ここが百人町のアパートだ。
百人町?おもしろい地名ね。
このあたりに、かつて伊賀組百人鉄砲隊の屋敷があったことから名付けられたらしい。
海坂藩にも鉄砲隊があれば、一発で解決して、あんな刃傷沙汰は起こらなかったかもしれないのにね。
海坂藩?「緒形拳 馬刺し」の話か。
違う、違う。「必死剣 鳥刺し」のこと。緒形拳なんて、死んじゃったし・・・。
そこで今回主役を張るのは豊川悦司。
緒形拳とは関係ないし・・・。
時は江戸。豊川悦司演じる海坂藩の近習頭取は、藩主の愛妾を城中で刺し殺したのに意外にも寛大な処分が下され、一年の閉門後、再び藩主の傍に仕えることになるっていう本格時代劇。
閉門中、彼を慕う姪を演じるのは、池脇千鶴。
やがて二人は恋仲になるんだけど、どうも釣り合いが悪いんだよなあ。「スイートリトルライズ」のときも思ったけど、池脇千鶴っていつまでも童顔すぎておとなの男の相手をするには役不足な感じがしてしょうがない。
そりゃあ、壇れいあたりがやればよかったんでしょうけど、それじゃあ、山田洋次の世界になっちゃうしね。
ああ、山田洋次の時代劇に比べると、今回の映画は、もっと悲壮感たっぷりだった。
基本的には、藩主がアホやから下っ端が苦労するんじゃい、っていう話なんだけどね。
寛大な処分の理由っていうのが、映画のクライマックスに至る謎になっているんだけど、裏にああいうからくりがありそうなことは、再び藩主の傍に仕えることになるっていう時点で、豊川悦司だって薄々気づいてもいいと思うんだけどなあ。
はめられたとはいえ、藩のお偉いさんを殺めちゃったら、相応の処分を受けることくらいわかるはずよね。
まさかこんなすぐに、とは思わなかったのかな。
最初に愛妾を殺したときはたいした処分を受けなかったしね。
殺した理由も明快ではないんだけど、処分もまた寛大だったし。
ところが今度はなんだよ、っていうわけ?
そんなことはないだろうけど、生かすも殺すも、ときの事情でころころ変わる藩の対応に頭に来ちゃったっていうところだろう。
で、最後は壮絶な立ち回りになる。
そのきっかけとなるのが、吉川晃司との一騎討ち。
彼も藩主のやり方には頭に来ていて本来は味方同士になってもいいところ。なのに、立場上、斬り合いをしなくちゃいけなくなっちゃう。その不条理感がもう少し出ていてもよかったな。
刀が柱にひっかかるところなんて、どこかで見たような気がするし・・・。
そもそも、武士の世界なんて、不条理だらけの世界よね。
いちばんの見どころはやっぱり、殺陣の豪快さかな。
豪快というより悲惨に近いけど、所作振る舞いから剣の扱いまで、本格的な時代劇になっていたのは確かよね。
鉄砲隊じゃあ、もっとあっけなくてああいう迫力は見られない。
ラストはやっぱり、情に訴えるんじゃなくて、藩主が新しい愛妾を迎えるシーンで終わってほしかったなあ。
それが池脇千鶴だったら出来すぎか。
怖いこと考えるわねえ、あなたも。
悪い奴ほど世にはばかる、ってね。
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