花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

”秋の宝石” シリーズ(3)

2021-10-30 | 植物 花

今回の ”秋の宝石” シリーズは、「ピラカンサ」と「コトネアスター」の赤い実です。

<「ピラカンサ」の実>

「ピラカンサ」Pyracantha Hybrids とは、バラ科、トキワサンザシ属の総称とのことで

ヨーロッパ南部からアジア南西部原産の 「トキワサンザシ」(常磐山査子)Pyracantha coccinea

黄色で、中国南部原産の「タチバナモドキ」(橘擬)P.angustifolia 等が含まれるとのこと

以下に載せる「タチバナモドキ(橘擬)」の実に似ています。

5~6月に懸けて、白い小さな花を咲かせます。

赤い色は、小鳥達の格好の目印、種子を遠くに運びます、枝には、鋭い棘が在るので、注意

耐寒常緑高木、ヨーロッパ、中国原産



「ピラカンサ」の花は、初夏に「ユキヤナギ」の花に似た白い小さな花を咲かせます。(下図)

 下図は、「ピラカンサ」の一種「タチバナモドキ」 Pyracantha angustifolia  の黄色い実です。

 

次は、「コトネアスター」の実です。

「コトネアスター」は、バラ科、コトネアスター属の 総称とのことで、多くの品種が有ります。

一般に、「ベニシタン/紅紫檀」Cotoneaster horizontalisを「コトネアスター」と呼ぶ場合が多いようです。

枝が、下垂するもの、立ち上がるもの、匍匐性のもの、常緑、落葉のものと多種に渡ります。

今日は、「ベニシタン」(「シャリンバラ」)より大きな葉と実を着け、蔓性の

「コトネアスター サリシフォルム ´オータム ファイヤー`」C.salicifolium cv.´Autum Fire`)を挙げてみました。

上に挙げた「ピラカンサ」の実に似ていますが、「ピラカンサ」には、 枝の棘や葉の鋸歯が無いので区別可能です。

バラ科、サンザシ(シャリントウ)属、中国、インド、チベット原産、英名  Rockspray cotoneaster

匍匐性のものを “建築家の友人” と呼ぶとか、また、学名の cotone は、 「マルメロ」の古いラテン語で

ーaster は、-に似る意味とか、実の形が、「マルメロ」の実と花に似たところが有ります。

初夏の頃に下図の様な白い小さな花を咲かせます。

下図が、一般に「コトネアスター」と称される「コトネアスター・サリシフォルム」より小さな実と葉を着ける

「コトネアスター・ホリゾンタル」 Cotoneaster horizontalis  です。

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今日の過去の記事も ”秋の宝石” と題したものでした。

秋の ”宝石” (5)

今日の <秋の ”宝石” (5)>は、同じくルビーに見立てた「オオミサンザシ(オオサンザシ)」、「チェッカーべリー」です。<「オオミサンザシ」(大実山査子)>「サンザシ......

秋の宝石シリーズ(2)

2021-10-28 | 植物 花

寒い季節でも「エクメア・ガモセパラ」が 咲きます、別名「ブルーシャンデリア」です。

青とピンクのLED電球の様です、ピンクと青い蛍光色のコラボを愉しみます。

ロゼッタ状の葉の中心から伸びた円柱形の花序の先端に、淡い桃色の苞と萼片が重なった筒に青紫色の花を咲かせます。

寒さに強くて此の時期も屋外で開花します。

パイナップル科、エクメア属、常緑多年草、ブラジル原産、学名  Aechmea gamosepala 

英名   Match stick plant ”  マッチ棒” 、別名「ブルーシャンデリア」、「ガモセパラ」

上部からの姿を点滅させると、蕾が名前の通り青色のシャンデリアです。

 

今日の ”秋の宝石” ルビー は、「ジュズサンゴ」の赤い実です。

「ジュズサンゴ」(数珠珊瑚)の赤い実も輝きます、花と実を同時に視る楽しみが有ります。

花は、花弁が無く、蕚片が花弁の様に見えます。

総状花序に、淡緑色の小さな花(径3MM位)の花を咲かせます。

光沢が有る珊瑚玉の様な実が連なって着くので、珊瑚で作った数珠の様な姿が名前の由来です。

ヤマゴボウ科、リヴィナ属、常緑低木、メキシコ、ブラジル原産、学名   Rivina humilis=R.laevis、別名 「リヴィナ」

英名   Baby pipper、Bloodyberry、Rouge plant は、鮮やかな紅色を著わします。

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花と果実を同時に視ることが出来ます、可憐な白い小さな花です。

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過去に載せた記事の再掲載です、同じく ”秋の宝石” と題したものでした。

秋の ”宝石” (2)

花屋の店先には、ハロウィン用の「かぼちゃ」が並んでいます、ジャック・オ・ランタンを作ります=再使用画像”秋の宝石” (2)は、「ミカイドウ」(実海棠)と「ローヤガキ......
 
