「中国鍼灸院」さんで今日頂いた漢詩二つ。
「洞山」
呉炳宇
古傳誓矢穿山過、(古より伝わる誓いの矢は山を穿ちて過ぎ、)
今見洞山在芦屋。(今洞山は芦屋に在るを見る。)
千年歳月逐波逝、(千年の歳月は波を逐いて逝き、)
鬼斧神工奇景出。(鬼斧神工は奇景を出づ。)
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)
誓いばこめた矢が山に穴ば開けたていう古か伝説があるげな
今それが仙洞いうて芦屋にあるげな
千年もかけて波はずーっとぶつかっていってくさ
鬼の斧や神様の技が作ったごとある珍しい景色ば作るとたい
「笑容」
呉炳宇
雨中新竹吐嫩緑、(雨中に新竹は嫩き緑を吐き、)
庭内青梅呑日紅。(庭内に青梅は日を呑んで紅なり。)
不覚東瀛又入夏、(東瀛又夏に入るを覚えず、)
仕我両忘常楽容。(仕我ともに忘れれば常に楽容なり。)
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)
雨ん中で新しい竹は若い緑ば吐いて
庭ん中で青梅は日光ば呑んで紅になるばい
いつんまにかまた日本は夏に入ってしまうばい
仕事も我が都合もどっちも忘れたらいつも笑顔でおれるとたい。
いつもながら深いねぇ。それにしても芦屋にあるこの洞山って見てみたいな。
「千年の波」
誓いの矢 島を穿つと 伝え聞く
我が意通せる 千年の波
蔵
(三島由紀夫風)
安寧と静寂の拠り所である心地よき我が家も、五月の晴れた日曜日には怠惰の気を漲らせた座敷牢に感じられたので、私は妻を誘い人生の行き着く涯、終の棲家の候補地でもあるうきはへと出かけることにした。
それならばと妻は普段から贔屓にしている「正島工房」に寄るために電話で確認をしていたが、連絡がとれなかったようだった。
「正島工房さん、お休みみたいよ。つまんないわ」
私は出かける時には常に携行するPENTAXを準備しながら「それは残念だね」と答えた。
「あなたと出かけるといつもお店が臨時で休みになるわ。不思議ね」
「それも僕の責任かい」
「だっていつもそうよ」
彼女にとっては固くて開かない瓶の蓋から天候の急変まで私の責任だった。
昨日洗車してモスグリーンの輝きを取り戻した車で古賀インターから高速に入りうきはへと向った。鳥栖インターから大分方面へと曲がると広大なパノラマが開ける。空の青さは夏のそれほど濃くはなく、下へいくほど徐々に白を含みながら最後はうきはと久留米の背に立てまわされた六曲一双の屏風のごとき耳納連山の稜線に吸い込まれて終わっていた。わずかな雲はパノラマの端に履き寄せられ、些か強さの増した日差しがふんだんに地に降り注ぐのを阻んではいなかった。あちこちで乾いた麦の穂がまだ冷たさを残す風に物憂げに揺れていた。
杷木インターで高速を下りると、吉井から合所ダムの方角へ山道を登り、覆いかぶさるような様々な濃淡の緑の中をしばらく走った。かなり山奥へと入り込んだところで目的の店「ムスビ」を見つけ、そこで心身ともに癒される昼餉の時を過した。
その後、更に山奥へと進み、スペイン風のハムやソーセージで福岡に名を馳せた「イビサ」で買物をし、吉井の街並みへと戻った。
![](https://www.s-harvest.com/ese/diary2010/pics/0530/01.jpg)
次に私はケーキ屋「ル・シュクル」に車を止めた。ここで新商品のケーキの撮影と味見をし、コーヒーを飲んでしばし憩いの時を持った。新商品のいちごをふんだんに使ったケーキはスポンジとクリームといちごの淡い色の競演が美しく、感嘆のため息を薄く彩色して重ねたような趣きがあった。
妻はショーウィンドーを眺めながらふと小首をかしげた。
「ね、なめらかプリンとミルクプリンはどう違うの?」
もとより私にわかるはずはないので諧謔をもって回答するにしくはないと
「そりゃあなめらかプリンはなめらかで、ミルクプリンはミルクが多いのさ」
