花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

初夏を彩る(2)

2022-04-30 | 植物 花

今回も、”初夏の彩り” として、色彩豊かなゴマノハグサ科の花「カルセオラリア」と

「ネメシア・ケイランツス」を挙げてみました。。

両者、奇妙な形の花を咲かせるゴマノハグサ科の花です。

 

最初は、「カルセオラリア」 、別名 「キンチャクソウ」(巾着草) です。

<「カルセオラリア」>

 花弁の下側が袋状になっているので、奇妙な形に見える花が咲いています。

多数の品種が有る様で、中には、鑑賞に耐え難いものも視られます、<個人の感想ですが>

形も球状、扁平、大輪、小輪、花の色も赤、黄、オレンジ、紫、斑入り、ツートンカラーと豊富です。 

多く植栽される品種は、ヘルビオヒブリダ種 Calceolaria × herbeohybrida  のことですが

鮮やかな黄色の小花を、長い花茎に多数咲かせる園芸種 「カルセオラリア・フルティコブリダ ´ミダス`」

Calceolaria fruticohyrida ´Midas` 等が “濃厚 怪奇” な他の品種に比べて落ち着きます。

ゴマノハグサ科、カルセオラリア属、秋撒き一年草(常緑多年草)

チリ、メキシコ、ペルー原産、学名   Calceolaria Hybrida

尚、「カルセオラリア」とは、ラテン語の  Calceolus  で、<スリッパ>を意味するとか、将に、<巾着>と<スリッパ>です。

其の所為か、英名   Slippa flower 、他に、Pouch flower   等の名前が付いています。



スリッパより巾着やポーチ方が相応しい形かな

下図は、低木性の「カルセオラリア・インテグリフォリア」 Calceolaria integrifolia です。

別名「キダチカルセオラリア」(木立カルセオラリア)

最期も、面白い形の着けるゴマノハグサ科「ネメシア・ケイランツス」です。

多年草の「シュコンネメシア」(宿根ネメシア、ネメシア・カエルレア)や

一年草の「ネメシア」(ウンランモドキ)等は、“ネメシア” として知るところですが

奇妙な花の形の「ネメシア・ケイランツス」は、同 じ「ネメシア」かと疑いたくなります。

花弁の上唇には、長細い切込みが在り、”流星の尾” の様に見えます。

白い色をしていて、下唇は、黄色で、紫の斑が入ります、平たい形です、葉は、披針形で対生します。

愛称に、「ネメシア ´シューテングスター`」、「ネメシア ´マスカレード`」が付いています。

“流星” 、”仮面舞踏会”   Shooting Stars 、Masquerade  で、どちらも的を射ている命名です。

学名 Nemesia cheiranthus 、英名 Crested cape snapdragon


他に「ネメシア」には、別名「ウンランモドキ」  Nemesia stromosa  、「ネメシア・カエルレア」

別名「シュッコンネメシア」  N . caerulea   等々が有ります。



 

可愛い動画だったので、再度載せてみました。


初夏を彩る(1)

2022-04-28 | 植物 花

”初夏を彩る” は、「リナリア」の花を4種挙げてみました。

最初は、「リナリア」を代表する「リナリア・マロッカナ」です、「ヒメキンギョソウ」の名前も付いています。

 

<「リナリア・マロッカナ」>

「リナリア」には、此の「リナリア・マロッカナ」以外に

地中海沿岸原産、多年草「リナリア・プルプレア」Linaria purpurea

「リナリア・ビパルティタ」 Linaria bipartita   等が有り

少しずつ趣が違いますが、「リナリア」は、一般に此の「リナリア・マカロッサ」を指す様です。

日本にも仲間の「ウンラン」L.japonica が、有ります。

葉は、細かく繊細、多数分枝して、多数の花を穂状に咲かせます。

葉の形は、「キンギョソウ」の葉との違いが有ります。

花色は、白、紫、赤、黄色と多彩で、上向きの花弁は、縦に大きく裂けているので

丁度、ウサギの耳の様です。

花弁の下唇の奥に黄色い斑紋が有ります、「リナリア」は、別名「姫金魚草)

