純情きらり(135)

2006-09-06 10:52:17 | 連続テレビ小説
冒頭のcafe〈マルセイユ〉。私が昨晩夜遅く幻視したのは、正にこの光景でした。
「ついにトシ子も、杏子さんに負けない予知能力を身につけたぞ」と喜んだのですが、念のために第134回の最後のシーンを見たら、全く同じ映像でした。やっぱり、あれは疲れていたせいだったのか・・・

それにしても、ここまで来て待たせるのですね。待つのはぜんぜん苦じゃないけれど、今日もこのまま「陸軍さん、そこ閉めとくれ」だけで終わってしまったら、どうしようかとハラハラしました(今日は足、明日はうなじ・・・この調子で土曜日まで引っぱったら、「横溝正史」映画か、コントです)。

で、冗談で済まされないのが、キヨシ。腰ぎんちゃく二人が無事だったのは意外でしたが(今だから言えるが、もしも彼らがグアム&サイパンで全滅した豊橋歩兵18&118連隊に所属してたら、三人が三人共生き残れる筈がない)、何で「山長」に戻っとらんの? 
実は、間違って読んでしまった新聞の「あらすじ」で、キヨシの「変心」を知りました。昔も「闇大豆」に手を出したことだし、そちらのルートは詳しいのかもしれませんし、痛い目にあったあげく改心して「山長」に戻るのかもしれませんが(その橋渡しをする人は・・・)、キヨシが出征したとき、仙吉との別れの会話に涙した者としては、慙愧の念に耐えません。

「オレ、必ず、お国のために役立ってまいります」
「お前みたいなおっちょこちょいが、お国の役に立つか!」
「お前の役立つ場所は、ここなんだ!」
「必ず、生きて戻って来い!」

キヨシの「純きら」度も書き換えないと・・・脚本家の方は、人の心の移り変わりを描くのが本当に好きなんですね・・・人間不信になりそう。

サザエさんのキヨシに対する「だいたい、品がないじゃんね~。こんなお金で人を押し倒すようなやり方!」という五十歩百歩な発言に、鈴村の「えっ?」「いえ、何でも・・・」。小物らしい正義感に好感度さらに上昇です(幸ちゃん、チョコレート食べて幸せそう・・・)。でも翌朝、桜子さんについて全てお見通しだったのは、さすがヘラ=笛子でしたね。
かねさんの声と「花嫁衣裳」も、新生・桜子さんを祝ってくれました。後は、二人がどこで再会するか? 待ちましょう。

ところで、昨日とは一転してシャーマン化した杏子さんですが、笛子にもう一人生まれるのはともかく(実は、笛子と冬吾の仲が、絵が売れたことでぎくしゃくしていないか気がかりです。それに杏子さん自身はどうなの?)、達彦さんが「蟻んこ」ですか・・・。夢の中身が予告編どおりだっただけに、詰めの甘さが気になります。だいたいですよ、それだけ未来を予言できるのに、どーして鈴村の話だけで「達彦さんは死んだ」って決めつけたの? また愚痴が・・・

思い出の曲「愛の夢」が流れる中、つむじ風が〈山長〉の店先を吹き抜け、砂ぼこりと共に、ついにあの人が戻ってきました。神がかり的に現れてタネに背中を向けている人物は味噌蔵へ向かいますが、この描写、まるでクリント・イーストウッドが若い頃に撮ったイタリア製西部劇みたいで(監督作の『荒野のストレンジャー』で彼が演じた名無しのガンマンは、何と「死人」でした!)、違和感を感じた人もいるでしょうが、私は大いに気に入りました。

ピアノが止まり、そして・・・決定的瞬間が訪れます。
再開と抱擁。達彦が浮かべている表情に鳥肌が立ちました。この場面にもはや言葉は必要ありませんね。本当は「純情きらり」のテーマ曲も要らなかったのですが、主人公の帰還でドラマが王道に戻ったことを、全国的に知らせたかったのかもしれません。
(「スタパ」の後もUPするかも。それまで朝寝かな?)