映画「ラスト・ショー」をご存知の方いらっしゃいますか?「ラスト・ショー」(The Last Picture Show)は1971年のアメリカ映画で、テキサスの小さな町アナリーンの若者を描いた青春映画です。若者が小さな町から都会へ出て行くのは、「アメリカン・グラフィティ」でもお馴染みのパターンですが、「ラスト・ショー」はもっと小さな田舎町が舞台で、その町に唯一ある社交場・映画館が、ジョン・ウェインの「赤い河」の上映を最後に閉館する。その映画館の寂しい風景を思い出すような1枚の写真がこれです。
映画館ではなくパチンコ屋なのですが(笑)
昭和40年頃の阪急電車・宝塚線・蛍池駅前から、国道176号を挟んで「空港センター」を見たものです。1階がパチンコ屋、2階が雀荘。こんな小さな駅にでも、当時はこんな大きなパチンコ屋さんが3軒もありました。ここは蛍池東町ですが、中町、北町にもパチンコ屋はありました。
この空港センターも、隣接する電気屋さんも生命保険営業所も、現在は消え去っています。現在の風景はこちら。
そしてこちらは、昭和56年(1981年)の蛍池駅ホームです。
3100系6連の雲雀丘花屋敷行きの普通列車が蛍池駅に入線している所です。ここは1997年(平成9年)にモノレールが大阪国際空港まで路線を伸ばすまで、空港の最寄り駅でした。ホームは終日賑わいを見せ、駅前からは空港への阪急バスが、引っ切り無しに発着していました。
左背後に写るホテルも、空港へのお客を見込んで建てられたホテルの1つですが、1994年の関西国際空港開港によって、海外路線も発着していた名実共に「国際」であった大阪国際空港から国際線が消え、国内線専用の拠点空港になった為、駅も町も寂れてしまいました。また、謎のS字カーブを持つモノレールを引き入れ、蛍池駅西側を大きく立ち退きさせた無理な駅前再開発も裏目に出ました。
この駅を持つ町を衰退させた原因は、明らかに既得権者や営利団体による人災でした。