建物の壁に大きな木の絵なんか描いて、この建物の持ち主、結構ユニークね。
刑務所の面会室の壁に絵を貼るほどユニークじゃないけどな。
キム・ギドク監督の新作「ブレス」の話?
ああ、死刑囚を赤の他人の主婦が訪ねてきて、面会室の壁に春夏秋冬、四季の絵を貼って歌い踊るっていう、腰を抜かすような設定の映画。
それだけ聞くと、キワモノ映画みたいだけど、腐ってもキム・ギドク映画だからね。無視はできないわ。
キム・ギドクって、ほんとに、ふつうの人が考えつかないようなシチュエーションのドラマを次から次へ、よくつくるよな。
それもいよいよ極まってきたって感じもするけどね。
彼の映画って、おもしろいか、つまらないかって言われれば、決しておもしろくはないんだけど、ついつい次回作を観てしまう。そういう意味では、日本映画でいえば、黒沢清みたいな存在なんだけど、それにしたって今回は、とうとうネタも尽きたか、って感じだった。
みどころがあるとすれば、死刑囚役のチャン・チェンの深い孤独を宿した瞳よね。
ほとんど、セリフをしゃべらないだけに、いっそう印象に残るのかもな。
それに対する主婦役のチアが、いかにも生活に疲れた主婦って感じで、映画としては適役なのかもしれないけど、いままでのキム・ギドク映画みたいな華がないのが残念だったわ。
映画全体が地味になってきちゃった。
ひょっとして、資金が集まらなくなって、こういう地味な映画しかできなくなってきちゃったのかしら。
それはそれで、残念な気がするな。世界中探してもいないような監督であることには間違いないんだから。
テーマが“愛と死”っていうのもよくわかるし、あのラストもそうきたか、っていう気はするけど、何か今まで彼の映画を観て来た観客にとっては、もうひとつ突き抜けてほしかったなあ、って気がするのよね。
せっかくの天才が、だんだん、ただの変わり者になっていかないことを祈るばかりだな。
そのためにも、応援は続けなくちゃ。
キム・ギドクには、あの建物の壁くらい大きなキャンバスを用意して、思い切り遊ばせてやりたいね。
期待をこめて、ここにも大きな余白を残しておくわね。以下、余白。
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ふたりが乗ったのは、都バス<都02系統>
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最近の作品と比べると確かに地味ですが、
古いギドクの作品から比べると、そうでもないですよー。
思ってしまいますよね。
でも、やっぱりクセになりますね~。
ギドク監督は( ´艸`)
独特の世界を持っていることはたしかですよね。
「レッドクリフ」みたいな映画を彼に撮らせたら
どんな映画に仕上がるんだろうと
妙なことを想像してしまいました。