と答えると、彼女は「ふふふ、そうね」と端からあてにしてはいないという表情で唇の端に笑みを浮かべた。
「ル・シュクル」を出て「耳納の里」で買物をした後、高速で帰路についた。妻は疲れたのか後部座席で横になっていた。あたかも一人旅のような私の思考は今日の日記の文末に記す一句をひねり出すために、一人薄青い五月の空の光の中へ創造の翼を広げて羽ばたいていった。
「うきは」
緑ます うきはの山の 力かな
蔵
安寧と静寂の拠り所である心地よき我が家も、五月の晴れた日曜日には怠惰の気を漲らせた座敷牢に感じられたので、私は妻を誘い人生の行き着く涯、終の棲家の候補地でもあるうきはへと出かけることにした。
それならばと妻は普段から贔屓にしている「正島工房」に寄るために電話で確認をしていたが、連絡がとれなかったようだった。
「正島工房さん、お休みみたいよ。つまんないわ」
私は出かける時には常に携行するPENTAXを準備しながら「それは残念だね」と答えた。
「あなたと出かけるといつもお店が臨時で休みになるわ。不思議ね」
「それも僕の責任かい」
「だっていつもそうよ」
彼女にとっては固くて開かない瓶の蓋から天候の急変まで私の責任だった。
昨日洗車してモスグリーンの輝きを取り戻した車で古賀インターから高速に入りうきはへと向った。鳥栖インターから大分方面へと曲がると広大なパノラマが開ける。空の青さは夏のそれほど濃くはなく、下へいくほど徐々に白を含みながら最後はうきはと久留米の背に立てまわされた六曲一双の屏風のごとき耳納連山の稜線に吸い込まれて終わっていた。わずかな雲はパノラマの端に履き寄せられ、些か強さの増した日差しがふんだんに地に降り注ぐのを阻んではいなかった。あちこちで乾いた麦の穂がまだ冷たさを残す風に物憂げに揺れていた。
杷木インターで高速を下りると、吉井から合所ダムの方角へ山道を登り、覆いかぶさるような様々な濃淡の緑の中をしばらく走った。かなり山奥へと入り込んだところで目的の店「ムスビ」を見つけ、そこで心身ともに癒される昼餉の時を過した。
その後、更に山奥へと進み、スペイン風のハムやソーセージで福岡に名を馳せた「イビサ」で買物をし、吉井の街並みへと戻った。
![](https://www.s-harvest.com/ese/diary2010/pics/0530/01.jpg)
次に私はケーキ屋「ル・シュクル」に車を止めた。ここで新商品のケーキの撮影と味見をし、コーヒーを飲んでしばし憩いの時を持った。新商品のいちごをふんだんに使ったケーキはスポンジとクリームといちごの淡い色の競演が美しく、感嘆のため息を薄く彩色して重ねたような趣きがあった。
妻はショーウィンドーを眺めながらふと小首をかしげた。
「ね、なめらかプリンとミルクプリンはどう違うの?」
もとより私にわかるはずはないので諧謔をもって回答するにしくはないと
「そりゃあなめらかプリンはなめらかで、ミルクプリンはミルクが多いのさ」
と答えると、彼女は「ふふふ、そうね」と端からあてにしてはいないという表情で唇の端に笑みを浮かべた。
「ル・シュクル」を出て「耳納の里」で買物をした後、高速で帰路についた。妻は疲れたのか後部座席で横になっていた。あたかも一人旅のような私の思考は今日の日記の文末に記す一句をひねり出すために、一人薄青い五月の空の光の中へ創造の翼を広げて羽ばたいていった。
「うきは」
緑ます うきはの山の 力かな
蔵
それにしても今日はビックリしたなぁ。なにげにリカちゃん走らせてて、ふと温度計を見るとHで振り切ってるし!慌ててコンビニの駐車場に止めた。「太田自動車鈑金」さんに電話して指示を仰いだ。とりあえずは近くのスタンドでラジエーターを見てもらったが、水はちゃんと入ってる。どうも大ごとの予感。温度を上げないようにだましながら走ってトヨタカローラへ。どうもウォーターポンプが怪しいとのこと。修理見積を貰ってその金額にビックリ。なんとしてでも太田さんに頼まなければ!