“小さな「キンギョソウ」” の意味ですので、「金魚草)」(スナップドラゴン)に似ています。

ゴマノハグサ(オオバコ)科、リナリア(ウンラン)属、モロッコ原産、耐寒性一年草

学名 Linaria  maroccana  、英名 Linaria , Spurred snapdragon ,Toadflax 


次は、「リナリア・ブルガリス」 の花です。

<「リナリア・ブルガリス」>

淡い黄色と濃い橙色のツートンカラーの花を穂状に咲かせて、立ち上げ、下から上へと順次咲き登ります。

「キンギョソウ」に似た花で、唇型の上唇は、2裂、下唇は、3裂、下唇に橙色の盛り上がった所が視られます。

葉は、淡い緑色の線形、花が、日本固有種の「ウンラン」(海蘭)Linaria japonica  にも似ているので

「ホソバウンラン」(細葉海蘭)の別名も付いています。

リナリア」の原種とのこと、素朴な感じの花です、花径 1Cm 、草丈 80Cm位、直立形です。

ゴマノハグサ科、ウンラン属、ヨーロッパ原産、耐寒性多年草、学名   Linaria vulgaris 、英名   Common toadflax

Yellow toadflax、Butter and Eggs別名「ホソバウンラン」、「トードフラックス」



次は、”フラメンコ” の異名を持つ「リナリア・レティクラタ」です。

<「リナリア・レティクラタ」>

赤と黄色の配色が、際立つ 情熱的な ”フラメンコドレス” です.、風を受けて膨らみます。

北アフリカ原産、耐寒性一年草、花花序 10から20cm、草丈 60から120cm

学名  Linaria reticulata 'Flamenco' 、別名「リナリア ’フラメンコ’」



 

次も、ゴマノハグサ科 の「リナリア・プルプレス」の花です、未だ、咲き続けています。

<「リナリア・プルプレア」>

花茎の先端に総状花序を作り、花序の下から順次、白やピンクの花を穂状に咲かせます。

花冠は、2唇形、上唇2裂、下唇3裂、花色は、紫色が主で、白やピンクが、有ります。

草丈80~100Cmと高く、葉は、線状全縁、茎の下で輪生します。

ヨーロッパ南部原産、常緑多年草

英名   Linaria purpurea、英名  Toadflax、別名 「シュッコンリナリア」(宿根リナリア)

「ムラサキウンラン」紫海蘭、「ヤナギウンラン」柳海蘭

 


白い樹木花

2022-04-26 | 植物 花

春の白い樹木花と題して、「リキュウバイ」の花を載せます。

「リキュウバイ(利休梅)」

総状花序をだして5弁の白い花を咲かせます。

“利休” の名が付いているので茶人の利休と関係ある命名かと思ったのですが、

中国から入ったのが明治時代とのこと、利休と直接関係した命名ではないようです。

星型の五角形の清楚な感じの花なので、茶花として利用するので、利休と結び付けたとする説が有力です。

亦、“茶道具入れの袋の利休緞子の紋様に似てる” からと有りましたが、詳細は ・ ・ ・

概して、早春の花は、葉より花が先に咲き、葉は、遅れて出ますが、「リキュウバイ」は、同時ですので

白い花と濃い緑色の葉とのコントラストを楽しめます。

亦、黄緑色の中央と純白の五弁花との対比が愉しめます。

別名には、「バイカシモツケ」(梅花下野)、「ウメザキウツギ」(梅咲き空木)

「マルバヤナギザクラ」(丸葉柳桜)等 、英名 Common pearbush

バラ科、ヤナギザクラ属、落葉高木、中国原産、学名 Excorda racemosa

似た花には、「ヤナギザクラ」  Exochorda erratifolia  が有り、似ていて一見、見分けが難しいのですが

「リキュウバイ」の花の中心が茶緑色に対して、後者は、褐色なので、一応の区別の目安とします。

 


 

英名   Common pearbush は、蕾の色、形に由来するとか

八重の花も

羽根の様な稜を持った実を稔らせます。

 

次は、過去の記事の再掲載です。

早咲きのアヤメ科

今日は、今が盛りの「アイリス」Iris の選んでみました、春風に靡く ”春告げ花” です。「アイリス」は、ギチシャ語の虹を指す「エリス」に由来するとのことアヤメ科、アヤ......

