花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

早春の樹木花(1)

2022-02-28 | 植物 花

春を告げる樹木花(1)には、「マンサク」、「ミツマタ」、「アブラチャン」の花を挙げます。

皆、寒い灰色の世界に春を告げる素朴で質素な感じの花々です。

<「マンサク」>

 「マンサク」(満作)も、黄色い花を咲かせる早春の樹木花です。

山肌に咲く様子は、遠目には、黄色い霞が懸かったようです、香りが遠く迄、漂います。

赤茶色の蕚と黄色で細長い紐の様な花弁とのコントラストを愉しみます。

葉の展開前に花が咲くのは、他の早春の樹木花の特徴です、葉は、秋には紅葉します。

花弁は、4枚、雄蕊も4個、雌蕊が2個、赤褐色の萼、花弁は、ユニークな形で、黄色で細長い紐状です。

同 じマンサク科、トキワマンサク属の「トキワマンサク」(常磐万作)

「アカバナトキワマンサク」(赤花常磐万作)、別名「ベニバナトキワマンサク」(紅花常磐満作)が、名前のとおり常緑なのとの違いです。

亦、「マンサク」より、開花期が早い(1月~3月頃)、中国原産の「シナマンサク」(支那万作)が有りますが

一見、判別が難しいのですが、ポイントとして<「シナマンサク」(1)は、開花期に前年の葉が付いている場合が多い

(1)の葉は、表面に毛が生えているが、「マンサク」(2)は、無毛

花の中心部が(1)は、暗赤色で、(2)より濃い、開花期が(1)は、(2)より早い、(1)は、(2)より花に強い香りが有る

花の大きさは、(1)の方が、(2)より大きい>等々です。

尚、“万作、満作” の名前の由来は、昔、稲の作柄を占う樹木花で、花が、沢山咲いた年は、豊作になるとか 

黄金色の花を咲かせる姿が、豊年満作の縁起担ぎから

他に、早春に咲くので “まず咲く” を東北地方の訛りで “まんず咲く” から「満作」になった由

マンサク科、マンサク属、落葉小高木、日本原産、学名   Hamamelis japonica 、英名   Japanese witch hazel

別名「アオモミ」、「ハマメリス」


下図は、「シナマンサク」



下図は、「トキワマンサク」(Loropetalum chinense)の花です、常緑なのが分かります。

下図は、常緑の「アカバナトキワマンサク」Loropetalum chinense var.rubra の葉と花です。

 

次 は、黄色い「ミツマタ」(三椏)の 花です。

葉が芽吹く前に、黄色い色の球状の頭状花序を着けた花(萼)を咲かせます。

筒状の萼の先端が、4裂して反り返り半球状に密生して咲きます、花弁が無いのが特徴です。

三つの枝に分岐した枝先に、花(萼)を着けます、「ミツマタ」の名前の由来とか、芳香が有ります。

樹皮は、「コウゾ」と同様、和紙の原料になります。 

ジンチョウゲ科、ミツマタ属、落葉低木、中国、ヒマラヤ地方原産

学名    Edgeworthia chrysantha、英名    Oriental paperbush、別名「ミツマタノキ」


枝が、三叉に分枝しているのが分かります、名前の由来とか

黄色い花の「ミツマタ」の他に、園芸種で赤い花の「アカバナミツマタ」が、有ります。

「ミツマタ」の黄色い花とは違って、名前のとおり赤い色をしています。

蕾の頃は、確かに黄色い色をしていますが、開花に伴って、徐々に赤みを帯びてきます。

「ミツマタ」より若干早い開花期を迎えます。ジンチョウゲ科、ミツマタ属、落葉低木

中国原産(園芸種)、学名  Edgeworthia chrysantha ´Rubra`

 


白色に見える蕾が、開花するに従って、花弁の内側の赤色が、露わになってきます。

 

