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平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

試みのミカエル 端子位置改良版 +スモール版

2015-07-20 07:17:56 | スピーカー工作
音道図ができたのでとりあえずアップ。板取りはこれから (;^ω^)


裏板上部の86mmは88mmの間違い

21日、追加 奥行きを8mm短くしたスモール版も掲載します (;・∀・)



スモール版の板取り追加 (;´∀`)

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ニホンミツバチの蜜蝋を塗った試みのミカエル

2015-07-09 17:57:41 | スピーカー工作
 金箔ユニットを使った試みのミカエルを完成させました。ユニット交換で金箔ユニットを使ったことがあったのですが、製作段階から金箔ユニットを想定したのは初めてです。


実物は蜜蝋の効果で色が琥珀色に近い黄色っぽい

 今回も色々とトラブルがありましたが、裏板のスピーカー端子が1個不良。裏板に接触する円盤状のフランジが抜けていたのが1個。秋葉原の三栄電波さんで置いているものですが、類似の他のものと違って小振りにできています。試みのミカエルを旅行や遠征にアンプと共に持って行くには、できるだけ外形が小さいほうが良いのです。


1個だけ赤い端子を買い足した



 2つ目のトラブルは、金箔を貼る接着剤がない。読者の誰かに送ったきりで戻っていないのかも。金箔を貼ったユニットは1個しか無いので、もう片チャンネルを完成させるには、前に使った別の試みのミカエルからから外すか、新しく金箔を貼るしかない。金箔を貼ってないユニットは12個あります。

 スピーカーに蜜蝋は相性が良いのですが、今回はニホンミツバチの蜜蝋ワックスを使ってみることにしました。普通の蜜蝋に比べて少し高価ですが、色があまり黄色くないのも特徴です。一缶1000円で、試みのミカエルなら4台は塗れますね。蜜蝋は香りが良いのでお薦めです。

 試みのミカエルと、オールFETミニアンプと、ACアダプタをセットにした遠征パックを考えていますが、肝心のケースを作らないと収納できない。市販のバッグを使ってみて、それから専用ケースを設計してみようと考えています。

 なお、サマーリーグ観戦からの疲労が大きく、夏休みのつもりが夏疲れ orz

    エフライム工房 平御幸
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試みのミカエルのお兄ちゃん

2015-06-26 14:05:59 | スピーカー工作
 コイズミ無線でペア売りしている、AURAの1インチのユニット NSW1-205-8A。随分前に買ったのですが、内付専用でフランジから9mmも出っ張っているので、試みのミカエルには使えませんでした。今回、バッフル厚がちょうど9mmの試みのミカエルのお兄ちゃんに使って試してみました。


サイズは 高250mm 奥行き180mm 幅70mm
音道幅62mm


 このユニットは振動板の裏が空洞になっていて、真後ろに音が出るので、バックロードホーンで使うには良さそうです。能率が低いので、振動板が重く、少し大味かと思ったのですが、実際に取り付けて鳴らしてみたらまずまずでした。


ユニット背面

 今回の制作は、ハンズの裁断が不揃いで、音道を構成する板の幅が最大で1mmも誤差がありました。カンナがけをしましたが、やはり気になるので、もう一組作ってみようと思います。ユニットは売り切れで無いので、2インチユニットの中から探すしかないかも。悩ましいですね。

    エフライム工房 平御幸
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コンデンサー切替器 旧型の改造

2014-10-02 21:16:29 | スピーカー工作
 アッテネーター付きの新しいコンデンサー切替器を制作したので、旧型は容量を切り替えられるように改造しました。



 画像の左から大きい順に、フォステクスの1.5μF(マイクロファラッド)、岡谷のVXコンデンサー1.0μF、SOLEN SCR-0.68μF、ソーシンの0.47μF、AMS(アメリカン指月=シヅキ)のX363の0.33μF、の順です。VXコンデンサー以外は現役で入手可能です。


東芝のSS-L50Sのスーパートゥイーター


リアパネル
リアパネルのマイナス端子(白ケーブル)がフロントパネルではプラス端子(赤ケーブル)になる逆相接続



ユニットの端子はは赤く塗られている方がプラス
今回はファストン端子で抜き差しできる



接続がひと目で分かる(バナナプラグはミカエル裏板のスピーカー端子に色を揃えて差し込む)
フロント端子の白いケーブルの差し替えだけで容量を変えられる


 今回のトゥイーターは、フィリップスの古い16センチユニットを使ったミカエル用で、東芝の3ウェイスピーカーSS-L50Sのスーパートゥイーターを流用しています。ヤマハのJA0506のような圧倒的な切れや高能率はなく、おとなしいフィリップスにも合うのではないかと思います。こればかりは使ってみないと分かりません。

