走行中、携帯が鳴る。
コンビニの駐車場に入り、遣り取り。
ちょっとしたトラブルなんで、
話が長くなる。
コンビニは、その間、
多くのお客様が出入りする。
電話しながら、
それを見ている。
と、
自転車に乗った少年が一人。
買い物帰りと思しきカゴには、
ティシュBOXやら何やら。
彼が自転車を停め、
店内に入るや否や、
一羽の鴉が自転車に停まる。
鴉は、
カゴの中身を物色。
視線を遮るように、
クルマが停まる。
背の高いクルマなんで、
鴉は見えなくなる。
私は、電話に夢中になる。
何分過ぎたろうか。
何台かのクルマが駐車場を出入りした。
少年が店を出てくる。
自転車の脇で、
鴉がスナック菓子の袋をつついている。
それを見つめる少年。
自転車に跨りつつも、
その菓子の袋が気になる。
カゴの中を確認する。
そして、
鴉に目をやる。
頭の良いカラスなのだろう。
カゴの中のスーパーの袋から、
スナック菓子を引っ張り出したのだ。
飛び降りてきたタイミングを見るに、
常習犯なのだろう。
呆然とする少年を残し、
私はクルマを出す。