早春の山野を彩り「アブラチャン」の淡黄色の花です、寒い冬にも、春の息吹を感じます

<「アブラチャン」>

早春の花の色は、黄色が多いのか、「アブラチャン」も照り輝く黄い花を咲かせます。

「マンサク」(万作)と同じ様に、葉が出る前に花が咲き揃います。

太陽の光の色を待ち焦がれて、先取りするからでしょうか ・ ・ ・

「アブラチャン」の名前も妙ですが、<アブラ>は、<油>で、<チャン>は、

<チャン>は、粘着性の有るものの総称の<瀝青>は、<アスファルト、ピッチ>のこととか

種子や樹木に油分が多いので昔は、灯油などを採取した様です。

散形化序に小さい淡黄色の花を咲かせます、似た花に「ダンコウバイ」(檀香梅)  が有りますが、皆、”春告げ藩” 達です。

“花茎が在る「アブラチャン」、花茎が無い「ダンコウバイ」” で区別できます。 

クスノキ科、クロモジ属、耐寒性落葉高木、雌雄異株、日本原産、学名   Lindera praecox (Parabenzoin praecox)

 別名 「ムラダチ」、「ズサ」

学名の <Praecoxとは、“早咲き”、“早熟” の意味とか、早春に咲くからですか。




早春に咲く「カランコエ」3種

2022-02-25 | 植物 花

 

寒い冬に彩りを添える「カランコエ」を3種載せてみました。

最初は、「カランコエ ’ウエンディー’」です。

「カランコエ」  kalanchoe blossfeldiana と言えば、多数の小さな花が、上向きに咲く姿が、思い浮かびますが

「カランコエ ’ウエンディー’」は、釣鐘型の花を下向きに多数咲かせます。

花弁の先端に黄色の縁取りが在ります。

耐寒性が、有りますので、冬中、愉しむことができます。

「カランコエ」は、マダカスカルが原産地ですが、「カランコエ ’ウエンディー’」は、オランダで

作出された交雑種とのこと、濃厚な感じがする「カランコエ」です。

ベンケイソウ科、カランコエ属、耐寒性多年草、交雑種、学名    Kalanchoe miniata 、英名   Kalanchoe 'Wendy'





八重の花も

次は、「カランコエ・プミラ」です。

<「カランコエ・プミラ」>

円錐花序をだして、淡い桃紫色の花を咲かせます。

花と銀色の葉を愉しみます、葉の色から「シロガネノマイ」(白銀の舞)の別名が、付いています。

冬は、屋内の日当たりの良い場所で栽育します。

ベンケイソウ科、カランコエ属、非耐寒性多年草、マダカスカル原産(園芸種)

学名   Kalanchoe pumila、別名「シロガネノマイ」(白銀の舞)



下図の「カランコエ ’ミラベラ’」や「カランコエ ’テッサ’」も「カランコエ ’ウエンディー’」と同じく

オランダで作出された園芸種とか、花の形も「’ウエンディー’」に似た姿ですが、

「ウエンディー」より長い筒状で、朱赤色の花を咲かせます。

「テッサ」は、橙色で花弁の先端の色が、少し淡い色になります。

下垂する多数の花は、見事な眺めになります。 

屋内の日当たりの良い場所に置き、冬中、愉しませてくれます。

ベンケイソウ科、カランコエ属、非耐寒性多年草、園芸種

Kalanchoe 'Mirabella'

kalanchoe 'Tessa'

最後に、今日も友人から送られてきた動画を載せて終わります。


早春、黄色

2022-02-22 | 植物 花

今日は、”暖かい春の色” 黄色い「ヒメリュウキンカ」,「リュウキンカ」と「ブルビネラ」の花を挙げました。

<「ヒメリュウキンカ / 姫立金花」>

「ヒメリュウキンカ」の輝く黄色の花です、暗緑色でハート型の葉が “黄金” の花を際立てます。

「ヒメリュウキンカ」の名前は、日本や中国に分布する「リュウキンカ」 Caltha palustris var.membranacea  に

似ているからとか、日本や中国、朝鮮半島原産の「リュウキンカ」に比べて

ヨーロッパ原産の「ヒメリュウキンカ」とは花の大きさや草丈などに違いが有ります。

ただ、両者キンポウゲ科ですが、前者がキンポウゲ属に対して、後者は、リュウキン科の違いが有ります。

園芸種には、花の色が、白やクリーム色、亦、八重咲きの花も有ります。

黄色い萼の裏側は、緑色でリバーシブルの見事な色合いです。

5月頃迄、次々に花を咲かせて、長い間、愉しめます。

早春に咲く 「ハナキンポウゲ」(花金鳳花) 、別名 「ラナンキュラス」 Ranunculus asiaticus  も同科同属です。

キンポウゲ科、キンポウゲ属、多年草、イギリス原産(ヨーロッパからシベリアに分布)、学名   Ranunculus ficaria

英名   Lesser celandine、別名 「オウシュウキンポウゲ」(欧州金鳳花)