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”秋の宝石” シリーズ

2021-10-26 | 植物 花

 ”秋の宝石” と題して「マサキ」、「トベラ」、「クコ」の赤い実を挙げてみました、宝石は、ルビーです。

秋から冬の季節には、花の数も少なく、果実や種子が、代わりを務めます。

 

<「マサキ」の実>

「マサキ」の果実が熟して皮が裂開すると、赤橙色の仮種を被った種子が覗きます。

対生する肉厚の葉と輝く種子を愛でます、斑入りの葉も有って、特に “金色” の斑が入った品種が人気です。

斑入りの品種には、他に「ベッコウマサキ」、「ギンマサキ」等が有るようです。

ニシキギ科、ニシキギ属、常緑低木、日本、中国原産、英名   Euonymus japonicus、英名   Japanese spindle tree


6月頃、集散花序を着けて、小さな淡い緑色の花を咲かせますが、見栄えは、イマイチですが

 

<「トベラ」の実>

「トベラ」(扉)の実も熟すと裂開して、赤い粘液が付着した種子が顔を出します。

雌雄異株で、初夏に五弁の白い花を咲かせます、芳香が有ります。

葉も光沢が有って、肉厚なのは、「マサキ」の葉に似ています。

名前の由来は、昔、魔除けの為に扉に飾ったので、“扉の木” と称したのが「トベラ」になった由

トベラ科、トベラ属、常緑低木、日本、朝鮮半島、中国原産、学名   Pittosporum tobira

英名   Japanese chesewood、別名 「トビラノキ」、「トビラギ」

<「クコ」(枸杞)>

楕円形の実が、赤く熟します、萼が着いているので、宛らペンダントの様です。

花は、花径約1cm位で、薄紫色、希に、実と同時に視ることができます。

光沢の在る実は、美味しそうですが、苦みが有って生食には無理です。

枝は、棘が多く生えてしなやかです、漢名 「枸杞」の由来のようです。

クコ酒やドライフルーツとして利用することが多いようです。

葉、実、根は、生薬として利用、不老長寿の薬効が有るとか

ナス科、クコ属、落葉低木、日本、中国原産、学名   Lycium chinense

英名  Chinese desert-thom、Chinese wolf-berry、Goji berry、別名「ウルフベリー」、「ウルフベリー」

 

下図は、初夏の頃に咲く薄紫色の可愛い花です。


「イチゴノキ」は、花と果実を同時に鑑賞します。

2021-10-23 | 植物 花

「イチゴノキ」(苺の木)の実が赤く色着いてきました、花も同時に視ることが出来ます。

秋、壺型の白やピンク色の両性花を下向きに咲かせます。

此の時季には、花と果実を同時に視ることができます、理由は、開花期が、此の季節なのと

果実になるのが一年先なので、今年咲いた花と、去年咲いた花が実になったものが同居してるわけです。

名前の「イチゴノキ」(苺の木)は、果実が、「苺」の実に似ている故の命名とか

花は、同じツツジ科の「ドウダンツツジ」の花に似た釣鐘型の花を下垂した花茎に咲かせます。

花の色は、白、ピンクが有ります、葉は、肉厚で長楕円形、縁には鋸歯です。

果実は、淡い緑色からオレンジ、晩秋には、赤色と変化します、「ヤマモモ」(山桃)の果実と似ています。

食用になりますが、酸味が強いの「ヤマモモ」の様に甘くはないので、ジャム等に加工することが多いようです。

氷河湖の生き残りとかで、野性味が溢れる果実の姿です。

学名の unedo は、”一度食べる” の意味で、"二度と食べたくない” となるので、味は、不味いのです。

試しに食べてみると、確かにスカスカしていて「苺」の味とは、比較にも

ツツジ科、アルブッス属、常緑低木、地中海沿岸、ヨーロッパ、アイルランド、小アジア原産

学名   Arbutus unedo、英名   Strawberry tree別名「ストロベリーツリー」、「アップル ウネド」

「イチゴ(苺)」の様な果実ですが、勿論、バラ科の植物では無く、ツツジ科の植物になります。

此の時季、花と果実を同時に視ることが出来ます。

下図は、「イチゴノキ」の果実に似た実を着けるヤマモモ科の「ヤマモモ」です。

似ていますが、果実を着ける季節が違う点と、果実の表面が、「ヤマモモ」の方が、艶が有ります。

  