 フィリップスの16センチユニットの能率は91デシベルくらい。東芝のスピーカーSS-L50Sも同じくらいだと思うので、コンデンサーを小さくするとアッテネーターなしでも大丈夫ではないかと思います。画像は0.33μFに接続した状態で、物足らない場合は0.47か0.68に接続すれば事足りると思います。

 フィリップスの16センチミカエルはソフトですが、それは他のミカエルなどに比べた場合であって、市販のスピーカーに比べれば十分にパワフルで切れもあります。今回のスーパートゥイーターも、東芝のシステムとして完結されたものなので、やはりセットのスコーカーと組み合わせるのがベストだと思います→昔の記事。今回は試しですから、そのうちフィリップスユニットのミカエルに合うトゥイーターを探してみたいと思います。

 なお、0.33μFはドイツのムンドルフ製も入手済みなので、FE88ES-RミカエルとJA0506を0.47μFで繋いで、高域が強すぎると感じている読者に試用してもらおうと思っています。これがフィットしたら、0.33をスタンダードにするつもりです。あるいは、もっと小さい0.22がベストかもしれませんが。

参考 海外サイトのSS-L50S
ネットワークは本来、このサイトのようにラムダコンデンサーやハイラムダが使われていたが、オークションで出るものはVコンなど安物になっている。出品者が付け替えたものなのか、後期ロットでそうなったのかは不明だが、ラムダコンデンサー目当てで分解する者も多いと思う。

    エフライム工房 平御幸
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新型コンデンサー切替器

2014-09-25 23:36:12 | スピーカー工作
 名古屋試聴会の時にコンデンサー切替器を作り、トゥイーターの低域をカットするコンデンサー5種類を聴き比べました。今回は新型を製作中です。


上が旧型、下が新型
テストするかもしれないので中身は見せられないお (=゜ω゜=)


 名古屋試聴会では、音量調整のアッテネーターを付けておらず、トゥイーターの方がミカエルのフルレンジより能率が高くなってしまいました。改良型はアッテネーターを付けただけでなく、取り付けられるコンデンサーも5種類から6種類に増やしました。


旧型の中身
左からハイラムダ、VX、VⅢ、Vコン、ラムダ
旧型は中身を入れ替えて貸出予定


 次回の試聴会で又、コンデンサーの聴き比べテストをするかは分かりませんが、中身は一部換えるつもりです。前回はディスコンばかり集めて、オーディオの歴史に沿って音質が良くなる過程を体験してもらいましたが、今度は現役で手に入りやすいものもリストアップ。1980年台のラムダコンデンサーと、現役コンデンサーの違いを体験して貰う予定です。


背面
本当は横並びの端子は一個(内側の丸環は5個必要)で良いからケーブルで繋いでいる


 新型切替器が出来ると、古い方は中身を入れ替えて、コンデンサー容量の違う形にしようと思います。というのも、フルレンジとトゥイーターの関係は、「小容量コンデンサー直結トゥイーター」と「アッテネーターによるレベル調整付きトゥイーター」では異なってくるからです。

 アッテネーターは音質劣化の原因にもなりますが、フルレンジとのクロスオーバー調整がしやすくなります。高域が伸びていないフルレンジだと、トゥイーターのクロスオーバーを8kHzくらいにしたい。逆に高域が伸びているフルレンジだと、クロスオーバーは12kHzくらいで良い。アッテネーターを使わない直結だと、後者はコンデンサーの容量にシビアになります。ベストが0.47μFか0.33か0.22かは、取り付けて聴いてみないとわからない。容量が大きくなれば、クロスオーバー付近の音圧低下が少なくなるからです。

 アッテネーターを使うと、容量が少し位大きくて高域がうるさく感じられても、アッテネーターで高域のレベルを下げられるので便利です。マニアは直結式を好み、メーカー品などはアッテネーターでユーザーが調整しやすいようにするのが一般的です。今回の新作は、ミカエル 華 などの、能率の低いスピーカーでも使えるように、トゥイーターのレベルを可変式にしたのです。

 また、次の試聴会ではセイシェルの波と小鳥の声を聴いてもらいます。波や小鳥の声は高域成分が多く、コンデンサーの種類による音の違いが楽しめると思います。

    エフライム工房 平御幸
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女性読者制作のケルビムジュニアとバレーボール女子世界選手権

2014-09-16 01:09:36 | スピーカー工作
 女性読者の一人が奮闘していたケルビムジュニアが完成したので、画像を借りてアップします。


試みのミカエルと比較すると大きいけどコンパクト

 ケルビムジュニアは、2011年の1月に設計と制作したもので、図面公開はしていないと思うので、僕以外で作るのはおそらく初めてです。ジュニアは板厚が9mmと薄く、12mmのケルビムや、15mmのスーパーケルビムに比べて、板が反りやすくて精度も要求されます。ただ、意外にコンパクトなので、場所や力を必要としないメリットが有ります→ケルビム三兄弟

