『ゲゲゲの女房』(第14週) ~女の道は・・・

2010-07-04 23:46:20 | 連続テレビ小説

 東京オリンピックの開催式(10月10日の体育の日ですね・・・)は見事な秋晴れだったそうですが(残念ながらニワトリさんは、オリンピックの記憶がない)、こみち書房の三人が、その日に旅立っていきました。
 『ゲゲゲの女房』(第14週)は、土曜日に涙腺崩壊された方も沢山いたと思いますが(布美枝の作った金メダルがあそこで使われるとはね・・・)、松坂さんに佐々木さんといえば、大河ドラマ『篤姫』で重要な役どころを演じていたおふた方でした。篤姫を演じたあおいさんは、いよいよ大女優の風格が出てきましたが、あれからもう二年が過ぎてしまったんですね~。『ゲゲゲの女房』でも、主役の二人を暖かく支えてくれていました。そんなお二人にもうお目にかかれないとしたらとても残念で、そちらの方面でも目頭が熱くなりました。そうそう、大女優と言えば、若い頃の松坂さんは、それはそれは美しい人でしたが(今はどちらかというと、肝っ玉母さんだけど)、若い視聴者はご存知なのかしら?
 個人的には、大河ドラマ『国盗り物語』で信長の妻の濃姫を演じた頃から松坂さんの大ファンになりました(このとき光秀の妻を演じた中野良子さんと、『気まぐれ天使』の酒井和歌子さん。若尾文子さんと岩下志麻さんを別格とすれば、この三人が突出していたかも)。主題歌も歌った『水中花』のバニーガール姿が話題になりましたが、現在放送中の大河ドラマ『龍馬伝』で山内容堂役を怪演している近藤正臣さんと共演した『今はバラ色が好き』をイチ押しします(この二人は『水中花』でも共演しています)。松坂さん、とても素敵でした。

 重箱の隅をつつくような話題かもしれませんが、第14週では寺山修司さんの名前が実名で登場しました。その一方で、同時代的に漫画を文化にまで押し上げた雑誌『ガロ』が『ゼタ』に変わり、水木さんと同じくらい重要な白土三平やつげ義春といった人々の名が全く出てこないのは、どうにも違和感を覚えました。手塚治虫や石ノ森章太郎、赤塚不二夫や藤子不二雄の名前も出てきません。著作権や肖像権にひっかかるのかもしれませんが、そうだとしてもちょっと残念ですね。

 第14週では、茂の重要なひと言が問いかけに答える形で披露されました。「生きている人間には同情せんのです」「戦争で死んだ人間が一番可哀相だと思うから」
 この言葉の根底には、「生きているだけで素晴らしい」という率直な生命賛歌があるのですが、なかなかそう思えないのが現実であり、よくよく考えれば人生とは、釈迦が出家したように苦に満ちているのかもしれません。にもかかわらず、私は水木さんの意見に賛成で、生とは善ではないかと考えます(他の命を奪うことで生きているわけだから悪とも言えますが)。「生きていることが素晴らしい」と思えるような「生」を生きたいものです。