やっぱりなぁ。217,000kmも走ってりゃどこか壊れるわなぁ。そろそろお別れなのかなぁ。走りは極めて快調なんだがなぁ。
「赤兎馬」
6速の 赤兎馬もはや 我が相棒
蔵
やっぱりなぁ。217,000kmも走ってりゃどこか壊れるわなぁ。そろそろお別れなのかなぁ。走りは極めて快調なんだがなぁ。
「赤兎馬」
6速の 赤兎馬もはや 我が相棒
蔵
なんで今になって寒い?どーゆーこと?姫はヒーターをつけている。季節めちゃくちゃや。
家がすぐ売れると思ったからそれまでは本を買わずに姫の海外文学の蔵書を読むことにしていたが、家が売れないからとうとうそれも全部読んでしまった。しょうがないから虎の子の「豊穣の海」を読むことにする。これは人生で最後に読む本と決めていたが、もう読んでしまおう。他に読むものないし。死に際まで待てんし。これが終わるまでに家売れんかいな。まぁ無理だな。
それにしてもここ数ヶ月でたっぷり海外文学に親しむことができた。トルストイ、ドストエフスキー、ヘミングウェイ、モーム、オーウェル、ブロンテ、モンゴメリ、バーネット、シェイクスピア、スタインベック、シュート、ホイットマン、モラヴィア・・・世の中広いな。いろんな名作があるもんだ。
「アルファホーム」さんの熱帯魚が死んでしまったそうな。もう熱帯魚は飼わないそうで大きな水槽を引き取ってくれる人を捜しているらしい。
( 欲しい人はこちらまで )
![](https://www.s-harvest.com/ese/diary2010/pics/0527/01.jpg)
「寒い」
寒いかも 寝る前悩む ここ数日
蔵
家がすぐ売れると思ったからそれまでは本を買わずに姫の海外文学の蔵書を読むことにしていたが、家が売れないからとうとうそれも全部読んでしまった。しょうがないから虎の子の「豊穣の海」を読むことにする。これは人生で最後に読む本と決めていたが、もう読んでしまおう。他に読むものないし。死に際まで待てんし。これが終わるまでに家売れんかいな。まぁ無理だな。
それにしてもここ数ヶ月でたっぷり海外文学に親しむことができた。トルストイ、ドストエフスキー、ヘミングウェイ、モーム、オーウェル、ブロンテ、モンゴメリ、バーネット、シェイクスピア、スタインベック、シュート、ホイットマン、モラヴィア・・・世の中広いな。いろんな名作があるもんだ。
「アルファホーム」さんの熱帯魚が死んでしまったそうな。もう熱帯魚は飼わないそうで大きな水槽を引き取ってくれる人を捜しているらしい。
( 欲しい人はこちらまで )
![](https://www.s-harvest.com/ese/diary2010/pics/0527/01.jpg)
「寒い」
寒いかも 寝る前悩む ここ数日
蔵
今日の晩飯はワシが作った。といってもペペロンチーノと簡単マッシュドポテトだけ。今日のペペロンチーノは今までで一番うまくアルデンテになった。だが普通の赤唐辛子がなくて黄色いのを使ったもんだから辛い!辛い!姫曰く、黄の時は赤の半分でいいらしい。そして必ず種をとること。幸い種はとっておいたので食べられないほどの辛さではなく、うま辛状態になった。ペペロンチーノに関してはだいぶ自信がついてきた。パスタの基本だからな。これが上手に作れなくては話にならない。あと3回くらい作れば確立されるかな。
「唐辛子」
唐辛子 黄はこれ赤に まさりけり
蔵
「唐辛子」
唐辛子 黄はこれ赤に まさりけり
蔵
「星香園」さんの話では今年のお茶は畑によって明暗が分かれたそうな。霜にやられたところは悲惨なことになっているらしい。静岡あたりが特にひどいらしい。自然を相手にする仕事は気を緩めることもできないわけで、その苦労はワシらの想像の及ぶところではないだろう。幸い「星香園」さんではいいお茶を入手できたらしい。今日味見したがさすがにうまい。やっぱり星野のお茶は最高だ。
