迷宮映画館へのご招待(序)

2012-05-19 11:11:11 | 映画&ドラマ


 「とシアター」前面。画面を引き締めるため、シネスコ用のラシャ布で上下を覆っています。
 上側は、シネスコ用と1.66&1.78のビスタサイズ用の目隠し布を作り、上映するたびにマジックテープで枠に貼り換えていました。下側は床から立ち上げたバーにスクリーンのサイズに合わせてフックをつけ、ラシャ布をのれん状に渡したものをフックにかけてマスクをします。十年前に手芸専門店で布を買い、工作を施しました。バーなどは見えないように黒い塗料を塗っています。技術家庭の苦手な自分がここまでやったのだから、今思うと凄い情熱ですね・・・。余ったラシャ布は、反射した光が床に映り込まないよう吸音材代わりの絨毯の上に敷きました。ネコの抜け毛だらけになるので(どういうわけかこの上が好きで、久しぶりに敷いたら早速ゴロゴロしてました)、普段はたたんでいます。
 スピーカーのサランネットも、久しぶりに外してみました。以前紹介したように、フレディの爪跡のようなひっかき傷をネコにつけられ、時すでに遅しだったのですが、天井裏からネットをひっぱりだしました。今やネットはボロボロになってしまい、予備が必要かもしれません。悲惨というかユニークというか・・・。このスピーカーは一生モノだから良しとましょう。ウーハーの高さが綺麗に揃っているのがわかりますか? 左右の重量級スピーカースタンド(部屋ができたとき、友人と中空部に砂を入れたのも良い思い出です)を設計したのは、名高いオーディオビジュアル評論家のO氏。スタンドの空間には、吸音材の代わりに座布団を敷きました。センタースピーカーと昇降式(手前と横のハンドルを回す)のセンタースタンドは同氏から譲り受けたものです。
 左右に作ったラックは、淘汰されながら八年ぐらいでほぼ満杯に達しました。数えたことはないのすが、CDが50枚×10枠=500枚、DVDが35本×70枠=2450本ぐらいかなあ? ブルーレイ作品はまだ18本です。こちらのお師匠さんは「映画番長」とも呼ばれているH氏。淀川さん以上に見ているでしょう。O&Hがタッグを組んだ視聴会には行列ができたものです(今もできますが、思い出として・・・)。その他、シアター部屋に携わってくれた凄い人々については、折を見て綴っていこうと思います。

 題名の「迷宮映画館」は、名画座スタイルを踏襲して週替わりに家庭劇場「と・シアター」にて上映した映画についてのコラムです。筆者のこだわりのみで上映される映画ですので、(今までのレビューも似たようなものですが)「こだわり映画館」と呼ぶつもりでしたが、記念すべき最初の作品が『ラビリンス 魔王の迷宮』だったことと、半世紀近くも(それこそ)映画の迷宮から出られないというか、出ようとしないニワトリさんに相応しいのでは?との思いから、「迷宮映画館」と名付けることにしました。
 パッケージソフトのクオリティについて言及することもあると思われるので、使用機材について一応表記しておきましょう。
 
プロジェクター         SONY VPH-G90
スクリーン            Stewart スノーマット100/100インチ4対3(2032×1534mm)
BR/ SACDプレーヤー   OPPO BDP-93 XE
BRレコーダー         SONY  BDZ-AT950W
CD/DVDプレーヤー     AYRE D1(故障中)
アナログプレーヤー     DEON DPー300F
コントロールアンプ      ONKYO PR-SC5509
パワーアンプ         JEF ROWRAND M-102×3台(FR/FL.C.RR/RL) 
スピーカー           PMC MB1×5本

