花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

ヒガンバナ科の花3種

2019-06-26 | 植物 花

初夏に咲くヒガンバナ科の花、「ヒメノカリス」、「ハマユウ」、「インドハマユウ」の3種を挙げます。

<「ヒメノカリス・スペシオサ」>

「ヒメノカリス」Hymenocallis spp. は、中南米、西インド諸島に30種程分布しているとか

代表的な種類は、6本の細長い花被片が伸びて、蜘蛛の脚の様になり、副花冠は、膜状なのでユニークな形の

「ヒメノカリス・スペシオサ」です、花の形から、別名「スパイダー リリー」(蜘蛛百合)の名前が付いています。

膜状の副花冠と長い花弁は、”蛸” にも喩えられるかも、花が、バニラの香りがするのも特徴です。

ヒガンバナ科、ヒメノカリス属、半耐寒性球根、中南米、西インド諸島原産、学名 Hymenocallis speciosa

英名 Spider Lily、他の別名「イスメネ」



次は、「ハマユウ」(浜木綿)の花です。

「ハマオモト」(浜万年青)の名前でも知られています。

多くは、海浜に群生していますが、海浜以外の土地でも見掛けることが有ります。

花茎の先端に十数個の傘骨が開いたような花を咲かせます、芳香も有ります。

「浜木綿」の名前の由来は、花の姿が、白くて木綿(ゆう)を思わせるからとか

光沢の在る葉が、鱗状に重なり合っています。

雄蘂の色が、元の方は、白色で先端が、紫色で、花被片の白色をバックに映えます。

亦、「ハマオモト」(浜万年青)の名前の由来は、葉が、「オモト」(万年青)の葉に似ているからとのこと

ヒガンバナ科、クリナム属、半耐寒性多年草、日本原産、学名 Crinum asiaticum var.japonicum

他の別名「クリナム」



最後は、「インドハマユウ」です。

<「インドハマユウ」(印度浜木綿)>

花茎の先端に散形花序を着けて、筒状の「百合」の花に似た花を咲かせます、僅かに芳香が有ります。

花弁に赤紫色の筋が入った「アフリカハマユウ」(C.bulbispernum/Pink stripped trumpetlilyも同科の花です。

他に似た花には、同科の「クリナム・パウエリー」Crinum × powellii

「アマクリナム」Amacrinum memoria-corsii 、「ベラドンアリリー」Amaryllis belladonna 等が、有ります。

ヒガンバナ科、ハマオモト属、耐寒性球根、インド、中国、ベトナム原産

学名 Crinum latifolium=C.zeylanium、別名「クリナム・ラティフォリウム」


<各画像は、クリックで拡大表示します>


「ナツツバキ」と「ヒメシャラ」

2019-06-22 | 植物 花

「ナツツバキ」(夏椿)が、5弁の白く透き通るような花を咲かせています。

花径が<5cm~7cm>と大きく、雄蘂が黄色で目立ちます、夏には、ピッタリの花の姿で、涼しさを感じさせてくれます。

透明感の有る花弁の先端には、フリルが着いた様な襞が視られます。

樹皮が、剥離し易く、現れる木肌には、薄緑色や赤茶色などの文様が、現出します。

「シャラノキ」(沙羅の木)の名前で、寺院などの庭でよく見かけますが

日本には無かった仏教の聖樹の「サラソウジュ」(沙羅双樹)に擬した物とのこと

一日花で残念ですが、”沙羅双樹の花の色” ですか

ツバキ科、ナツツバキ属、落葉高木、日本、朝鮮半島原産、耐寒性落葉低木

学名 Stewartia pseudocamellia 、英名 Japanese stuartia、別名「シャラノキ」(沙羅樹)



次もツバキ科、ナツツバキ属の「ヒメシャラ」(姫沙羅)の花です。

似た花の「ナツツバキ」が「沙羅樹」と間違えて伝わったことから、「ナツツバキ」より葉、花とも小さいので

"姫” の名前が付いて由、葉、花の大小以外に、違いは、葉、花に白い毛が生えているので、区別が容易です。

枝の分枝が多いので、樹形が綺麗、シンボルツリーとして植栽することが多いようです。

「ツバキ」に似た花径2cm位の白い花を咲かせます。

赤褐色の樹皮が鱗状に離脱するので、模様が付いた滑らかな樹木が現れます。

ミソハギ科の「サルスベリ」の樹肌に似た様相を呈します、紅葉も美しいです。

ツバキ科、ナツツバキ属、落葉高木、日本原産、学名 Stewartia monadelpha




因みに聖樹の「沙羅双樹」の花は、下図の様な花とか、大分違います<滋賀県草津市立、水性植物園で撮影画像を借用>

<各画像は、クリックで拡大表示します>

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 昨年載せた記事を再度此処に載せましたので御覧下さい。

 
ブルーが冴える(3)
「アジサイ」(紫陽花)の季節です、「ガクアジサイ」は、萼が大きくなった周りの装飾花と ”本当の花” とを一緒に視て愉しみますが、中心部の本当の花も、熟視すると美しいものです......
 