久留米の「尾道屋」さんに行ったのでその足で「久留米市民オーケストラ」の定期演奏会を聞きに行った。初めてチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を生で聴いて感動した。戸田弥生さんのバイオリンには本当にしびれた。30分の曲だがあっという間に終わった感じがした。ドボルザークも素晴らしかった。
それにしても今回も盛況だった。満員御礼どころか定員オーバーでワシは一番後ろで立ち見だった。はるか遠方のステージで「古雅書店」の古賀さんが一生懸命演奏されているのが見えた。バイオリンが弾けてオーケストラに参加できるなんてすごいな話だ。オーケストラだと弾きながら音楽の中に浸れる感じがするのだろうか?羨ましい限りだ。
「弦の調べ」
なめらかな 弦の調べに 聞きほれて
立ち見の疲れも 忘れゆくかな
蔵
久留米の「尾道屋」さんに行ったのでその足で「久留米市民オーケストラ」の定期演奏会を聞きに行った。初めてチャイコフスキーのバイオリン協奏曲を生で聴いて感動した。戸田弥生さんのバイオリンには本当にしびれた。30分の曲だがあっという間に終わった感じがした。ドボルザークも素晴らしかった。
それにしても今回も盛況だった。満員御礼どころか定員オーバーでワシは一番後ろで立ち見だった。はるか遠方のステージで「古雅書店」の古賀さんが一生懸命演奏されているのが見えた。バイオリンが弾けてオーケストラに参加できるなんてすごいな話だ。オーケストラだと弾きながら音楽の中に浸れる感じがするのだろうか?羨ましい限りだ。
「弦の調べ」
なめらかな 弦の調べに 聞きほれて
立ち見の疲れも 忘れゆくかな
蔵
韓国の哨戒艇の沈没はやはり北朝鮮の魚雷攻撃なのだろうか?どうもそれで確定されそうな気配だな。事態が一挙に緊迫してきたな。戦争が始まる前の嫌な空気が感じられる。どこかトンキン湾事件を思い出させるものがある。あの時は北ベトナムの哨戒艇がアメリカの駆逐艦に対し魚雷攻撃をしてそこからベトナム戦争が始まったわけだが、同じような展開にならなければいいが。
「生きている間に見たいもの」の一つが「朝鮮半島の統一」だが、これはまた少し遠のいたかもしれない。同じ民族なのに仲良くできないというのは悲しい話だ。
ちなみに他の「生きている間に見たいもの」は、「パレスチナ問題の解決」、「宇宙人の存在確認」、「量子コンピューターの実用化」、「タイヤのない自動車の普及」、「タイムトラベルの実験」、「日本のサッカーワールドカップ優勝」、「F1初の日本人チャンピオン誕生」、「日韓海底トンネル開通」、「ガンやエイズの撲滅」などなど。どれか一つでも見れるといいのだが・・・。
「黄泉の親」
南北で 共に生きれぬ 子らを見て
涙乾かぬ 黄泉の親かな
蔵
「生きている間に見たいもの」の一つが「朝鮮半島の統一」だが、これはまた少し遠のいたかもしれない。同じ民族なのに仲良くできないというのは悲しい話だ。
ちなみに他の「生きている間に見たいもの」は、「パレスチナ問題の解決」、「宇宙人の存在確認」、「量子コンピューターの実用化」、「タイヤのない自動車の普及」、「タイムトラベルの実験」、「日本のサッカーワールドカップ優勝」、「F1初の日本人チャンピオン誕生」、「日韓海底トンネル開通」、「ガンやエイズの撲滅」などなど。どれか一つでも見れるといいのだが・・・。
「黄泉の親」
南北で 共に生きれぬ 子らを見て
涙乾かぬ 黄泉の親かな
蔵
