『向島 墨東の色町』

2009-09-16 11:03:00 | 美術館&博物館など


 【テプコ浅草】では、山本高さんの名作『向島 墨東の色町』と『見世物小屋の立つ縁日』も、360度どの方向からも見えるよう展示されていました。青梅の【昭和幻燈館】で何度も見ていますが、正面からの展示だったので、写真集でしか見られなかった細部の細部を確かめることができ、最高でした! この後、作品は【昭和幻燈館】に戻るのでしょうか? その際は、同じような展示の仕方にしてもらえたら幸いです。


 のら猫に餌をあげる女性。とても好きな図なのですが、この角度で見られる機会が訪れて大喜び! 縦で撮ろうか横で撮ろうか散々悩みました。漆喰&タイル貼りの一階と二階の木造部分が対比できるように、縦でも撮っておけば良かった・・・しかも女性に気を取られて、ハート形をした明かりとりが電柱で隠れてしまっています。家に戻ってから、プロが撮影した写真集を見て、自分の腕のなさにがっかり。それはともかく、カレーの広告や木製のゴミ箱も懐かしいですね。あったあった、こんなの・・・。


(左)ちょうど大正モダンの頃だったのでしょうか、和洋折衷の魅力的な建物です。タイル貼りは遊郭独特の装いだったそうですが(今だと高速インターを降りたところのホテル街が毒々しくも不思議な魅力を醸し出していますね)、その時代を知らない自分には、単純に美しく心惹かれる佇まいです。売春禁止法が成立して、ここに描かれている玉の井を始めとする遊郭は跡形もなく姿を消しましたが、ほんの少しだけ当時の面影を偲ばせる建物が残されている場所もあるとか・・・このあたりをくまなく歩いてみようかなあ? 実はこの写真の奥の路地で、女性たちが紺色の上着を着た男性に声をかけていて(かすかに洋服が見えてます)、写真集では凄くいい感じに撮れていました。素人とプロの差だね・・・。
(右)防火水槽と木の電信柱にかけられた裸電球。小さい頃に自分も見た覚えがあり、ノスタルジアを感じます。



 開口された1階の待ち合い(左)と二階の部屋(右)。この面も、なかなか正面から見ることができません。やり手婆さんとハゲ親父が、いかにも・・・といった感じ。


 またしてもカメラを向けてしまった美しい娘(左上)と、屋台でおだをあげている?荷風先生(右中)。荷風先生は橋の上にもおられます(左下)。永井荷風原作の『濹東綺譚』は、1960年(監督=豊田四朗、主演=山本富士子)と1992年(監督=新藤兼人、主演=墨田ユキ)に映画化されています。「ぬけられます」の看板も有名で、神代辰巳監督が宮下順子主演で『赤線玉の井 ぬけられます』(1974)という題名の映画を作っています。

 今日&明日を乗り切ればひと息つける? 来週の大ヤマに備えて準備もしなければいけないのですが、何とかなるで乗り切るしかない! くるみさんはタンス・ベッドでずっと寝ています・・・。


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