「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
宅建
「住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。店長の后様が女官のF井にこう申されておりました。
「けふはひとつ宅建のお勉強をいたしませう。”納豆と五丁”と覚えなさい」
「それはなんでございませう」
F井は不思議そうな様子をしておりました。
「納豆の”な”は名簿の名(な)です。納豆の”とう”は十です。従業員名簿は十年保管しなければいけないといふことです」
「初めてうかがいます」
「五丁の”ご”は五年の五です。”ちょう”は帳簿の帳(ちょう)です。帳簿は五年保管しなければいけないといふことです」
「存知あげませんでした」
「もうすぐ試験といふのにさういふことでどうします。それでは次、”名古屋の兄ちゃん”」
「名古屋の兄ちゃんでございますか?」
「そう。名古屋の”なご”は七と五。流通機構への登録は専任媒介では七日以内、専属専任媒介では五日以内といふことです」
「兄ちゃんはなんでございませう?」
「兄ちゃんの”にい”は二と一。売主への報告は専任媒介では二週間に一回、専属専任媒介では一週間に一回といふことです」
F井は着実に知識を積み上げておられる店長の后様のご様子を見て、焦りを覚えているようでございました。
宅建の 受かるか否かは 運なりと
鉛筆ころがす お気楽F井
人の生き様はさまざまでございます。
夜、姫を迎えに空港へ。やっとこれで通常の生活パターンに戻れる。やっぱりなんとなく調子悪いのはリズムが狂ったせいだろうな。それと食べものだ。晩飯の心配しないでいいなんて幸せなことだ。
「語呂あわせ」
語呂あわせ それそのものは 覚えれど
なんのためかを 思い出ださず
蔵
宅建
「住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。店長の后様が女官のF井にこう申されておりました。
「けふはひとつ宅建のお勉強をいたしませう。”納豆と五丁”と覚えなさい」
「それはなんでございませう」
F井は不思議そうな様子をしておりました。
「納豆の”な”は名簿の名(な)です。納豆の”とう”は十です。従業員名簿は十年保管しなければいけないといふことです」
「初めてうかがいます」
「五丁の”ご”は五年の五です。”ちょう”は帳簿の帳(ちょう)です。帳簿は五年保管しなければいけないといふことです」
「存知あげませんでした」
「もうすぐ試験といふのにさういふことでどうします。それでは次、”名古屋の兄ちゃん”」
「名古屋の兄ちゃんでございますか?」
「そう。名古屋の”なご”は七と五。流通機構への登録は専任媒介では七日以内、専属専任媒介では五日以内といふことです」
「兄ちゃんはなんでございませう?」
「兄ちゃんの”にい”は二と一。売主への報告は専任媒介では二週間に一回、専属専任媒介では一週間に一回といふことです」
F井は着実に知識を積み上げておられる店長の后様のご様子を見て、焦りを覚えているようでございました。
宅建の 受かるか否かは 運なりと
鉛筆ころがす お気楽F井
人の生き様はさまざまでございます。
夜、姫を迎えに空港へ。やっとこれで通常の生活パターンに戻れる。やっぱりなんとなく調子悪いのはリズムが狂ったせいだろうな。それと食べものだ。晩飯の心配しないでいいなんて幸せなことだ。
「語呂あわせ」
語呂あわせ それそのものは 覚えれど
なんのためかを 思い出ださず
蔵