花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

冬に咲く(2)「エリカ」

2020-12-30 | 植物 花

「エリカ」5種を挙げてみました。<再掲載の記事内容も含みます>

「エリカ」の語源は、ラテン五の<Erica>、ギリシャ語の<Eeike>に由来する由

「エリカ」は、ツツジ科の一種で、南アフリカが、原産地の一つとのことですが

他に、地中海、ヨーロッパも原産地とのこと、イギリスでは、「ヒース」 、スコットランドでは

「エリカ」の近縁種で、同じエリカ属の「ヘザー」heather

低木群落を形成して、新緑の頃に平原を埋め尽くすとか

花は、小さく、三角多肉質の葉で、緑、黄、赤と葉の色が変化するようです。

上の画像は、スコットランドの「ヘザー」の草原と花です。<Creative Common licensed >


<「ジャノメエリカ」(蛇の目エリカ)>

枝が、分岐して、ピンク色の壺型の花を多数着けます、花冠の中心に雄蘂の黒紫色の葯を着けるので

目玉の様に見えます、此の葯の様子を<蛇の目>に喩えた命名とか

葉は、艶が有り線形で3枚輪生させます、冬には、褐色に変色します。

花径は、0.2~0.3m/mと小さく、樹高は、200cm位になります。

マイナス5度位に耐えますので、此の地方では、冬を彩る花として重宝されます。

ツツジ科、エリカ属、耐寒性常緑低木、南アフリカ原産、学名  Erica canaliculata英名  Channeled heath

Black-anthered Heath、Black-eyed-Heath

別名「クロシベエリカ」、「アフリカエリカ」



<「エリカ・セリントイデス」」(ファィヤーヒース)>

長い(3cm位)筒状花を下向きに咲かせます、花は、細かい白い毛が生えています。

分枝しない枝が、多数直立し、草丈は、長いもので1.5Mにもなり、針状の葉が

輪生するのは、他の「エリカ」と同じです。

英名 Erica fire heath ですが、山火事の跡によく生えて花を咲かせるからとか

花色は、朱色、赤、白等が有ります。

ツツジ科、エリカ属、半耐寒性常緑低木、南アフリカ原産、学名 Erica cerinthoides

別名「エリカ・ファイヤーヒース」

次は、「エリカ・フォルモサ」(「スズランエリカ」)です。

<「エリカ・フォルモサ」>

「鈴蘭」の花に似た壺型の花です、「ドウダンツツジ」(満天星躑躅)の花にも似ています。

多数分枝する枝先に、3個の花を咲かせるので、多くの花で溢れます。

ツツジ科、エリカ属、耐寒性常緑低木、南アフリカ原産、英名 Erica formosa 

英名 Channelled heath、別名「エリカ フォルモサ」

最後に黄色い花の「エリカ・ブランドフォルディア」です。

<「エリカ・ブランドフォルディア」>

花は、壺型で「スズランエリカ」に似ています、”黄色い鈴蘭” と言ったところでしょうか。

学名 Erica blandfordia、別名 「カナリーヒース」

周年花を咲かせる「エリカ ’ ホワイトデライト'」ですが、此の時季の花が、一番冴えている様な気がします。

純白の細長の筒型の花で、杉の葉に似た針形の葉とのコラボを愉しみます。

白い花色から、徐々にピンク色に変色する「エリカ・コロランス」の園芸種とのこと

ツツジ科、エリカ属、南アフリカ、ヨーロッパ(改良地)、半耐寒性常緑低木

学名 Ereica colorans cv.White delight英名 Erica White Delight


 

”冬の花” 冬咲きの「エリカ」達です、寒さに強い花達です。

「アワユキエリカ」(淡雪エリカ)

枝が細かく分岐して、壺型の小さな桃色の花を多数咲かせるので、雪が積もった様な姿になります。

「ジャノメエリカ」に似ていますが、花は、小さいのが特徴です。

”小さな「ジャノメエリカ」” と言ったところでしょうか

花、枝、葉の形状が「ジャノメエリカ」と殆ど同じですが、樹高が稍低い違いがあります。

花は、小さなピンク色の釣鐘型の花です、小さな花が多数集まって咲くので泡雪に見えるのです。

 一度、雪が積もった「淡雪エリカ」を視たいものです。

ツツジ科、エリカ属、常緑低木、南アフリカ原産、英名 Erica sparsa、別名「エリカ・スパルサ」

  


