平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

花の描き方~その2

2010-09-04 22:20:50 | Weblog
 どんなに複雑に見えるものでも、分解して構造を知れば、単純な物の集まりだと分かるようになります。デッサンにおける観察とは、その分解して見る行為に他なりません。前回に提示した課題↓ですが、すでに花の構造を説明しているのです。

1.描く花は、花弁が放射状のもの一輪(例えばマーガレットやコスモスなど)
2.それから百合や桔梗のように、六角形か五角形で壺形に咲いているもの一輪
3.それからバラやカーネーションのように花弁が多いもの一輪
4.時間があればリンゴ一個

 最初の課題は、同心円の構造の観察です。2番目は六芒星や五芒星の形に広がる花。3番目はどこから描いて良いか分からない花。しかし、2と3は、1の課題の延長上にあるに過ぎないのです。

 花というか、植物を描くときに一番大事なのは、フィギュアスケートと同じ「軸」です。人間で言えば背骨が軸ですが、花の場合は茎になります。水仙のように首が湾曲して垂れている茎。バラのように葉の方向に緩やかなカーブを描き、葉の上から反対側に逆カーブを描く茎など。この茎の動きがそのまま生命感となります。そして、花の場合、子房や柱頭も含めて軸として見ます。花弁やガクは、この軸から放射状に広がっているのです。

 マーガレットや菊のように花弁が多い花は、この軸から放射状に広がる動きを、最初に補助線として描いておきます。いきなり花弁として描くのではなく、適当にアタリを付ける線なのです。しかし、この時も、葉の葉脈のように花弁の中心軸を想定し、あたかも茎の中心から伸びているかのように描きます。

 実は、花より先に葉を描かせた方が分かりやすいのですが、中心になる葉脈を描き、そこから枝分かれする葉脈を描き、最後に輪郭としての葉が描かれるのです。外側は一番最後。車で言えば、室内空間から先に設計し、ボディのアウトラインは最後に決まる感じです。これを、花弁の一枚一枚で行うわけです。

 2番目の課題は、この「中心から外」を理解していれば簡単です。五弁の桔梗の場合、軸から放射状に花弁の中心線を描き、花弁のアウトラインは最後に決まります。百合の場合も同じですが、どちらにしても五角形や六角形をフリーハンドで描けない人は花を美しく描く事は出来ません。当然、円や楕円もフリーハンドで描くだけの、幾何的造形力は必須です。

 デッサンは科学に近く、理科の成績が優秀ならデッサンは上達します。ただ、立体感や空間という表現が加われば、そこにはテクニックも必要となりますが、肝心なのは分解して単純化する理科的観察眼なのです。

 ここで、今日のまとめ。

1.軸を探し、軸の動きを描く。この時、茎ならば下(根本側)から上に、花弁や葉なら中心から外に線を描く。

2.外側は一番最後。輪郭は最後に決まる。葉脈を描いてから葉の輪郭を探す要領で。

3.上に関連して、形は何本もの線で探すもので、一本の線で決めつけるものではない。輪郭も含め、形を探す線がトーンの一部になる(最後は不必要な線やトーンは消す)。

4.フリーハンドで(様々な方向から見た)幾何図形を描くスキルは絶対に必要。

5.リンゴも五弁の花だから実も五角形の構造。やはり軸(芯)から外に形を探す。

 次回には、もう少し詳しくやりたいですが、参考になる読者の絵がないと、文章だけでは説明が難しいですね。明日から一週間ほど旅行に出ますから、帰ってきてからになります。映像を付けられたら付けます。

      エフライム工房 平御幸
コメント
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