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シリーズ「スズメウリ」を育てる。

№4

葉も大きくなってきました、新しい芽も育っています。


アジサイ(ユキノシタ)科の花2種と他1種

2019-06-19 | 植物 花

此の時季のアジサイ科の花3種を挙げました、「ハイドランジア ’アナベラ’ 」と

「カシワバアジサイ」(柏葉紫陽花)の花です。

他に、似た花で、スイカズラ科の「オオデマリ」(大手鞠)も載せてみます、開花時季も終りに近づいてます。

 

<「ハイドランジア ’アナベラ’ 」>

「アジサイ」(紫陽花)の仲間ですが、日本原産種を改良した「アジサイ」(紫陽花)の花とは少し趣が違います。

小さな装飾花が密集して咲き、手鞠状の大きな花房(20~30cm位)を作ります。

北アメリカ原産の「アメリカノリノキ」Hydragea arborescens の変種を改良した園芸種とのこと

花弁の無い両性花は、手鞠状の装飾花に隠れて咲きますので、外からは、見えないのです。

花色は、白が主ですが、ピンクの花も有る様です。

花色は、淡い緑から純白、再度、緑になり最後は、乾燥して茶色に変化します、ドライフラワーにします。

アジサイ(ユキノシタ)科、ハイドラジア属、耐寒性落葉低木、北アメリカ原産(園芸種)

学名 Hydragea arborescens 'Annabelle' 、別名「アナベル」、「ハイドラジア・アルボレッセンス’」

「アメリカノリノキ ’アナベル’」、<アナベル>の名前は、諸説有る様ですが

原種の発見地、北アメリカ、イリノイ州、アンナ市に因るとありましたが ・ ・ ・ 



次は、「 カシワバアジサイ」の花です。

円錐形の花序に、花に見える小さな装飾花を多数咲かせます。

葉は色は、白色ですが、秋に頃には、段々とピンク色に変色します、一重や八重咲きが有ります。

”カシワバ” の名前の由来は、葉が「カシワ」(柏)の葉に似ているからとか、5~7カ所が深く裂けています。

緑茶色の葉は、秋には赤くなり、綺麗な紅葉が視られます。

アジサイ(ユキノシタ)科、アジサイ属、耐寒性落葉低木、北アメリカ原産、学名 Hydrangea quercifolia




最後は、似た花の「オオデマリ」(大手鞠)別名「テマリバナ」(手鞠花)を挙げてました。

花期は、今月一杯で終わります、アジサイ科の花ではなく、スイカズラ(レンブクソウ)科の花です。

日本に分布する「ヤブデマリ」(藪手鞠)Viburnum plicatum var.vartomentosum の園芸種とか

花は全て装飾花で、径が10cm 位の球状になります。

雄蕊、雌蕊が退化しているので、結実しないようです。

葉は、皺が寄っている様に視えます、学名の は、”プリーツ在る” 意味とのこと、秋に、紅葉します。

スイカズラ(レンブクソウ)科、ガマズミ属、耐寒性落葉低木、園芸種

学名 Viburnum plicatum var.plicatum、別名「テマリバナ」(手毬花)、「ジャパニーズ スノーボール」




「ハイドランジア ’アナベル’」と「オオデマリ」の花は、似ていますが、葉の姿で見分けられます。

上図(左 )「ハイドランジア ’アナベル’」、(右)「オオデマリ」の葉

<各画像は 、クリックで拡大表示します>

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シリーズ「スズメウリ」を育てる。

№4

葉も大きくなってきました、新しい芽も育っています。

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過去の記事の再掲載です、御覧下さい。

 
ブルーが冴える(2)
清々しく、白い樹木花が、咲きます。上図=ツバキ科の「ナツツバキ」(夏椿)Stewartia psendocamallia の花フタバガキ科の ”聖樹” 「沙羅双樹」......
 