同じツツジ科の「ドウダンツツジ」の様な白い壺型の花を沢山咲かせます。 

白い花 、ピンク色の花も


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今日も過去の記事の再掲載です、”秋の宝石” と題したものでした。

秋の ”宝石” (4)

秋の ”宝石” (4) も、<ルビー>に喩えた「ビナンカズラ」、「ミズレンブ」の実にしました。「ビナンカズ ラ」(美男蔓)の赤い実です。秋、紅葉が始まった木に絡み付いて......
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「レオノチス」、「アスクレピアス」は、秋の夕陽色

2021-10-21 | 植物 花

最初は、”ライオンの耳”  の名前が付いた、「レオノチス」が、盛りです、他に ”火焔”  の名前が付いています。

「カエンキセワタ」(火焔被綿)です、火焔の様な秋の夕陽色です。

<「レオノチス」>

鮮やかなオレンジ色の細長い花が、輪状に咲き、此の花序が、2~3段に輪生します。

花序径は、10cm位になり、草丈は、2m位になって壮観な感じがします。

花冠は、2唇形で上唇が1枚、下唇が3裂します。

披針形の葉には、芳香が有ります、丸味を帯びた4稜形の茎は、ビロードに覆われた様で滑らかです。

花色は、橙が主ですが、白色も有ります。

花後に、多数の萼が、球状に集まって残りますので、ドライフラワーとして利用されます。

亦、円筒形の萼が、花が、咲いた様に残るので、面白い形です。

萼の先端が、裂開して尖るので、”河童の頭の皿” にソックリです。

シソ科、レオノチス(カエンキセワタ)属、半耐寒性半常緑低木、南アフリカ原産、学名   Leonotis leonurus

英名   Lion's ear、Lion's tail、Wild dagga、別名「ライオンズイヤー」、「カエンキセワタ」(火焔披綿)

学名の Leonotis は、ギリシャ語の ”ライオンの耳” を意味するとのことです。

”ライオンの耳” より 英名の   Lion's tail ”ライオンの尻尾” の方が、的を射てるかな


次は、「アスクレピアス」(トウワタ)です。

「アスクレピアス」>

「アスクレピアス」の仲間は、絹糸のような長い毛が、種子に着くので「トウワタ」属と呼ばれています。

北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、アシアに多くの品種が分布しているとか

日本で主に栽育してるのは、「アスクレピアス・クラサヴィカ」  Asclepias curassivica 

「アスクレピアス・ツベロサ」  A. tuberosa とか

赤、橙色のツートンカラーが鮮やかな「クラサヴィカ」は、耐寒性が無いので

今月が、開花の限度で越冬が不可能です。

他方、「ツベロサ」は、耐寒性が有るので、越冬が可能です。

キョウチクトウ(ガガイモ) 科、トウワタ属、耐寒性多年草(非耐寒性一年草)

英名   Bloodflower、Scarlet milkweed、 Mexican butteflyweed  

別名「トウワタ」、「ヤナギトウワタ」、「シュッコンパンヤ」等  

「唐綿」の名前の由来は、種に着いた綿毛の様子(下図)からとか

「柳」に似た葉の「ヤナギトウワタ」 (柳唐綿) Asclepias tuberosa  も此の「トウワタ」に似ています。

簡単な見分け方としては、「トウワタ」の葉が披針形で対生なのに対して

「ヤナギトウワタ」の葉は、互生の違いです。


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最後は、過去の記事の最掲載です。

秋、ピンク色

「アキグミ」(秋茱萸)が、赤く熟れてきました。<此の記事は、再掲載>北原白秋作詩の童謡<砂山>に詠まれている ”かえろ かえろよ ぐみはらわけて” の ”ぐみはら(茱萸原)......