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台湾回顧録(その3)
ありゃあ、ナンですかね?
取引先の董事長の車で日本人駐在と一緒に、桃園からさらに郊外に食事に向かう途中。
道端で売っている青い実に赤っぽい練物をちょんと乗っけたようなものが、ガラスケースの中に売られている。
ま、それにこういう道端グッズの販売はおばちゃんと決まっているのに、どうにもセクシーな格好をしたうら若い女性が売っているのを見て、不思議に思っていた。
「あれかい?あれは椰榔だよ。」
「何するんです?」
「ガムみたいにぐちゃぐちゃ噛むのさ。」
「ああ、じゃあ、地面に茶色のが吐きちらかされてる、あれですか?」
「そうそう。昔の労働者、トラックの運転手だとかね。タクシーの運転手なんかもダッシュボードに置いてたよ。」
「うまいんですか?」
「うーん、日本人の中にも結構はまってた奴はいたようだけれど、あんまいおいしいもんじゃあないね。」
「そうですか。」
「ただ、眠気醒ましには利くみたいだよ。」
「買いに行ってお嬢さんを見て、眠気が醒めてたりして。」
「スタンドだけじゃあなくて、郊外なんかに行くと店になってるところが沢山ある。昔は疲れナントカにも対応してたようだけど、今はどうなのかなあ?」
「てえと、あのお嬢さん達が裏で相手してくれるわけですか。」
「ん。そう聞いた。ほんのちょんの間でね。一人ピンサロみたいなもんじゃないか?」
「へええ・・・」
「相変わらず、買っている偉いさんもいるらしいよ。」
「若い頃の味覚ってやつですね。ベビーラーメンみたいなもんですね。」
「たーさん、ベビーラーメンと一緒にすんなよ。」
「椰榔の話ですか?」車を運転してくれている董事長が話しかける。
「ええ。」
「昔はよく買ってましたよ。」
「董事長がですか?」
「ええ、まだマスクをしてバイクで仕事に行っていた時分にね。働き通しで眠くて仕方ないときに。」
「習慣性はあるんですかね?」
「ないと言ったら嘘になる。あの実に塗りつけてあるやつが癖になるのさ。」
「たばこのニコチンみたいなもんですかね?」
「私はたばこを吸わないからわからないが、そんなもんじゃないか?」
「昔はね。あそこの女の子が可愛いとか、チョッと安いなんて理由であちこち仲間と買いに行ったさ。」
「今は?」
「さすがに今はね。でも飲みに行ったときなんかは、無性に噛みたくなったりするよ。」
「なーる。」
「食事のあとで、ちょっと買って試してみますか?」
「面白そうですね。」
食事が終わったあとに、もっともセクシーと思われるお嬢さんのいるお店で6ヶ入りを購入。
道端で早速試してみるが、とても青臭くて噛み続けていられる代物じゃあなかった。董事長はと言えば、懐かしそうに道路の先を見ながら、くちゃくちゃ。そして、口の中に溜まった茶色いつばを器用にピュッと吐き出している。
なんでまた、こんなものを口に入れるようになったのか、今度調べてみよう。
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JKTと言いますと、ホテル周辺に巣食っているチキン、の皆さんでしょうねえ。
鳥インフルエンザならともかく、いろんな病気の媒介となっているようで、曰く、”あのへんのを拾うと、健康の保証はない”そうであります。
JKTあたりで、セクシー物乞いのオネイサンがいるとか、、
年頃のおねいさんが、セクシーな格好で
信号待ちの車に
『晩御飯代頂戴』って・・・・
小額だとケチってののしられるそうです。