毎日どうしてこんなに眠たいのだろうか?脳の働きが衰え始めているのではないだろうか?客先をまわる時にちょっと時間が早かったりすると車を止めて本を読むが、ものの2分くらいでもう夢を見ている。は!っと起きると10分ほど寝てたりする。不思議なことに寝すぎて遅刻するということはない。いつもちょうどいいタイミングで目が覚める。
あぁもし活字を読んでも眠くならないならもっとたくさん本が読めるのに!ベッドに入っても2分くらいで寝てしまう。2時間くらい続けて読める身体になりたい・・・。
日本の名作、世界の名作、まだまだ読んでないのが山ほどある。仮にあと40年生きるとしても全部読むのは間に合わない。読みたくないもの読んでる暇はないな。優先順位をつけて読まないと。
姫の蔵書の海外文学もかなり読んだ。そろそろ日本人に戻ろうかとも思うが、ブロッホ、ジャン・ジュネ、ダンテ、フォークナー、バージニア・ウルフあたりにも惹かれる。文学はたまらんなぁ。やめれんなぁ。
「田」
稲と水 田の面(も)は若く うすみどり
蔵
あぁもし活字を読んでも眠くならないならもっとたくさん本が読めるのに!ベッドに入っても2分くらいで寝てしまう。2時間くらい続けて読める身体になりたい・・・。
日本の名作、世界の名作、まだまだ読んでないのが山ほどある。仮にあと40年生きるとしても全部読むのは間に合わない。読みたくないもの読んでる暇はないな。優先順位をつけて読まないと。
姫の蔵書の海外文学もかなり読んだ。そろそろ日本人に戻ろうかとも思うが、ブロッホ、ジャン・ジュネ、ダンテ、フォークナー、バージニア・ウルフあたりにも惹かれる。文学はたまらんなぁ。やめれんなぁ。
「田」
稲と水 田の面(も)は若く うすみどり
蔵
昨日のショックをひきずったまま「中国鍼灸院」さんで鍼治療。呉先生は、「具体的なアドバイスは参考にするヨ。抽象的な批評は無視していいヨ」と励ましてくれた。いつもながら簡潔で適確なアドバイス。なるほどそれでいいんだな。
先生は蘭と雛草の鉢を治療する部屋に吊って飾っている。それがなんとも愛らしい姿で心和ますものがあった。先生はそれをテーマに詩を作られていた。
「蘭草」
呉炳宇
吊蘭雛草懸空美、(吊蘭、雛草、空に懸けて美しく、)
土少葉茂姿万千。(土少なくして葉茂り姿万千なり。)
雖無嬌花贈権貴、(権貴に贈る嬌花無きと雖も、)
確有清廉留人間。(確かに人間に清廉留むあり。)
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)
吊蘭とか雛草ば空にかけとったらきれいかばい
土は少のうしてん葉は茂っていろんな姿になるばい
えらか人たちに贈るすごか花はなかばってん
ちゃーんときれいな心は持っとるばい
いつもすごいが今日のはまた先生の傑作のような気がする。
「雛草」
たおやかな 雛草我に微笑まん
前に進めと ささやくごとく
蔵
先生は蘭と雛草の鉢を治療する部屋に吊って飾っている。それがなんとも愛らしい姿で心和ますものがあった。先生はそれをテーマに詩を作られていた。
「蘭草」
呉炳宇
吊蘭雛草懸空美、(吊蘭、雛草、空に懸けて美しく、)
土少葉茂姿万千。(土少なくして葉茂り姿万千なり。)
雖無嬌花贈権貴、(権貴に贈る嬌花無きと雖も、)
確有清廉留人間。(確かに人間に清廉留むあり。)
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)
吊蘭とか雛草ば空にかけとったらきれいかばい
土は少のうしてん葉は茂っていろんな姿になるばい
えらか人たちに贈るすごか花はなかばってん
ちゃーんときれいな心は持っとるばい
いつもすごいが今日のはまた先生の傑作のような気がする。
「雛草」
たおやかな 雛草我に微笑まん
前に進めと ささやくごとく
蔵