 

次に、 上の「アワユキエリカ」に似た花の「エリカ・ダーリーエンシス」を挙げてみました。

花の形は、稍、細長いのですが、花冠や雄蕊の苞の形等は、似ています。

花色は、白、ピンク等が有り、耐寒性が大きいので真冬でも咲揃い花の少ない季節に存在感が有ります。

耐寒性が有る原産地アルプス地方の「エリカ・カルネア」Erica karnea と

アイルランド原産の「エリカ・エリゲナ」E.erigena との交雑種とのことです。

ツツジ科、エリカ属、耐寒性常緑低木、交雑種、学名 Erica × darleyensis、英名 Darleydale heath

別名「キョッコウ」、「ダーリーデール ヒース」


冬の花「カランコエ」4種

2020-12-28 | 植物 花

長い期間、花壇等に彩りを添える「カランコエ」ですが、今日は、以外の4種を載せてみました。

一般の「カランコエ」Kalanchoe blossfeldiana /ベニベンケイ(紅弁慶)/カランコエ・ブロスフェルディアナは

開花期が、初秋から晩秋に懸けてですが、今日挙げる4種は、1月から3月が、最盛期になります。

最初は、「カランコエ  ’ウィンディー’」です。

「カランコエ」kalanchoe と言えば、多数の小さな花が、上向きに咲く姿が、思い浮かびますが

此の「カランコエ ’ウエンディー’」は、釣鐘型の花を下向きに多数咲かせます。

花弁の先端に黄色の縁取りが在ります。

耐寒性が、有りますので、冬中、愉しむことができます。

「カランコエ」は、マダカスカルが原産地ですが、「カランコエ ’ウエンディー’」は、オランダで

作出された交雑種とのこと、濃厚な感じがする「カランコエ」です。

ベンケイソウ科、カランコエ属、耐寒性多年草、交雑種

学名 Kalanchoe miniata 、英名 Kalanchoe 'Wendy'


八重の花も

下図の「カランコエ ’ミラベラ’」や「カランコエ ’テッサ’」も「カランコエ ’ウエンディー’」と同じく

オランダで作出された園芸種とか、花の形も「’ウエンディー’」に似た姿ですが、

「ウエンディー」より長い筒状で、朱赤色の花を咲かせます。

「テッサ」は、橙色で花弁の先端の色が、少し淡い色になります。

下垂する多数の花は、見事な眺めになります。 

屋内の日当たりの良い場所に置き、冬中、愉しませてくれます。

ベンケイソウ科、カランコエ属、非耐寒性多年草、園芸種

Kalanchoe 'Mirabella'

kalanchoe 'Tessa'

次は、「カランコエ・プミラ」です。

円錐花序をだして、淡い桃紫色の花を咲かせます。

花と銀色の葉を愉しみます、葉の色から「シロガネノマイ」(白銀の舞)の別名が、付いています。

冬は、屋内の日当たりの良い場所で栽育します。

ベンケイソウ科、カランコエ属、非耐寒性多年草、マダカスカル原産(園芸種)

学名 Kalanchoe pumila、別名「シロガネノマイ」(白銀の舞)



<各画像は、クリックで拡大表示します>


寒牡丹、冬牡丹

2020-12-25 | 植物 花

今日は、冬咲きの「牡丹」2種挙げてみました。

”寒” ”冬” の名前が付いた花が、他にも有ります、「カンボタン/寒牡丹」、「フユボタン/冬牡丹」です。

両者は、同じ「牡丹」の別名との記述が視られるので、敢えて載せてみました。

「寒牡丹」は、「冬牡丹」の別名かと思っていましたが、厳密には、違うようなので、敢えて採り上げてみました。

”「冬牡丹」は、春に咲く「牡丹」を冬に咲かせ、「寒牡丹」は、もともと冬に咲く性質の「牡丹」” と言えます。

* “寒咲き” と “冬咲き” の違い

「寒咲き牡丹」は、「牡丹」の変異種で、春と秋に咲く 二季咲き種の<秋の蕾>を残して

春の葉や、蕾を摘み取って、冬に咲かせるもので、花径も「冬咲き牡丹」より大きいのが特徴で

また、花だけで、葉を着けないのも特徴です。

「冬咲き牡丹」は、春咲き種を人工的に温度管理をして、藁囲い等を施して

露地にだして咲かせるもの、葉と花が同時に視れます。

ボタン科、ボタン属、落葉小低木、中国原産、学名    Paeonia suffruticasa var.hiberniflora、英名    peony


                  上図=「カンボタン」 (寒牡丹)                              上図=「「フユボタン」(冬牡丹)

