bower

秋が、深まると、 萼の色と果実の色合いが素晴らしい実になります。

目立つ色彩は、鳥の目に留り易く、種子の分散に役立つようです。

下図は、「クサギ」の花です、花弁は、萼から遠く離れて、突出た姿になります。

亦、雄蘂の4本、雌蘂の1本が長く突出ています。

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”冬の宝石” シリーズ(13)

2021-11-18 | 植物 花

 ”宝石シリ-ズ” は、再び、<ルビー>に見立て、熟した赤い果実を載せました、「ロウヤガキ」、「ミカイドウ」

の果実達です、夕陽色です、ルビーの色です。

 

<「ロウヤガキ」(老鴉柿)>

小型の「柿」なので、「ヒメガキ」(姫柿)の別名が付いています、亦、蕚が長く大きいので

子供達の正月の遊具<羽根衝き>の<羽根>に似ているので、「ツクバネガキ」(衝羽根柿)の別名も付いていました。

亦、「老爺柿」の名前が、付いています、実の皮の斑点が、老人の皮膚の<染み>を著わすのか ・ ・ ・ な

熟した時の実の色は、橙や真紅、形も球形や楕円形と多少違う種類が有り、斑点の入り具合も多彩です。

盆栽仕立てで愉しむことが多いようですが、生食には、渋くて、渋くて ・ ・ ・ 

澄みきった秋の空に映える夕陽のように、真赤に輝きます、<ルビー>に喩えました。

カキノキ科、カキノキ属、落葉小高木、雌雄異株、中国原産、別名「ヒメガキ」

学名   Diospyros thombifolia英名   Chinese persimmon


 

次の赤い実は、リンゴ科の「ミカイドウ」<実海棠>の実です、赤く赤く照り映えます。

宝石は、真赤なルビーに見立てました、大きなルビーです。

<「ミカイドウ」(実海棠)>

「姫林檎」の近縁種「ミカイドウ」実海棠の実は、「姫リンゴ」に似た小さな「リンゴ」の実です。

「ズミ」Malus sieboldii(酢味)の別名として使用する由、亦、「ミヤマカイドウ」の別名も付いています。

「コリンゴ」(小林檎)とも称するようです、「リンゴ」の野生種ですか

尚、「ズミ」の名前には、には、<酸実>、<染み>の字が、当て嵌められていますが

果実が、酸っぱい味がすること、樹皮から黄色い染料を採ったことからとか

盆栽仕立てで、愉しむ方が多いようです。

バラ科、リンゴ属、中国原産、学名  Malus toringo

英名  Toringo crabapple、Siebold's crabapple

別名「コリンゴ」(小林檎)、「ナガサキリンゴ」(長崎林檎)、「ヒメカイドウ」(姫海棠)等々


 

最後に「ハナミズキ」の赤い実です、此の実も宝石<ルビー>に喩えます。

「ハナミズキ」(花水木)

4月~5月に掛けて、4弁の小さな(花径5m/m位)の花を咲かせます。

白、ピンク、紅色の花弁の様に見えるのは、総苞片(花を囲む葉)で花で、花と見紛います。

ミズキ属の中でも、此の総苞片が、一番目立つので「花水木」の名前が付いた由

別名に「アメリカ ヤマボウシ」が付いています、日本の「ヤマボウシ」に似て

アメリカ原産なので、此の「アメリカ ヤマボウシ」(亜米利加山法師)の名前が付いたとのこと

アメリカ原産らしく、大振りで華やかな花です。 

秋、葉が紅葉する此の時期に、光沢が在る赤い楕円形の実を着けます。

秋に紅葉して落葉して、来春に花が作前に葉が芽吹きます。

アメリカに贈った「桜」の返礼として、日本に入ってきたことが、知られています。

名前の由来は、日本に自生する「ミズキ」<水木 >  Cornus controversa  似ていて

綺麗な大きな花を咲かせるからとか

ミズキ科、ミズキ属、耐寒性落葉高木、北アメリカ原産、学名  Cornus florida、英名  Dogwood 

英名   Dogwood は、”犬の皮膚病を治した” からとか、”此の木で作った短剣を古い英名で Dog と言った” ので

此の名前が付いたとの2説が、載っていました、材質が、硬いので短剣等の武器に最適だったのかも

 



花(総苞片)は、4月~5月頃に白、淡いピンクの花を咲かせます。

上に載せた「ヤマボウシ」と同様、中心に花序をつくり、周りに花弁の様な4枚の総苞片を着けます。

「ヤマボウシ」の総苞片の先が尖っているのに対して丸味を帯び、少し窪んでいる特徴が有ります。

中心の塊は、4弁の小さな(花径3mm程)花の集合体です。