花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

秋、稔りの季節(16)

2023-10-31 | 植物 花

                                    秋の稔りシリーズ№ 16

「地球柑」が熟します。


 

<「地球柑」>

「チキュウカン」の名前の由来の縞模様が、徐々に薄くなり、熟して無くなります。

稔りの季節の到来です、別名 「シマダイダイ / 縞橙」

今日は、「ホルトノキ」の実です、宝石< エメラルド>の 輝きを放ちます。

<「ホルトノキ」の実>

 開花時期は、夏で、総状花序にユニークな形の白色の花を咲かせます。

「ホルト」とは、ポルトガルの意味で、ポルトガルで採れるオリーブ油を<ホルト油>と称していたのが

平賀源内が、間違って、此の木から採れるとしたのが始りとか、確かに「オリ-ブ」の実と似てはいます。

常緑ですが、紅葉した古い葉が、必ず何枚かは付いています、「ヤマモモ」の葉にも似ています。

夏にフサフサが付いた面白い形の白い花を咲かせます。

ホルトノコ科、ホルトノキ属、常緑高木、東アジア、日本に分布

学名   Elaeocarpus sylvestris var.ellipticus、別名 「モガシ」

学名の   Elaeocarpus は、ギリシャ語で ilaia (オリーブ)+carpus (果実)が語源とのことです。


下図は、「ホルトノキ」の花です、ユニークな形の花ですので、我々は、「クラゲ」海月と称しています。

白い釣鐘型で、花弁の先端が、糸状に分離しているので、海月の触手の様です。

当時、「ホルトガル」と称した「オリーブ」の木を平賀源内が、間違えて「ホルトノキ」と名付けたとか

確かに「オリーブ」の実に似ています、「ホルトノキ」の実も「オリ-ブ」の実と同じく、暗紫色になります。

<左図=「オリーブ」の実、右図=「ホルトノキ」の実>

<余録>

葉と実が、地中海の島々や南欧の空の色を彷彿とさせる樹木で、“南ヨーロッパの樹木” です。

葉の色が灰緑色なのも、其の雰囲気を盛り上げます。

青い空が似合います、枝葉が国連の旗に図案化した平和のシンボルでも有ります。

果実の色は、濃い緑色から黄緑色に変わり、黒紫色になって熟します。

学名 Olea europaea 、モクセイ科、オリーブ属、耐寒性常緑高木、多数の品種が有ります。

樹齢3000年の樹木も有るとのこと、長生きの樹木です.

此のオリーブの実からオリーブオイルを採取することは、ご存知の通りです。

日本では、瀬戸内海の小豆島での裁育が知られています。


秋、稔りの季節(15)

2023-10-28 | 植物 花

<「マルメロ」の実>

似た果実に「カリン」が、有りますが、「マルメロ」は、バラ科、マルメロ属

原産地、イラン、サウジアラビア、果実の表面は、ゴツゴツして、花色は、淡いピンク色。

対して、「カリン」は、バラ科、ボケ属、原産地、中国、果実の表面が、滑らかで、花色は、濃い赤色です。

 

今日は、「マサキ」と「トベラ」の実を載せてみます、"秋の宝石” 、ルビーです。

照り映える赤橙色なので、ルビーに喩えました。

<「マサキ / 正木」>

「マサキ」の果実が、熟して皮が裂開すると、赤橙色の仮種を被った種子が覗きます。

対生する肉厚の葉と輝く種子を愛でます、斑入りの葉も有って、特に “金色” の斑が入った品種が人気です。

斑入りの品種には、他に「ベッコウマサキ」、「ギンマサキ」等が有るようです。

ニシキギ科、ニシキギ属、常緑低木、日本、中国原産、学名  Euonymus japonicus英名   Janese spindle tree

 


6月頃、集散花序を着けて、小さな淡い緑色の花を咲かせますが、見栄えは、イマイチですが

 

