『鉄塔武蔵野線』という名の小説&映画をご存知でしょうか?
「鉄塔調査隊」のHPはこちらをクリック 今からもう9年前の真夏の真昼間、題名の『鉄塔武蔵野線』という響きが気に入って、暑さと仕事から逃れるように冷房の効いた「テアトル新宿」に潜り込んだ。 小学六年の夏休み、二学期には九州へ転校することが決まっている少年は、近所の鉄塔に「武蔵野線71」という番号プレートが張られていることに気づく。
「鉄塔の番号を遡って、1号鉄塔まで行ってみたい!」二つ年下の友達と「鉄塔調査隊」を結成し大冒険の旅が始まった。真夏の太陽が照りつける畑を、蝉の声が降る森を自転車で駆け抜け、川を渡り、遙か彼方の1号鉄塔を目指して、二人は一基ずつ鉄塔を走破していく・・・ 映画の感想はひとことで言えば、「見るより、経験したかった!」目の前に、格好の鉄塔がそびえたっていたからだ。「何で鉄塔があることに気がつかなかったんだろう」
「鉄塔武蔵野線」は、埼玉県日高市から東京都保谷市を結ぶ全長28.1km(総鉄塔数81基)の送電線だ。近所にJR武蔵野線が走っているから、目の前の送電線がもしかすると「鉄塔武蔵野線」ではないかと思い、ワクワクしながら帰りがけに確めたのだが、残念ながら「鉄塔武蔵野線」ではなく「鉄塔国分寺線」だった。 というわけで、9年越しに「鉄塔国分寺線」を1号鉄塔まで遡る旅に出よう!近所の鉄塔は23号鉄塔なので、2時間もあれば1号鉄塔に着くだろう。昼寝も済ませて陽も傾きかけた16時頃、半ズボンにTシャツのいでたちで、デジカメと手ぬぐいを手に、トシ子はママチャリに跨った。