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<「リュウキンカ」(立金花)>

似た花の「リュウキンカ」 Caltha palustris var.membranacea  は、キンポウゲ科、リュウキンカ属

科名は、同じですが、属名が違っています、他に相違点は

開花期が、「ヒメリュウキンカ」が、3月頃からですが、「リュウキンカ」は、5月頃からと遅いのです。

亦、「姫立金花」の生息地が、水辺や湿地に対して「立金花」は、至る所で生育します。

草丈が、前者が8cm~15cmに対して後者が、15~50cmと高く

花径も前者が、2~3cm、後者が、1.5cmと小さい違いが有ります。

学名の  palustris  は、ラテン語で、”沼地生まれ” の意味とか、生育地を著わしている様です。

下図が名前の由来になった「リュウキンカ」(立金花)です。

 

序に、次は、似た花の「ハイキンポウゲ」の花も挙げてみました。

<「ハイキンポウゲ (這金鳳花)」>

輝く黄色の花は、5弁花で、別名に「ラナンキュラス ' ゴールドコイン’」の別名が着いています。

金貨に見立てた命名ですが、5月頃から開花するキク科の「アステリスカス」  Asteriscus maritimum

別名「アステリスカス ’ゴールドコイン’」よりは、金貨らしくない花の姿です。

根元から匍匐枝を出して、地表を這う様に広がります。

キンポウゲ科、キンポウゲ属、耐寒性多年草、這性、Ranunculus  repens英名   Cureeping buttercup

北海道、本州北部の湿地、水辺が生育地です。

 

「ブルビネラ」(Bulbinella spp.)も長く伸ばした花茎の先に、黄色い小さな星型の花を穂状に咲かせています。

<「ブルビナラ」>

花の色が、白や赤等の品種も有りますが、下図 の「ブルビネラ・フロリブンダ」が多く植栽されています。

葉は、線形で、根元に放射状に伸ばします。

ユリ(ツルボラン) 科、ブルビネラ属、半耐寒性多年草、南アフリカ、ニュージーランド原産

学名    Bulbinella floribunda  ・ ・ ・ floribunda は、“花が多い” とか、密集した花の様子ですか

 

過去に載せた記事の再掲載です。

冬に咲く「クレマチス」(2)

”冬咲き” の「クレマチス」(2)に追加として、シルホサ系の「クレマチス」を2種挙げてみました。白い花弁の内側に薄紫色の斑点が着いる品種で、斑点が、疎に着いている園芸種「ク......