<「トベラ」の実>

「トベラ」(扉)の実も熟すと裂開して、赤い粘液が付着した種子が顔を出します。

雌雄異株で、初夏に五弁の白い花を咲かせます、芳香が有ります。

葉も光沢が有って、肉厚なのは、「マサキ」の葉に似ています。

名前の由来は、昔、魔除けの為に扉に飾ったので、“扉の木” と称したのが「トベラ」になった由

トベラ科、トベラ属、常緑低木、日本、朝鮮半島、中国原産、学名   Pittosporum tobira

英名   Japanese chesewood、別名 「トビラノキ」、「トビラギ」

尚、「マサキ」は、英名 に  Japanese spindle ,「トベラ」は、Japanese chesewood  が付いていますが

由来は、どちらも日本の海岸に多く自生していて、「マサキ」は、葉の形が、織機の<紡錘>に似ているからとか

他方、「トベラ」は、チーズの香りがするからとか。


秋、稔りの季節(14)

2023-10-26 | 植物 花

<「オオミサンザシ / 大実山査子」の実>

今日は、「フィカス・プミラ」の果実です、「イチジク」の実に似たユニークな姿です。

” 這う「イチジク」”  です、今年もピンク色に熟してきました。

<「フィカス・プミラ」>

 「イチジク」(無花果)と同じ様に、”花が詰まった袋” の中に花を咲かせるのです、「無花果」の仲間なのです。

共生昆虫のイチジクコバチに依って受粉、11月から12月頃に実が熟します、食用になるようです。

葉が白い斑入りなどの品種も有り、観葉植物として人気が有ります。

幼葉の頃は、葉が薄く、柔かで波打っていて、円形ですが

段々と、光沢が出て、肉厚で硬く、葉先が尖ってきます、更に、蔓も太く

葉も大きくなり、見違える程の変化をします、蔓性なので、気根で樹木や岩等に這い登ります。

クワ科、フィカス(イチジク)属、常緑生蔓性木本、東南アジア原産、学名   Ficus pumila

英名   Creeping fig、Climung fig、別名「オオイタビ」(大崖石榴)



下図は、 幼葉(左)と大きくなった葉(右)、姿、質感が、全く違います。

<「フィカス・プミラ」>

季節違いの ” 這う「イチジク」” 「フィカス・プミラ」果実です、今年もピンク色に熟してきました。

 「イチジク」(無花果)と同じ様に、”花が詰まった袋” の中に花を咲かせるのです、「無花果」の仲間です。

共生昆虫のイチジクコバチに依って受粉、11月から12月頃に実が熟します、食用になるようです。

葉が白い斑入りなどの品種も有り、観葉植物として人気が有ります。

幼葉の頃は、葉が薄く、柔かで波打っていて、円形ですが

段々と、光沢が出て、肉厚で硬く、葉先が尖ってきます、更に、蔓も太く

葉も大きくなり、見違える程の変化をします、蔓性なので、気根で樹木や岩等に這い登ります。

クワ科、フィカス(イチジク)属、常緑生蔓性木本、東南アジア原産、学名  Ficus pumila

英名  Creeping fig、Climing fig、別名「オオイタビ」(大崖石榴)

 

果実をUPすると「イチジク」の果実によく似ているのが解ります。

因みに、「無花果」は、下図の様な形ですね、確かに似てはいます。

果実は、クワ科なので、同じクワ科の「無花果」に似ています。

半分に割って果肉を視てみました、確かに似ています。

尚、英名  Climing fig , Creeping fig は、葉の茂る様子から命名された由。


秋、稔りの季節(13)