 

上図は、葉が無い「カンボタン」(寒牡丹)

 

上図=「フユボタン」(冬牡丹)

上載の2種以外に葉を愛でる「ハボタン」(葉牡丹)が、彩りを添えます。

花が少ない季節なので<花>の代わりに<葉>を挙げました、「ハボタン」(葉牡丹)です。

葉を「牡丹」の花に見立てた命名です。

結球しない地中海沿岸に自生する「ブラシカ・オレラケア」  Brassica oleracea   の変種を

鑑賞用に改良して現在の様な色や形が整いられた由

日本にはオランダ、中国経由で入ってきた由

因みに、仲間の「キャベツ」は、B.var.capitata 、「ブロッコリー」は、B..var.italica です。

同心円状に葉が広がり、外側と内側の葉の色が違うので、グラデーションをも愉しみます。

「ハボタン」は、食べられないとのことですが、間違いで、全く「キャベツ」の味と食感です。

此は、栽培業者が多くの農薬を使用するので害が出るかもとの危惧からとか

色合い、斑模様等々、多くの品種が見られます。

花は、アブラナ科の花の黄色い花を咲かせます。

寒さが増す程に色、艶が一層増します、花に代って冬の一時を愉しみます。

葉が、丸いのや、縮れたもの、深い切込みが入ったもの等が有ります。

アブラナ科、アブラナ属、耐寒性多年草(一年草)、ヨーロッパ原産

学名   Brassica oleracea Acephala Group、英名   Ornamental cabbage

Ornamental kale、Flowering kale別形「ハナキャベツ」(花キャベツ)

