兄貴が対馬に帰る途中に我が家に一泊することになり、昼前ぐらいに迎えに行った。兄貴は日記に登場する「雷山千如寺」さんに行きたいというので姪浜の「まことうどん」で昼飯を食べた後、糸島市へと向かった。
今まで「雷山千如寺」さんに案内して感動しない人はいなかったが兄貴も例にもれず、しきりに「すごいねぇ」とうなっていた。恐縮にも和尚さんと奥様の歓迎を受け、いい時間を過ごせたと喜んでいた。
和尚さんの話の中でしきりに「和白バプティスト教会」の黄先生が登場したので、兄貴が会ってみたいというので一度家に帰った後、黄先生宅に挨拶に伺った。兄貴は少しドイツ語が話せるが奥様との会話で久しぶりにドイツ語を使ったと話していた。
日記の登場人物に会えて楽しかったと兄貴は喜んでいた。夜は姫の手料理でささやかな宴。体調を崩しているのであまり酒を勧めれないのが残念だったが、それなりに楽しんでもらえた様子だった。
久しぶりに血を分けた兄弟と酒を飲んで、なんとも感慨深いものがあった。やはり血のつながりは何にも替えがたい。例え世界を敵にまわそうと最後まで味方するのは家族だ。その堅固な城が背後にあることで人は勇躍できるもの。それを実感した一日だった。
「兄」
兄と飲む 酒嬉しくも ほろ苦し
蔵
おばちゃん: | 「今日はみかんがあるよ。あら?こん車見たことあるね。いつも奥さんと買いにきんしゃるやろ?」 |
ワシ: | 「そうです。いつもお世話になります」 |
おばちゃん: | 「今日はみかんがおいしいよ」 |
ワシ: | 「ポンカンはありますか」 |
おばちゃん: | 「ポンカンここ。ポンカンもおいしいよ。みかんはいらんね?」 |
ワシ: | 「みかんですか」 |
おばちゃん: | 「甘いよ。ほれ、1個食べてみらんね」 |
ワシ: | 「ん!うまいすね」 |
おばちゃん: | 「甘かろ?」 |
ワシ: | 「・・・はい。それと玉子を下さい」 |
おばちゃん: | 「玉子どっちにする?こまかとで6個か大きいとで5個」 |
ワシ: | 「小さいので」 |
おばちゃん: | 「こまいとは1個でご飯一膳にちょうどいいよ。ほんなら6個ね。1個おまけしとこ」 |
ワシ: | 「ありがとうございます」 |
おばちゃん: | 「みかんは?」 |
ワシ: | 「えーっと、ポンカン頂けますか?」 |
おばちゃん: | 「ポンカン?はいポンカンね。みかんは?」 |
ワシ: | 「えーっと、みかんは今日は・・・」 |
おばちゃん: | 「ほならポンカンと一緒にみかんもちょっとおまけでいれとこう」 |
ワシ: | 「ありがとうございます!」 |
こういう買物が好きだなー。
「買物」
顔を見て 物買うことの 楽しさよ
蔵
「ピアノコンツェルト」
如月の 夕べはピアノコンツェルト
流れる調べ 肌で聴くかな
蔵
黄先生が言われた言葉を一つ掲載。実に深い言葉だった。
信仰は孤独である
孤独を理解した上で隣に呼びかける
それが宗教である
いつかワシもお二人の次元に達してみたいと思うのだが、まだまだ今のようでは程遠いな。
「両大人」
盃も 器も広き 両大人(たいじん)
今ここにある 時の尊さ
蔵
http://www.youtube.com/watch?v=Gq4ychrRkQA
「Rosanna」 TOTO
All I wanna do when I wake up in the morning is see you eyes
Rosanna, Rosanna
I never thought that a girl like you could ever care for me, Rosanna
All I wanna do in the middle of the evening is hold you tight
Rosanna, Rosanna
I didn't know you were looking for more than I could ever be
Not quite a year since she went away, Rosanna
Now she's gone and I have to say
Meet you all the way, meet you all the way, Rosanna
Meet you all the way, meet you all the way, Rosanna
I can see your face still shining through the window on the other side
Rosanna, Rosanna
I didn't know that a girl like you could make me feel so sad, Rosanna
All I wanna tell you is now you'll never ever have to compromise