春のユリ科の花(1)

2022-04-23 | 植物 花

春に咲くユリ科の花を2種挙げて見ました、「キバナカタクリ」と「キバナホウチャクソウ」、「オオチゴユリ」です。 

<「キバナカタクリ」黄花片栗 >

日本原産の紅紫色の「カタクリ/  片栗」より少し遅い此の時季に、球根から2枚の葉を出し始めます。

「カタクリ」より草丈も長く、黄色い花を咲かせるのが、特徴です。

楕円形の葉が根本から生えて中心から長い花茎を伸ばして、先端に黄色い花を横向きに咲かせます。

”春の妖精” <スプリングフェメラル>の愛称が、付いている ”春告げ花” なのです。

「ユリ」の花に似た6弁の小さな花を咲かせ、開花に従って大きく大きく反り返ります。

開花期感は短くて,夏、秋の期間には、地上に出る部分が消滅するのが残念です。

日本原産の「カタクリ」と区別する為に、「エリスロニウム」の名前も付いています。

近縁種も数種有りますが、交配種の「エリスロニウム 'パゴダ’」  Erythronium  tuolumnense  'Pagoda' 

人気の品種のようです、”パゴダ” の名前は、花弁が、大きく反り返る様子が、寺院の屋根の反り返りに似てる方とか

「カタクリ」も「エリスロニウム」も針葉樹林の森の自生するのは、似てる様です。

他に、「エリスロニウム・アメリカナム」、「エリスロニウム・グランディフロルム」等々の品種が

ユリ科、カタクリ=エリスロニウム属、耐寒性球根、北アメリカ、カナダ原産、学名    Erythronium Hybrids

英名  Glacier  lily、Adder stongue 、Dogttoth violet

別名「セイヨウカタクリ / 西洋片栗」、「ヨウシュカタクリ / 洋種片栗」




 

次のユリ科の花は、黄色い花を咲かせる「キバナホウチャクソウ」です。

<「キバナホウチャクソウ」(黄花宝鐸草)>

「カタクリ」の花とともに人気の春のユリ科の花です。

日本原産の「宝鐸草」の黄色バージョンですか

花茎の先端に、筒状(宝鐸の形)の花を3個位下垂して咲かせます、花弁が6枚、葉の葉脈が

浮き出て目立ちます、光沢が有り、互生します。

「チゴユリ」<稚児百合> や「ナルコユリ」<鳴子百合>の仲間で、葉や花の姿が、よく似ています。

絶滅危惧種に登録されているとのことで、チョット珍しい花です。

艶の有る葉の形は、卵形で互生します、花の形は、<宝鐸>に似ているので「宝鐸草」の別名が付いた由来とか

<宝鐸>とは、寺院等の屋根の四隅に下げる風鈴に似た飾りで、此の形に似てる故の命名とのこと

花は、開花時は上向きですが、開花が、進むに従って、下向半開半開して咲き出すのも面白いものです。

草丈が、40~50cmと長く、花径は2cm位と小さいですが、日本の「ホウチャクソウ」よりは、大きいです。

ユリ科、チゴユリ属、耐寒性多年草、中国、朝鮮半島原産、学名   Disporum flavens、英名   Yellow fairy bells

別名「キバナアマドコロ」(黄花甘野老)


 

次も、今が盛りのユリ科の「オオチゴユリ」(大稚児百合)の花です。

「チゴユリ」(稚児百合)よりも枝が多く分枝して、花径が大きく、草丈も高いのが特徴です。

稍、花被片が6枚、淡い緑色懸かった花が、下向きに咲きます。

葉脈が目立つ艶やかな葉は、長楕円形、互生します。

ユリ(イヌサフラン)属、耐寒性多年草、日本、朝鮮半島、中国に分布、学名 Disporum viridescens



因みに「ホウチャクソウ」は、下図の様に淡い緑色です。

 

          「チゴユリ 」

「チゴユリ」(稚児百合)もユリ科の花、春の山地に多く咲き

 特に、落葉樹林の下の半日陰に生えて「百合」の花に似た花を 咲かせます。

 披針形の花弁で、小さくて可愛い花を1~2個やや下向きに咲かせます。

小さくて可愛いので、稚児の名前が付いたようです。

ユリ科、チゴユリ属、耐寒性多年草、日本、中国、朝鮮半島に分布

学名 Disporum smilacinum


春の色、再び

2022-04-20 | 植物 花

今日は、過去に載せた記事を再掲載してみました。

一回目は、”「ベンケイモモ」と「キクモモ」” 、”春、白色” と題した記事の2題です。

「ゲンペイモモ」と「キクモモ」

桜「染井吉野」の後には、「源平桃」と「菊桃」の花が、控えます。「モモ」(桃)、「ハナモモ」(花桃)の花の季節も終わりましたので今が盛りの「ゲンペイモモ」(源平桃)と「キ......
 

次の記事は「クレマチス」を取り上げた記事です。

春、白色


「クレマチス・アーマンディー」、「ジューンベリー」の白い花です。<「クレマチス・アーマンディー」>原種からの改良種とのこと、夏に咲く「センニンソウ」(仙人草)の仲間で、......