 今のところ、シネマスコープ作品ばかり見ています。『ザ・ディープ』で、ジャクリーン・ビセットが横長のスクリーンいっぱいに映しだされたとき(『素直な悪女』のブリジット・バルドーが先駆けたアングル)、シネマスコープ作品の「とりこ」になってしまいました。こりゃいいわ!
 今のスクリーンだと、4:3のスタンダード作品のDVDを上映した場合、画面いっぱいに映し出されるのは結構だけれどフィルム感が損なわれて「電子映像」ぽくなる一長一短があり、2.35:1 という横長シネマスコープ作品のDVDになると、いかんせん画面が小さいのと(面積だと半分以下)、ソフトによっては解像度が著しく低下してしまうため(滅多になくなったけれど、例えば大好きな『まぼろしの市街戦』や『スペースバンパイア』はシネマスコープのレターボックス収録なのです・・・)、スクイーズ収録されたビスタサイズのDVDソフトがもっとも「映画らしかった」のですが、ブルーレイ化によってシネマスコープ作品が映えるようになりました。ついでに、池玲子姐さん(米国盤高画質DVD)をシネスコで観たのですが、こりゃあたまらん!
 試しにリモコンで投影サイズを変えてみたところ、もう少し画面を大きくしても解像感は損なわれず、ビセット嬢がより魅力的にスクリーンに映し出されました。これを観てしまったら、もう後に戻れない? 横幅2350mm(までがスピーカーとかぶらないサイズかな?)のシネスコスクリーンを即入れたくなりました。
 シネスコスクリーンにした場合、ビスタ&スタンダード作品については今までよりも小さな画面で観ることになってしまうのですが、そうした方が統一感が出てくるし(固定画素プロジェクターを使っている方はズーム機能を使ってシネスコ対応させていますよね)、スクリーンが小さくなる反面スタンダードサイズのDVDの解像度が見かけ上は増すため、これらの作品をあえてブルーレイに買換えなくても(しかもこうした旧作は、極めて有名な作品を除いてなかなかブルーレイ化されない)いけそうな気がしてきたのです。

 先日、解像度が明らかに劣るスタンダード作品(1953年以前の映画は全て)のDVDをリアスピーカーから外れるくらい離れた距離で観たところ、電子映像ではなく「フィルム」ぽく見えました。フィルムの粒状感を残しているクライテリオンのDVD(『恐怖の足跡』)だと、何ら遜色のない素晴らしい絵が出ているではありませんか!
 「とシアター」では部屋の最後部にベッドがあります。十年前に部屋ができたとき、ベッドの上から映画を見たこともあったのですが、久しぶりに「それも悪くないな」と思いました。スタンダード作品の大半がモノラル音声なので、コントロールアンプの「ピュア・オーディオ」ボタンを押してフロント2本だけで視聴すれば、最新のブルーレイにも劣らない感じで寝ながら?映画を観られます(試したのは、『三つ数えろ!』からハンフリー・ボガートとローレン・バコールが最初に出会うシーンと、『ローラ殺人事件』『天国は待っている』からジーン・ティアニーのモノクロ&テクニカラー映像)。視聴位置は、12畳と6畳を仕切るあたりがベストでしょうか。大量のソフトが映画館を凌駕するクオリティで観られるのならば、ブルーレイに対応した以上にリニューアルした甲斐があったというもの! いや~、映画ってほんとにいいですね!
 となれば、100インチのシネスコスクリーン(2337×991mm)に実質サイズダウンしないで、サイズダウンをスタンダードのみにとどめ(120インチの4:3は必要ないでしょう)、16対9の110インチスクリーン(2435×1370mm)にすれば、視聴位置を変えることで映画ソフトを同じ画角で楽しめそうです。価格の面ではどちらの方が安く収まるのでしょうか? 面積だけを考えると、シネスコスクリーンの方が安そうだけど・・・。スクリーンの張替えに伴いプロジェクターも吊り直さなければならないので二年ぐらい貯金しないと改装できないでしょうが、トライする価値はありそうです。
 というわけで、相変わらず「アリとキリギリス」のキリギリスから抜け出せそうもないのですが、働き甲斐もUPしたということで・・・?


(左)前モデル「1292」から吊り換わった最後の超弩級三管プロジェクター「G90」。十年前は夢のまた夢だった機械を手に入れてしまいました・・・。固定画素のデジタルプロジェクター時代になったとはいえ、「映画再生」となるとアナログ9インチ管に勝るものはないかも? 一見しただけでは変わったことがわからないので、父には内緒・・・。
(右)デジタル化されて一新された再生機器。OPPO は、ラックの右側中&下段に納まっている D1 の十分の一以下の値段なのに、同じクオリティの絵を出してくれています。十年間の歳月を感じました。コントロールアンプの性格もあるのかもしれませんが(エージングもまだまだだし)、CD再生の音色が D1 と若干異なるので、現在故障中の D1 も修理するつもり。こちらの期待としては、DVD再生時に「やっぱりエアーだよな~」となって欲しいのですが・・・。

 今日は午後から映画館の迷宮へ行ってきます。観るのはバートン&ジョニデの『ダークシャドウ』と、知る人ぞ知るアレクサンダー・ペインの『ファミリー・ツリー』。うっしし~♪


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