花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

「ヤマボウシ(山法師)」と「ハナミズキ(花水木)」 の実

2018-09-25 | 植物 花

「ヤマボウシ」と「ハナミズキ」の実が赤く熟しています。

<「ヤマボウシ(山法師)」>

樹高が、10mにもなる高木で、木肌の鹿の子模様が、綺麗なので

シンボルツリー、街路樹として重宝されています、葉は、卵円形で全縁、肉厚で波立っています。

「ヤマボウシ(山法師)」の名前は、中心の花穂が、坊主頭に似て、外側の白い4枚の総苞片が

頭巾に似ているからとか、”法師” のイメージです。

ミズキ科、ミズキ属、耐寒性落葉高木、日本、中国、朝鮮半島に分布

学名 Cornus kousa=Benthamidia japonica、別名「ヤマグワ(山桑)

*最近では、品種改良されて、花色がピンクや常緑の多彩な品種が作出されようです* 

果実は、球状の集合果で、此の時期に赤く熟します、極小の種子が入ってますが

食用になります、果肉は、オレンジ色で甘い味がします、果実酒にも使用されています。

近縁種に「ハナミズキ」(「アマリカヤマホウシ)」が有りますが、集合果ではなく、個々に独立した果実が着きます。

花も似ていますが、総苞片の先が、尖った「ヤマボウシ」と丸味を帯びた「ハナミズキ」の違いが有ります。


花期は、6月~7月頃で、小さな淡い黄色の花を密生して咲かせます。

「ハナミズキ」も艶やかな実を着けています。

<「ハナミズキ(花水木)」>

花後に艶が有る楕円形の実を着けます、此の時期に赤く熟します。

晩秋に、紅葉して落葉します、来春、葉が出る先に花を咲かせます。

「花水木」の名前の由来は、日本に自生する「ミズキ(水木)」Corunus controversa に似いて

大きく綺麗な花を咲かせるからとか、高木で「ハナミズキ」同様、街路樹やシンボルツリー」に利用されます。

ミズキ科、ミズキ属、耐寒性落葉高木、北アメリカ東部原産、学名 Corunus florida

英名 flowering dogwood、別名「クルマミズキ(車水木)」「アメリカ ヤマボウシ」

doogwood の由来は、木を煎じた液で、犬の皮膚病を治療したからとか

亦、この液でノミを退治したからとか、英語で dog は、古い英語で<短剣 dagge>からとか

材質が硬いから、武器に利用した由、真偽の程は ・ ・ ・ ですが




 

花(総苞片)は、4月~5月頃に白、淡いピンクの花を咲かせます。

上に載せた「ヤマボウシ」と同様、中心に花序をつくり、周りに花弁の様な4枚の総苞片を着けます。

「ヤマボウシ」の総苞片の先が尖っているのに対して丸味を帯び、少し窪んでいる特徴が有ります。

中心の塊は、4弁の小さな(花径3mm程)花の集合体です。

*最後に、紛らわしい「ヤマボウシ」と「ハナミズキ」の見分け方を載せてみました。

・樹皮- 前者の樹皮は、滑らか、後者の樹皮は、ゴツゴツして罅割れがしている。

・葉ー前者の葉は、艶が有る、此の葉が出た後に花が咲く、後者の葉は、シワシワ、花が咲いた後に此の葉がでる。

<各画像は、クリックで拡大表示します>


キク科の花、「キクイモ」と「ガガイモ」

2018-09-21 | 植物 花

此の季節のアオイ科の花

 

上図上段=左から「ベニバナトロロアオイ」、「トロロアオイ」、「エアタ」

下段=左から「オクラ」、「ロー ゼル」

 

” いも(芋)” のエメージは ・ ・ ・ ですが、花は、奇麗なものです。

「キクイモ」と「ガガイモ」の花を挙げてみました。

<「キクイモ(菊芋)」>

河原や土手で「彼岸花」と一緒に咲いています、遠目には黄色い絨毯を広げた様に見えます。

草丈1M~3Mの頂上に「菊」に似た頭状花を咲かせます。

「菊芋」は、地下に「ショウガ」(生姜)に似た塊茎を作るので、”芋” の名前が付いたようです。

花より料理の材料や中性脂肪の数値を下げる効果や血糖値の上昇を抑える薬効の方が有名で

”天然のインシュリン” として紹介されていて、花に気を留めることは、無かった様です。

亦、第二次世界大戦時には、食用として栽培しました、原産地の北アメリカでは

アメリカインディアンが、食用としていたとか

今では、全世界に帰化植物として分布してるようです。

キク科、ヒマワリ属、多年草、北アメリカ原産、学名 Helianthus tuberosus、英名 Jerusalem artichoke

別名「アメリカイモ」、「ブタイモ」、「エルサレム・アーティチョーク」

塊茎は、「生姜」に似ています。

 

「ガガイモ」も面白い花を咲かせます。

<「ガガイモ」(蘿摩)>

集散花序に、薄紫色や白色の5弁の花を咲かせます、花冠は、大きく反り返ります。

神話に登場するくらいなので、神代の時代から認識されていた由

10cm位の「ゴーヤ」に似た果実が、舟形の鞘なので神が、此の船に乗って現れたとの神話です。

葉は、ハート型で互生します、果実の中には、白い毛が沢山詰まっていて、熟すと割れて

其の毛が、「タンポポ」の綿毛の様に風に乗って飛び散ります。

真偽の程は不明ですが、民話の謎の生物<ケサランパサラン>は、此の種子を指しているとか

ガガイモ科、ガガイモ属、蔓性多年草、日本、東アジアに分布、学名 Metaplexis japonica

淡い紫色の花も

 ケサランパサランの正体(?)とされた果実

<各画像は、クリックで拡大表示します>


”猫の目” と ”猫の髭”

