蜘蛛の糸

蜘蛛の巣に、
蜘蛛が掛かっていた。



蜘蛛の巣の主は、
小さな蜘蛛。

かなり大型の足長蜘蛛が引っ掛かっていた。

既に息絶えてる足長を、
どうする事も出来ずに、
小さな蜘蛛は巣の補修をしている。

「なってこったぁ・・・」

そんな呟きが聞こえてきそうだ。

災難は、受け入れるしかない。



突然、身の自由を奪われた足長。

蜘蛛ではあるが、
巣を張る習性の無い彼は”蜘蛛の糸”に抗う事が出来ない。

向こうで、
小さな同類が恨めしそうに見つめている。

「助けてくれ！」

とは叫んではみたが、
どうする事も出来ないって解かってる。



カンダタがしがみついた蜘蛛の糸。

そういやぁ、
蝶に恋した蜘蛛の話ってあったな。


細い細い蜘蛛の糸。

こんなにもか細い糸なんだけど、
後戻り出来ない運命を引き寄せるほどに、
重い。