純情きらり(150)

2006-09-23 21:41:39 | 連続テレビ小説

 昨日、これだけは書こうと思って忘れてしまったのですが、
「おめでとうございます」と看護婦さんに言われて、
 うなずく達彦にかぶるように流れてきた音楽は、
(「Tに捧ぐ」じゃなくて・・・)当然「一番星」だったわけです。


 フレディ・マサの登場で覚悟はしていたものの、達彦さんの口から病気を告げられると、やはりショックです。こうなったら、本気で脚本家の「デスノート」を奪いに行きますっ!

 でも、まあ、「きらりの方程式」から、幸福の後に必ず不幸が訪れることは百も承知なので、この程度の告知ではトシ子は驚きません。まさか、ヒロインの生死の行方で最終週を引っぱるとは思いもしませんでしたが、「これだけ材料は出してあげるから、あとはご自由にお考え下さい」とでも言いたげな予告編(ナレーションはありませんでしたネ)を細かく検証すると、

①冬吾達の展覧会に車椅子で訪れる桜子。八州治達が桜子を元気づける。
②子供を生むことを決意する桜子。医者の平田満に、力強く「私は死にません」
③橋の欄干に登った冬吾、月(桜子?)に手を伸ばしたとき、桜子の声。
 「冬吾さん、また逃げるの?」次の瞬間「あっ?」・・・間抜けだけど何これ?
④担架で運ばれる冬吾に、笛子の絶叫「冬吾!冬吾~!」えっ?
 (原案だと、冬吾は痴情のもつれで死んでしまうとか・・・)
⑤病室の桜子。桜の花びらがひらひらと部屋に飛び込んでくる。
⑥赤ちゃんを抱く達彦と(多分)磯の頭。
⑦襖?に映し出された赤ちゃんの8ミリフィルムを横たわりながら見つめる桜子。
⑧子供の顔のクローズアップと、頭を撫でるよう伸ばされる手。
⑨有森家の中庭。縁側に鈴村と勇太郎、笛子と杏子、達彦と磯、中庭に桜子と冬吾。
⑩そのまま空を見上げる桜子のクローズアップ。
*⑤~⑨間に桜子のナレーション「お母さんの人生には素敵なことが山のようにあった。輝きのない人生なんかない。寂しいときはピアノを弾いてごらん」

 時系列に並んでいれば一応大団円なのですが、⑨では子供の姿が全く見られないのはなぜ? 勇太郎や磯がいることを考えると、展覧会の頃か? 皆で何を見上げているのだろう? まるで、最後の言葉か遺書のように聞こえる桜子の台詞も大いに気になるが、達彦さんも遺書を書きながら生還したことだし、良い方向でのサプライズへの伏線と取りたい。さらにトシ子は、「スタパ」に出演したときの達彦さんの台詞が気になる。達彦=福士さんはこう言った。

「全てキヨシが鍵を握っています」
『第三の男』のハリー・ライムは闇で手に入れたペニシリンをさらに水で薄めて病院に売りさばいていましたが、成金キヨシがGHQからペニシリンやストレプトマイシンを手に入れて、空気の澄んだ高地で出産後静養治療中の桜子を助けるというのはどうでしょう? 
 赤ちゃんを膝に乗せ、「寂しいときはピアノを弾いてごらん」の言葉どおり、ピアノを弾いている達彦の元に、今度は桜子が帰ってきたところで「終」の文字がかぶる、というエンディングでまとめて欲しい・・・
(でも、二日後「スタパ」に出演した井坂さんの「キヨシのせいにするな」も、気になる・・・キヨシが薬を手に入れられなくて・・・)

「案ずるより生むが易し」とも言うし、泣いても笑っても怒っても嘆いても、あと六日間で『純情きらり』とはお別れだから、心して一日一日を迎えようと思います。

 それにしても、いくら「何もなさずに一生を終える女の“人生そのものの輝き”を描きたかった」といっても、演奏会もあっさり中止ですか・・・斉藤先生を登場させるための撒き餌だったら、怒りますよ!

 その斉藤先生が「山長」を訪ねてきて、全身ダンボの耳と化してた達彦さんが可愛かったですね。斉藤先生も全然変わっていなくて・・・
「ご結婚は?」と、かつての婚約者(といってもまだ子供だったのに)に訊かれて、「面目ない」と頭を下げたり、笛子+磯という素晴らしいお嫁さんの尻に敷かれて幸せな様子とか(そっか、あの帽子まだ持っていたんだ・・・)、短い時間でしたが充実してました。そしてその後、達彦さんの優しさには本当に頭が下がります。
(一日二時間の約束を、三時間まで我慢する様子も微笑ましかったけれど、「俺がもっと早く気づいていれば・・・」には本当に泣かされますね~)

PS.
赤ちゃんを抱く達彦さんの姿に、昨日の手を握りながら「よかったな」と話しかけた姿や、何度も何度も「桜子」と呼びかける姿以上に、胸がキュンとなった女性の方がたくさんたくさんいたことでしょう。本当にいい表情でした!