2018-09-17 | 植物 花

”猫の目” は、「オタカンサス」の花です、青い ”目の猫" です。

<「オタカンサス」>

唇型の2枚の青紫色の花弁が、上下に開き、中心に細長い白い斑模様がを猫も目に見立て

別名「ブルーキャッツアイ」の名前が付いています。

草丈1M位まで伸び、葉は、対生します。

花言葉が、”心変わり” 、猫の目がクルクル変化するからとか

ゴマノハグサ科、オタカンサス属、半耐寒性多年草、南アメリカ原産、学名 Otacanthus caeruleus

英名 Blue Cat's Eye、Brazilian Snap Dragon(ブラジルの「金魚草」)、Amazon Blue

”ネコノヒゲ(猫の髭)” は、シソ科の「ネコノヒゲ」です。

<「ネコノヒゲ」>

総状花序に白色、淡い青色、淡いピンクの花を咲かせます、雄蘂、雌蘂が長く出て

猫の髭の様に反ります、名前の由来になっています。

初夏から晩秋と長い花期を愉しむことができます。

薬草として古くから利用された様です、クミスクチン茶が有名です。

花や葉は、「シソ」(紫蘇)に似たところが有ります。

シソ科、オルトシフォン属、非耐寒性多年草、インド、マレー半島、オーストラリア原産

学名 Orthosiphon aristatus、英名 Cat's whiskers、別名「キャッツウイスカー」、「クミスクチン」

尚、「クミスクチン」は、マレー語でも<クミスは、猫>、<クチンは、髭>を意味する由

 



 下図は、猫の髭のUPです、似ています。

<各画像は、クリックで拡大表示します>


” 秋の「グラジオラス」 ”

2018-09-13 | 植物 花

「パンパスグラス」の雄花(上図)と雌花の花穂が、初秋の陽に輝きます。

タンゴ Adios Pampa Mia で詠われる草原に生えます。


”秋の「グラジオラス」” は、「アシダンテラ」の花です、” 秋の「グラジオラス」” です。

夏が、最盛期の「グラジオラス」(唐菖蒲)の一種で、よく似ています。

草丈50cm~1m 位で、頂上に、乳白色で五枚の花弁、中心には、茶褐色の斑が入った花を咲かせます。

芳香が有る花が、俯き加減に咲きます。

「アシダンテラ」(Acidanthera) の名前は、ギリシャ語で ”尖った葯” を意味するとか

アヤメ科、グラジオラス(旧アシダンテラ)属、非耐寒性球根、エチオピア原産

学名 Acidanthra bicolor=Gladiolus callianthus、英名 Peacock orchid、Abyssinia gladiolus

別名 「アシダンテラ・ビコロル」、「グラジオラス・カリアンサス」

「ニオイグラジオラス」、「ピーコックオーキット」

尖った葯が、名前「アシダンテラ」の由来とか

<各画像は、クリックで拡大表示します>

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「スズメウリ」を育てる №12

実が、太ってきました、間もなく色着き始めます。


”秋の「アマリリス」”

2018-09-11 | 植物 花

アオイ科の花の雄蘂と雌蘂

多数の黄色い花糸を着けた雄蘂の先端に、花弁と同色の横を向いた雌蘂の頭柱が面白い形をしています。

「アメリカフヨウ」の雄蘂と雌蘂です、アオイ科の花の特徴です。

 

<前回に載せたアオイ科の花の追加>

「芙蓉」の仲間の ”小さな芙蓉”「ヤノネボンテンカ」(矢の根梵天花)も今が盛りです。

「アメリカフヨウ」に比べると小さな花径(5cm位)です。

弓矢の<矢尻>の様な形の葉で、「梵天花」Urena lobata var.sinuata に似ている故の命名とか

アオイ科、ヤノネボンテン属、常緑低木、南アメリカ原産、学名 Pavonia hastata

英名 pink pavonia 別名「タカサゴフヨウ」(高砂芙蓉)

 

” 秋咲きの「アマリリス」” 、「ベラドンナ リリー」 です。

50cm 以上に伸びる花茎の先端に筒状の花を咲かせます。

花弁が大きく開き、「百合」の花に似ています、花色は、白、ピンク、赤が有ります。

開花期には、葉が出ず、花後に艶の有る肉厚の葉が出て越冬します。

花の姿は、同じヒガンバナ科の「ネリネ」(ダイヤモンド リリー)Nerine Hybrids

「アマクリナム」Amarcrinum memoria-corsii に似ています。

以前は、春に咲く「アマリリス」と同じアマリリスに属していたが

現在は、「アマリリス」は、ヒッペアストラム属に移行したとか

ヒガンバナ科、アマリリス(ブルンスビギア)属、半耐寒性球根、南アフリカ原産、学名 Amaryllis belladonna

英名 belladonna lily、別名「ホンアマリリス」、「ネキッドレディー」

*「ホンアマリリス」は、アマリリス属の ”本当の「アマリリス」” の意味を著して

「ネキッドレディー」は、<naked  lady> で葉が出る前に、花が咲くので、衣服に覆われていない裸の淑女の意味とか

ヒッペアストルム属の春に咲く「アマリリス」=上図

秋に咲くアマリリス属の「ベラドンナ リリー」=下図



唯、ヒッペアストルム属の「アマリリス」ですが、秋に咲く「シロスジアマリリス」(白筋アマリリス)

Hippeastrum reticulatum var.striatifolium、ブラジル原産が有りますので、載せておきます。

<各画像は、クリックで拡大表示します>