後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔150〕祝・ブログ150回。のしお保育園での心温まるチェロコンサートに参加しました。

2017年07月25日 | 語り・演劇・音楽
  30数年前、我が家は狭山市から清瀬市に引っ越してきました。息子は丁度小学1年生、娘が保育園年少の時でした。娘は、公立の保育園の空きがなく、できたばかりの私立の野塩保育園(現在は、のしお保育園)に入園することになったのです。
  入園説明会に参加したとき、当時の園の理事長さんが、「この保育園は健常の子も障害のある子も受け入れます。」と話されていたのが印象に残っています。自由な感じが漂う、とても親しみやすい保育園で、すぐに気に入りました。親として協力できることがあれば何かしようと思い、保護者会の役員に立候補しました。男性役員は会長と広報担当の私だけでした。当時はガリ版を切っての保護者会の会報づくりでした。
  お迎えに行くと子どもたちは裸足でトランプをしたり、走り回っていて、テレビに子守をさせるということはありませんでした。用務の「おっちゃん」が子どもたちには大人気でした。当時としては珍しかったようですが、若くてたくましく長身の男性保育士も働いていました。

  拙著『男の家庭科先生』(1989年)が出版された頃、保護者や保育士を対象の講演会を園で開いてくれました。娘がとっくに卒園してからのことです。
  娘が芸術大学を出たことを知って、連絡帳の手編みの小物入れを注文してくれたこともありました。
  のしお保育園は、清瀬市にもう一園、練馬区にさらに一園、同系列の保育園があります。私に、三園の第3者委員になってほしいという依頼がありました。昨年から就任することになりました。しかしながら、一年以上「苦情」処理というような問題は発生しませんでした。

 2017年7月20日、のしお保育園で約1時間のコンサートが開催されました。チェロを弾く人2人とピアニスト1人のセッションです。
 鎌田愛さんは東京学芸大学の音楽科を出て、トゥールーズの音楽大学に留学したそうです。フランスでフランス人と結婚して3人の子どもを授かりました。パリ在住です。夏休みに3人をつれて日本に帰省したときに、3,4週間、のしお保育園が面倒を見てくれたということです。一番下のノエちゃんは現在小学生ですが、長年のお礼の意味を込めてコンサートを開くことになったということです。ノエちゃんはパリでチェロを習い、賞を取る腕前です。しおりさんは若いプロのチェリストで、チェロを教える先生です。ノエちゃんも生徒のひとりということになります。そしてお母さんの愛さんがピアノを弾きます。

  開演少し前に園に着くことができました。裸足が気持ちいい、清潔で小さなホールです。小学校の教室ほどの広さでしょうか。
  3人が音合わせしている最中に、小さい子たちが入室してきました。みんなお行儀が良くて、話もしないで床に座り込んでいます。正座の子が多いのにはびっくりです。次の子たちから自分の椅子を抱えて入場です。子どもたちが全部で4,50人でしょうか。後ろには10名ほどの大人の席があります。

  園長先生の「初めのことば」が実に穏やかな語りで、すっと心に入ってきます。
 愛さんの曲や楽器の解説を交えての演奏会が始まりました。園児が知っている曲では、自然に子どもたちのからだが揺れてきます。3人のセッションは実に見事でした。
 小さいときにこうした素敵な音楽を聴く機会があるというのはまことに貴重なことです。

 プログラムは以下のとおりです。

*オープニング・トトロのさんぽ(しおり・ノエ)
●ノエのソロで
・シューベルト・鱒
・ポッパー・ガボット
・キュイ・オリエンタル
●ノエとしおりさんのデュオで
・五木の子守歌
・ウェーバー・狩人の歌
・チャイコフスキー・古いフランスの歌
●しおりさんのソロで
・バッハ・無伴奏1番プレリュード
・チャイコフスキー・感傷的なワルツ
・チャイコフスキー・メロディー
・サンサーンス・白鳥
・美女と野獣
*エンディング・星に願いを (しおり・ノエ)


  心地よい調べを耳にしているうち、あっという間にコンサートは終了してしました。
 最後は花束贈呈と、園長先生の終わりのことばでした。
 そうそう、愛さんは、下掲の翻訳もこなしている方です。ルポライターの鎌田慧さん、公代さんの娘さんでもあります。

■『日本、ぼくが愛するその理由は』ジャン=フランソワ・サブレ著、鎌田愛訳、七つ森書館、2007年
〔オビ〕
この本には日本への熱い想いがあふれている。日本社会の理不尽さをも知りつくした、社会学者で日本専門家のジャン=フランソワ・サブレが語る、彼を魅了してやまない日本の人びとの懐の深さと「やさしさ」。(「ル・モンド」日本特派員、フィリップ・ポンス)
からだが心でいっぱいになるラブレター。
私たちがどこかに置いてきてしまった大切なもの。
*ジャン=フランソワ・サブレ
 1946年、フランスのベリー地方に生まれる。フランス国立科学研究庁(CNRS)研究員。パリ人間科学会館(MSH)内アジアネットワーク代表。1990年CNRS日本支部を開設、1996年まで所長。同期間に国営ラジオ、フランス・アンテールの日本特派員も兼任。
*鎌田愛
 1970年、東京生まれ。東京学芸大学教育学部音楽科卒業。1997年、トゥールーズ第2大学大学院音楽学部修士課程修了。2002年、パリ第5大学大学院教育学部修士課程(DEA)修了。同大学院博士課程中退。現在パリ在住。アジアネットワーク勤務。

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