Rosanna, Rosanna
I never thought that losing you could ever hurt so bad
Not quite a year since she went away, Rosanna
Now she's gone and I have to say
Meet you all the way, meet you all the way, Rosanna
Meet you all the way, meet you all the way, Rosanna
(以下、えしぇ蔵的博多弁訳)
「ロザーナ」
朝起きたときに俺がしたいこつはくさ おまえの目ば見つめるこつだけたい
ロザーナ ロザーナ
おまんごたよかおなごが俺のこつ想うてくれとるげな 全然考えんかったばい
夜中に俺がしたいこつはくさ おまえば抱きしめるこつだけたい
ロザーナ ロザーナ
おまえのほうが俺を求めとったげな 知らんかったばい
あいつがおらんくなってからまぁだ1年もたたんばい ロザーナ
あいつは行ってしもうたばい おれはほんなこつ言いたかばい
おまえに会いたかばい ほんなこつ会いたかばい ロザーナ
おまえに会いたかばい ほんなこつ会いたかばい ロザーナ
窓のこっち側におまえの顔が映っとるとがまぁだ見えるばい
ロザーナ ロザーナ
おまえんごたおなごが俺ばこげん悲しませるげな 知らんかったばい
俺が今言いたいとは絶対妥協やらして欲しゅうなかちゅうこつだけたい
ロザーナ ロザーナ
おまえば失うこつがこげん苦しいげな 全然考えんかったばい
あいつがおらんくなってからまぁだ1年もたたんばい ロザーナ
あいつは行ってしもうたばい おれはほんなこつ言いたかばい
おまえに会いたかばい ほんなこつ会いたかばい ロザーナ
おまえに会いたかばい ほんなこつ会いたかばい ロザーナ
「TOTO」
如月の 終わりはTOTOの 博多弁
蔵
(ご冥福をお祈り致します。)
「命」
はかなきは 露のごとしと いふなれど
青葉の頃に おもふものなし
蔵
I本さんに勧められたフォークナーやジャン・ジュネも読んでみないといけない。あれやこれは読みたい本のこと考えると人生80年くらいじゃちと足らんな。それにしてもこの世にはなんと名作の多いことか!下らない作品を読んでいる暇はない。生きている間に有名どころは大よそおさえておきたいがとても間に合わんだろうな。
「文学」
文学や 海の向こうも いつの世も
こころふるわす 筆の多さよ
蔵
次は「能」を見てみたい。いいねぇ日本の伝統舞台芸術。日本人なんだから楽しまなければ損だな。
「舞台芸術」
今にして ようやく気づく 尊きは
おのれの国の 舞台芸術
蔵
なんかうちって姫による自家製のものがどんどん増えつつある。パン、ケーキ、クッキー、キムチ、納豆、ヨーグルト、糠漬け、明太子、塩辛・・・自家製っていいもんだな。
「美味」
売り物に あらずは売り物よりうまし
蔵
I本さん: | 「こないだこういう詩の雑誌に投稿したんだよ」 |
ワシ: | 「はい。どうでした?」 |
I本さん: | 「ほれ、ここ。出てるだろ?賞貰ったんだよ」 |
ワシ: | 「えー!すごいじゃないですか!」 |
I本さん: | 「こいつらバカにしてるよ」 |
ワシ: | 「え?なんでですか?」 |
I本さん: | 「最優秀賞じゃなかったからな」 |
ワシ: | 「いやいや、十分すごいですよ(笑)」 |
I本さん: | 「この最優秀の詩読んでみろよ。ダメだよこんなの。俺のほうがすごいって。はははは!」 |
ワシ: | 「いやぁ、それでもすごいですよ。賞とるなんて」 |
I本さん: | 「最近はなんか面白いの読んだか?」 |
ワシ: | 「はい。ヘミングウェイとか読んでます」 |
I本さん: | 「おぉそうか。アメリカ文学ならフォークナーとか読んどくといいぞ」 |
ワシ: | 「フォークナーですか」 |
I本さん: | 「うん。あと、フランス文学のジャン・ジュネは読んだか?」 |
ワシ: | 「いいえ」 |
I本さん: | 「ジャン・ジュネはすごいぞ。窃盗とかいろいろやらかして刑務所に入れられて、刑務所で書いた作品がすごくてな、それを読んだサルトルがびっくりしたんだよ。そして出所してから作家になったやつだ」 |
ワシ: | 「へー!」 |
I本さん: | 「『泥棒日記』とか『ブレストの乱暴者』はすごいぞ」 |
ワシ: | 「読んでみます!」 |
この後、ランボーの詩がなぜすごいかをたっぷり解説して頂いた。
I本さんにはいつもいつも勉強させて頂く。本当にありがたい話だ。
フォークナーやジャン・ジュネも予定にいれといて、とりあえず次はスタインベックといこうかと思う。
「世界の壁」
ワシの知る 文学なんぞ 浅きもの
世界の壁を 見上げておもふ
蔵