下図の様に染料で色付けしたものも販売されていますが、チョット不自然かな


冬に咲く「セルリア」、「ギョリュウバイ」

2020-12-24 | 植物 花

寒い冬に花開く「セルリア」と「ワックスフラワー」を挙げてみました。

「セルリア、フロリダ」が咲き始めています、暖かい春色のパステルカラーです。

淡いピンクの花を、茎の先端に房状に咲かせます、葉は、細い円柱状で羽状複葉です。

花弁のように見えるのは、花では無く、総苞なのです。

此の総苞のパステルカラーが、清々しく、明るい雰囲気を醸し出します。

イギリスの故ダイアナ妃が、ブライダルブーケとしたとか、ブライダルフラワーとして人気が有るようです。

英名も  Blushing bride  “頬を染めた花嫁”、ピンク色が、英名の由来でしょうか

セルリア属には、40種位有るとのこと、此の中で、フロリダ種が一番美しいようです。

近い植物には、夏に咲くヤマモガシ科の「プロテア」(Protea spp.)が有ります、同様にイキソチックな花です。

細長い円柱形の葉もユニークな形で愉しめます。

ヤマモガシ科、レルリア属、常緑小低木、南アフリカ ケープ地方原産

学名  Serruria florida 、別名「ジョーイ セルリア」 

此の時季の花、「セルリア<ジョーイ セルリア>」の新しい園芸品種が、次々と出ていますが

「セルリア・フロリダ」を中心にして総苞(花弁と見紛う)の色の濃い薄い等で

種々名前が付いた品種が視られます。

「セルリア ジョーイセルリア プリティピンク」、「スェルリア ジョーイセルリア カルメン」等々

改良種「セルリア ジョーイセルリア プリティピンク」もピンク色が、綺麗です。

細長い円柱形の葉もユニークな形で楽しめます。

<「ギョリュウバイ」>

「ギョリュウバイ」も寒い季節に咲く花です、花が少ない時季に咲くので重宝されます。

葉が、「ギョリュウ」(御柳)の葉に似て、花が、「梅」の花に似ている故の命名とのこと

花は、秋から早春に咲く品種と、3月頃から5月頃迄咲く品種が在ります。

葉は、ブロンズリーフ で、先が尖っていて、堅く肉厚です。

亦、園芸品種が多いのも特徴です、一重や八重咲き、花色も白、赤、ピンクと豊富です。

花後に褐色の球形の視を着けます、中には、細長い種子が、ギッシリ詰まっています。

学名の 「レプトスペルマム」は、ギリシャ語で ”薄い種子” の意味とか、細長い種子を著わしています。

フトモモ科、レプトスペルマム(ギョリュウバイ)属、半耐寒性常緑低木

オーストラリア、ニュージーランド原産、学名  Leptospermum scoparium

英名  Tea tree 、別名「ショウコウバイ」(松紅梅)、「レプトスペルマム

英名の Tea tree は、葉を茶葉として飲用したからとか


一重や八重咲き、花色も赤、ピンク、白色等多彩です。

亀吉

「梅」の花に見えますか、「梅」を愛した菅原道直を奉った天神様の<梅紋>に似ています。

尚、「御柳梅」の「御柳」ですが、この名前が付いた植物が有ります。

「ギョリュウ」(御柳、タマリックス」の花です、春と秋に咲く小さな小さな花です。

此の「ギョリュウ」Tamarix chinensisの仲間の「タマリックス・ラモッシマ」T.ramossimaにしました。

T.chinensis より清楚な感じが好まれます。

総状花序にピンクの小さな花を咲かせます、樹木が、年を経て枝が垂れ下がる姿が

「柳」に似ているとのことで「御柳」の名前が付いた由

亦、塩分を含む土地でも生育するので、砂漠の緑化にも貢献してるとのことでした。

「タマリックス」Tamarix は、ヨーロッパ、アジア、中国、朝鮮半島に分布、多数の品種が有るとのこと

ギョリュウ科、タマリックス属、落葉小高木、英名 Tamrisk、Tamarix、Salt cedar

別名 「タマリックス」、「タマリスク」

 


”チャイニーズ” の名前で

2020-12-21 | 植物 花

寒い冬に目立つ赤色、「チャイニーホーリー」の果実と、「チャイニーズハット」」の赤い花です。

最初は、濃い緑色の葉と、赤な実との対比が見事な「チャイニーズホリー」です。

<「チャイニーズホーリー」>

 「ホーリー」(西洋ヒイラギ)は、モチノキ科の総称、「チャイニーズ ホーリー」は、中国原産の「ホーリー」です。

葉が似ている日本の「ヒイラギ」は、モクセイ科ですので、別の植物になります、実も赤くなく、黒紫色です。

「ホーリー」Ilex aquufolium の葉より刺が少なく、帆掛け船の帆の様に4画なのが特徴です。

此の4角も成長に従って全縁になります、互生する光沢の有る濃い緑色の葉は、赤い実とのコラボで一層綺麗です。

「西洋ヒイラギ」と同様「クリスマス ホーリー」の名前でも知られています。

モチノキ科、モチノキ属、常緑低木、雌雄異株、小高木、中国、朝鮮半島原産、学名 Ilex cornuta 

英名 Chinese holly、別名「ヒイラギモチ」、「ヒイラギモドキ」


次は、形が、ユニークな「チャイニーズハット」の花です。

<「チャイニーズハット」(「ホルムショルディア・サンギネア」)>

円形に平開する額が、昔、中国人が被る帽子に似てるので此の名前が付いたとか

萼の中心から、細長い筒状の花冠が立ち上がり、其等の色は、黄色、ダイダイ色等が有ります。

シソ科(クマツヅラ科)、ホルムショルディア属、常緑低木、アフリカ、インド、ヒマラヤ原産

学名 Holmskioldia sanguinea 、英名  Chinese hat plant、Cup and saucer

別名「テングバナ」(天狗花)、「カップ  アンド  ソーサー」、「マンダリンズ ハット」

 

上記の「ホルムショルディア・サンギネア」は、此の時季の花ですが

夏が、開花期の「ホルムショルディア・テッテンシス」H.tettensis が、有ります。

萼が、ピンク色、花が、薄紫色で、涼しげな夏の花です。

アフリカ原産、英名 Tahitian hat plant、Parasol flower、別名「タヒチアンハット」、「パラソルフラワー」