フトモモ科の花2種

2019-06-16 | 植物 花

今、「シナノキ」や「モリシマアカシア」の花が咲き揃っています。

<「シナノキ」>

集散花序に小さな淡黄色の花を咲かせ、下垂させます、初夏の風に香りを運ばせます。

秋には、球形の果実が熟します、果実には羽根の様な苞が着いていて、遠くに種子を飛ばす役目をしています。

”シナ”  は、<支那>の字を想像しますが、<科>、<級>、<榀>の漢字を宛てています。

北海道に多く自生していて、”シナ” は、アイヌ語で<縛る>を意味して

樹皮を網や綱の材料として利用したことに由来したと記されていました。

シナノキ科、シナノキ属、落葉高木、日本原産、学名 Tilia japonica、英名 Japanese Lime

尚、シナノキ(ボダイジュ)属の仲間は、世界に分布しているそうで

「セイヨウシナノキ」Tilia europaea、「オランダシナノキ」T.vulgaris 、「オオバボダイジュ」T.maximowicziana

「フユボダイジュ」T.cordate、「ナツボダイジュ/セイヨウボダイジュ」T.platyphllos、「ボダイジュ」T.migueliana

釈迦が此の木の下で、悟りを開いた「菩提樹」は「インドボダイジュ」なので、クワ科で、シナノキ科ではないとのこと

シューベルトの<菩提樹>は、「オランダシナノキ」のこととか

秋、 小さい球形の果実が実ります、苞の羽根が、種子を遠くに運びます。

次の「モリシマアカシア」の花は、開花期の終盤を迎えます。

淡い黄白色が総状に着く集合花です、ボンボンの様です、芳香が有ります、「モリシマ」は、“森島” とも思える名前ですが

学名の Mollissima acacia からの命名とのことです。

「モリシマアカシア」は、樹冠を広げて日光を遮り、他の植物の生育を妨げるので

日本では要注意外来植物に指定してるとか、厄介者ですが、花も香りも素晴らしいのですので残念です。

似た花に「フサアカシア」(房アカシア)の花が有ります。

マメ科、アカシア属、常緑高木、オーストラリア原産、学名 Mollissima acacia 

英名 Black wattle、尚、Mallissima には、“柔らかい” の意味が有るとか

若枝には軟毛が覆うからか、花が柔らかそうなので、この名前が付いたのでしょうか

不評だった「モリシマアカシア」も、最近では、樹皮の薬効、バイオマス生産能力が見直されてきているとか


マメ科特有の鞘状の果実を着けます。

本題のフトモモ科の花の最初は、「マーテル」の花です。

「梅」の花に似た花で、別名「ギンバイカ」(銀梅花)の名前の由来になっています。

特徴的なのは、五弁の花弁より長く雄蘂が突き出ていることです。

葉には「ユーカリ」に似た芳香が有ります、秋に、黒紫色の果実を実らせます、食用になります。

同じフトモモ科の「フェイジョア」の花にも似ているところが有ります。

フトモモ科、ギンバイカ属、半耐寒性常緑低木、地中海沿岸原産、学名 Myrtus commnis

英名 Myrtle、別名「イワイノキ」(祝いの木)、「ギンコウバイ」

「祝いの木」の名前は、結婚式の飾りに使うからとか、また、スウェーデンでは、女の子が生まれると

「マートル」の木を植える習慣が有って、やがて、花嫁になる時に、此の木の葉や枝で髪飾りを作って祝うとのこと

日本では、「桐」の木を植えて、嫁入り道具のタンスを作るのに似ているのかな

亀吉

 秋には、下図の様な実が ・ ・ ・ 食べられます。

次のフトモモ科の花は、「フェイジョア」の花です。

上に載せた「マーテル」の花に似ています、同様に、多数の雄蘂が長く伸びて目立ちます。

果実として人気が有りますが、花も綺麗なものです、4枚の花弁の内側は、赤褐色(紫紅色)、外側は、白色です。

濃緑色の葉は、肉厚で、白い毛が生えているので、角度によっては、銀白色に視えます。

花や、秋に熟す果実は、生食ができ、洋ナシの様な味がします、ジャム、ゼリーにも加工されています。

フトモモ科、アッカ属、常緑低木、ウルグァイ、パラグァイ、ブラジル原産

学名 Acca sellowiana/Feijoa sellowiana,英名 Feijoa、別名「アナナスガヤバ」




 <各画像は、クリックで拡大表示します>


ノウゼンカズラ科の花(2)

2019-06-12 | 植物 花

「サボテン」の開花です、夜に咲く様子をコマ撮りして、gif にしてみました。

 

”ノウゼンカズラ科の花(2)” は、「パンドレア・ヤスミノイデス」の花です。

<「パンドレア・ヤスミノイデス」>

別名に「ソケイノウゼン」(素馨凌霄花)の名前も付いています。

「パンドレア」の名前で呼ばれることが多いようです。

花の形は、漏斗状、花色は、白、淡いピンク等、葉は、披針形の小葉は、奇数羽状複葉で、艶が有ります。

花冠は、浅く5裂しています、花色は、白色や淡いピンク、花の喉部は、濃い紫桃色です。

白色の花の基部は、淡い黄色です。

葉の形が、「ナンテン」(南天)の葉に似ていて、香りがする「素繋」に似ているので

他の別名に「ナンテンソケイ」(南天素馨)の名前も付いています。

ノウゼンカズラ科、パンドレア(ソケイノウゼン)属、常緑蔓性低木、オーストラリア原産

学名 Pandorea jasminoides=Bignonia jasminoides ,英名  PandoreaBower vine、Bower plant



白色の花の基部は、淡い黄色

尚、秋頃から、似た花を咲かせる同じノウゼンカズラ科の「ガーリックバイン」別名「ニンニクカズラ」が有ります。

学名 Mansoa alliacea=Pseudocalymma alliaceum、英名 Garlic vine

詳細は、其の時季に記載します、過去の画像を載せてみました。


<各画像は、クリックで拡大表示します>