2023-10-24 | 植物 花


<「ザクロ」>

今日は、樹木の「サンゴジュ / 珊瑚樹」と「フユサンゴ / 冬珊瑚」、「ジュズサンゴ / 数珠珊瑚」の果実にしました。

”珊瑚” の名前の通り鮮やかな朱色が、秋の陽に輝きます。

<「サンゴジュ 」>

“最初は、「サンゴジュ」(珊瑚樹)の実です、初夏に白い花を円錐状に咲かせ

此の時期に熟して赤く照り輝きます、“珊瑚 ” の様な朱色が「珊瑚樹」の名前の由来とか

濃い緑の照葉は、サンゴジュムシ(珊瑚樹虫)の大好物、虫食いの無い葉を見つけるのに苦労します。

葉や枝は、水分が多いので、防火樹として、生垣等に植栽されることが多いようです。

スイカズラ科、ガマズミ属、常緑高木、日本、台湾原産、学名    Viburmum odoratissimum

英名    Sweet arrowwood、Sweet viburnum


 

<「フユサンゴ」(冬珊瑚)>

名前の通り、“珊瑚” ですから、珊瑚に間違い無いです。

夏→秋→冬に懸けて球形の液果を着けます、熟するに従って、淡い緑色から黄色、オレンジ色と変化します。

披針形の濃い緑色の葉と、オレンジ色の対比を愉しみます。

“冬に稔る珊瑚色” からの命名とか、珊瑚の様な果実なのです、花は、「ナス」の花に似ています。

「ミニトマト」の様ですが、有毒で食用にならないのが、残念です。

ナス科、ナス属、半耐寒性常緑低木、南アメリカ原産、学名    Solanum pseudocapsicum

英名    Christmas Cherry、Winter Cherry、Jerusalem Cherry

別名 「タマサンゴ」、「リュウノタマ」(竜の玉)、「クリスマスチェリー」

他の画像は  gif  にしました。

次は、「ジュズサンゴ」の光沢有る赤い実です、初秋の陽を受けて輝きます。

<「ジュズサンゴ」(数珠珊瑚)>

「クコ」と同様、花と実を同時に見ることができる植物です。

総状花序に淡い緑色の小さな花を沢山着けます、花弁が無く、裏が緑色をした萼が花びらの様に見えます。

“数珠珊瑚” の名前の由来は、赤い珊瑚玉が数珠の様に連なって着く様子からとか

ヤマゴボウ科、リヴィナ属、非耐寒性常緑低木、メキシコ、ブラジル原産、学名 Rivina humillis

別名 「リビナ」、英名 bloodyberry , rouge plant

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花と果実を同時に視ることが出来ます、可憐な白い小さな花です。

ピンクの実も


秋、稔りの季節(12)

2023-10-21 | 植物 花
<「林檎椿の実」>

今日は、「ビナンカズ ラ」(美男蔓)の赤い実です。

秋、紅葉が始まった木に絡み付いて、緑濃い葉の間から一層鮮やかな赤い実が顔をだします。

球状の集合果が、枝から下垂します、別名「サネカズラ」(実葛)の名前も、此の実(サネ)の見事さからの命名とか

葉も濃緑で光沢が有ります、花は、夏に1cm位の雄花、雌花を咲かせますが、小さいので見落としがちです。

雄花は、花の中心に紅色の雄蕊が小球状に着き、雌花は、黄緑色の雌蕊が小球状に着きます。

マツブサ(モクレン)科、サネカズラ属、常緑蔓性本木、日本、朝鮮半島、中国原産

学名  Kadsura japonica、英名  Kadsura

別名の「ビナンカズラ」(美男葛)は、昔、枝や樹皮を水に浸して抽出した液を男性の整髪料に

薄めてシャンプーに用いた故の命名とか、美男の条件には、髪形も大切なのか ・ ・ ・ 

学名の Kadsura は、<蔓(カズラ、ツル)>からの命名とのこと

滋養強壮の生薬(五味子)は、実を乾燥したものとのことなので

毒ではないと思って生食すると、シャキシャキした食感で味が無く、見た目の美味しさとは、懸け離れたものでした。

亀吉

<他の画像>


下図は、雄花(上)と 雌花(下)

花は、雌雄異花でクリーム色の花を咲かせますが、同じ様な花に見えますが

雄花は、赤茶色の雄蕊を集結させ、雌花は、薄緑色の雌蘂を集結させます。