春の色を先取り

2022-02-18 | 植物 花

”春の色” は、「バージニアストック」と「ヘルボルス・ニゲル」の明るい花の色です。

”春” の色は、「バージニアストック」の花の色です。

秋に種子を撒いたものは、早くも咲き始めました。

アブラナ科の「ストック」  Matthiola incane  に似て、春を著わすのに相応しい花ですが

此の「バージニアストック」は、アブラナ科でも、マルコミア属なので

アラセイトウ属の「ストック」とは違っていますが、一重咲きの「ストック」の花と似ている故の命名とか

「ストック」が、長い茎を伸ばして、咲かせるのにたいして

「バージニアストック」は、地を這うように横に広がり、上向きに花を咲かせます、芳香が有ります。

四弁花で、花色は、白、ピンク、青、紫、赤、斑等、ピンク色の花は、徐々に紫色に変化します。

アブラナ科、マルコミア属、耐寒性一年草、地中海沿岸原産

学名   Malcomia maritima=Cheiranthus maritimus、英名   Virginia stock

別名「マルコミア」、「マルコルム・ストック」、「ヒメアラセイトウ」



下図は、「ストック」 Matthiola incane、別名「アラセイトウ」 の花です。

「バージニアストック」とは少し雰囲気が違って視います。

次は ”本来の「クリスマスローズ」”  の「ヘルボルス・ニゲル」を挙げます。

花色が、白から淡いピンク色と変化し春の到来を待ちます。

下図が 、一般に多く栽育されている「ヘルボルス・オリエンタリス」Helle orientalis /  別名「レンデンローズ」

「ハルザキクリスマスローズ」も「クリスマスローズ」と呼ばれています。

<「ヘルボルス・ニゲル」>

日本では、ヘレボレス属全体を「クリスマスローズ」と称しているようですが

交雑種が多い中で、横向きに清楚な白い花を咲かせる「ヘルボレス・ニゲル」が、他の品種より

クリスマスの時期に花を咲かせるので、「クリスマスローズ」の名前に一番相応しいとのこと。

唯、12月頃は、開花がチラホラで、1月になって咲き出します、八重咲きの園芸種も多く、肉厚の葉が照り輝きます。

花は、白く清楚ですが、<ニゲル>の意味が<黒>で、対称的に根の色が黒色なので此の名前が 付いた由

キンポウゲ科、ヘレボレス属、耐寒性多年草、ヨーロッパ原産、学名  Helleborus niger

白色から徐々に淡いピンク色と変化してきます。

 

他に、球状やカップ状の淡い緑色の花を咲かせる「 ヘルボルス ’アルグティフォリウス’」が有ります。

灰緑色で、縁には鋸歯が並ぶ大きな葉が特徴です。

コルシカ島原産、学名    Helleborus argutifolius=H.corsicus

 


冬の陽に輝く

2022-02-16 | 植物 花

銀色に輝く「ディコンドラ・アルゲンディア」と「シロタイギク」の雪を被った様に銀色に輝く葉を載せました。

<「 ディコンドラ ’シルバーフォール’ 」>

 シルバーリーフが、美しい「ディコンド アルゲンティア ’ラシルバーフォール’」です。

「ディコンドラ」には、葉が、シルバーのアルゲンテァ種と葉が、緑色のミクランサ種に分けられる様です。

今日は、葉が銀白色の「ディコンドラ・アルゲンティラ  'シルバーフォール' 」にしました。

<「ディコンドラ ・アルゲンティア  ’シルバーフォール’ 」>

冬の寒い屋外でも枯れない「ディコンドラ」です、グランドカバーとして重宝します。

ハート形で、銀白色の葉が、這う様に広がるのでグランドカバーとして最適です。

夏に、小さい花を咲かせますが、目立たないので、主に観葉植物として植栽します。

Falls" の名前の様に、屏や壁等に沿って下垂させると、確かに ”滝” の様に見えます。

ヒルガオ科、ディコンドラ属、多年草、北南アメリカ、アジア原産、学名  Dichondra argentea 'Silver Falls' 

英名   Silver dichondra 、Kidney Weed、Silver ponyfoot、Silver niche vine、  別名「デコンドラ」



夏、小さい小さい(約径2mm)花を咲かせます。

 

下図は、葉が、緑色のミクランサ種「ディコンドラ・ミクランサ ' エメラルドフォール’」 D. micrantha 'Emerald Falls 

別名「アオイゴケ」です。

最後は、一般に「シロタエギク」(白妙菊)と称する花の銀白色の葉です。

<「シロタエギク」>

”一般に”  とは、「シロタエギク」は、キク科、セネシオの「セネシオ・シネラリア」を指すとのこと

他に、タナケツム属   Tanacetum、セントレア属   Gymnocarpa  等も「白妙菊」と称するとのことです。

葉の大きさや形に依って、何種類かの品種が有りますが、今回は、葉に羽状の深い切込が入る品種を挙げてみます。

「ダステーミラー」、英名  Dusty Miller 、別名セセネシオ・シネラリア」です。

葉や茎に白い繊毛が生えているので、銀白色に視えるシルバーリーフです。

6月から7月頃に「菊」に似た黄色い花をさかせます。

キク科、キオン属、耐寒性多年草、南ヨーロッパ原産,学名  Senecio cineraria 

 


下図は、葉が 大きく切込みが少ない種類、「シラス」C ineraria 'Cirrus' です。

下図は、「シロタエギク」の一種「シルバーレース/ セネシオ」の銀色の葉も載せてみました。

葉は、互生してレース状に細かく裂けます、茎先に初夏の頃に白い舌状花を咲かせます。

学名  Senecio cineraria 'Silver Lace’  = Tanacetum  ptarmiciflorum、英名  Silver Lace