アーバンライフの愉しみ

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森まゆみ著「子規の音」

2022年01月10日 | 読書三昧

 

作家、エッセイストで編集者でもある森まゆみさんの労作。新潮文庫533頁。

目の不調から一回の読書量が5~6頁に限られる中、本書の読了に3.5ヶ月を要した。

明治期、俳句と短歌の革新運動に挑み、35歳の若さでこの世を去った正岡子規。

その卓越した創作力と「根アカ」の人生に寄り添いつつ、特に結核性カリエスとの壮絶な闘いに明け暮れた晩年の10年を克明に描ききった評伝は、自ら地元紙「谷中・根津・千駄木」誌を主宰した森さんだからこそなし得た評伝と言えよう。

また、子規は新聞記者でもあり、日清戦争に従軍した。
加えてデスクのような仕事もしていたようで、明治三陸大津波(明治29年6月15日、M8.2、死者21,959人)の際には、いち早く絵心のある記者を現地に派遣し、そのルポを新聞(日本)紙上で特集するなど大活躍したと言う。以下、記事に添えられた句の一部。

 ・ごぼごぼと海鳴る音や五月闇
 ・菖蒲葺いて津波来べしと思ひきや
 ・昼顔にからむ藻屑や波の音
 ・若葉して海神怒る何事ぞ

 

 

 


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