 今回は渋谷のハンズで板の裁断をしてもらったそうで、カットの精度が良ければ苦労は少なくて済みます。また、板が反りやすいので、長いネックから制作すると良いのですが、ネックの次は頭で、その次が下部のホーン部分となります。下部のホーンは内側音道が中央一列で折り返し、両サイドの外側音道につながる形式です。音の傾向は、以前の製作記事や続編などに書いてあります。


ネックの制作


内側音道の仮組み
裏板と底板を取り付ける前に内側側板を取り付ける
これらの工程は自分が作りやすい方法で



外側音道


別角度から


外側側板の取り付け

 ケルビムジュニアは優れた音楽性とスペースファクターが魅力ですが、最大のメリットは、一回り大きいケルビムのユニットの代金で、板からユニットまでまかなえるところにあります。ケルビムに使われるFE88ESは限定生産品で、上質の中古で3~4万円と高価です。これに板とカット代がかかるので、トータルで6~7万円も必要となります。

 対して、ケルビムジュニアの方は、ユニットがソニーのアクティヴスピーカー用の取り外し品で、今回は2個で1600円と格安。僕のストックは倍以上高いもので、出品者によっては6000円という値段になります。今回は即決価格で出品されてすぐに落札したので幸運でした。出たらお願いします→では探してみるニダ→ちょうど出たから落札したニダ、の流れ。やはり、神様が後押ししていたようです。


ソニーのバイオセルロースマイカ振動板のユニット
これは上物でお買い得


 バレーボール女子の世界選手権がイタリアで行われますが、ケルビムジュニアが完成したのが15日の0時台。全日本メンバーが飛行機に乗る日に間に合っています。イタリアといえばレオナルド・ダ・ヴィンチですが、ウフィッツィ美術館の受胎告知に描かれる大天使ガブリエルが佐藤あり紗さんの横顔にそっくり。マリアの方は厚木の女神にそっくりです。

 試合会場はミラノやローマで、美術館のあるフィレンツェはその間にありますが、どちらからも350kmほどあるので、受胎告知の本物を見るには時間が足りないかもしれません。機会があれば是非とも見て欲しいですけど。

 ケルビムジュニアは、契約の箱の上に鎮座する2体の天使ケルビム(その正体はガブリエルとミカエル)がモデルですから、天使の翼が佐藤あり紗さんを支えると期待します。もっとも、仏作って魂入れずでは困るので、鹿島神宮と香取神宮でお札をもらって、ケルビムジュニアの腹に収める必要があります。ケルビムシリーズは、着物の形をした前部の中央の板が隠し扉になっていて、フツノミタマを納めることが出来るのです。

 鹿島神宮参詣もケルビムジュニア制作も、どちらも読者の都合で決まったものですが、23日に始まる世界選手権前に参詣が叶い、日本を飛び立つ日に完成したという偶然。ユニットを手に入れる段階から余りに出来過ぎですが、これが神の見えざる手の不思議なのです。僕は何も強制してはいませんから、作った読者や参詣の日程を組んだ読者の手柄です。祝福と幸いがありますように。

 なお、同じく読者が悪戦苦闘のホットケーキは欧米ではパンケーキと言って、バレーボールで床に落ちそうなボールを手の甲で拾うこともパンケーキと言います。世界選手権で見事なパンケーキを見られればいいですね。

参考 ウフィッツィ美術館展 2014年10月11日(土)~12月14日(日)
何と、世界選手権を放映するTBSがボッティチェリを見せてくれます。

|゜Д゜)))コソーリ!!!!
祝!! 日立リヴァーレ 佐藤あり紗のここが凄い! 12000回再生

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JA-0506の修理 その2

2014-08-07 22:45:33 | スピーカー工作
 ミカエルと最も相性の良いトゥイーターがヤマハのJA-0506とJA-0506Ⅱですが、どちらも生産中止から長いので振動板の入手は不可能です。それで、中古を入手しても振動板が傷んでいる場合は補修が必要です。

 今回は、程度Cランク1セットと、程度Bランク1セットと、程度Dランクを1本を入手して共食い整備を考えました。しかし、程度Dランクはチタン合金の振動板も腐っていて、共食い整備にも使えません。


Dランク チタン合金振動板も腐っている

 幸い、Bランクの2本は振動板は程度が良くて補修の必要なし。ホーン磨きだけで大丈夫。問題はCランクの方で、最初から危ないと思っていましたが、やはり片方が断線修理の痕がありました。こちらは再び断線で使えません。仕方なく、保管してあったプラスチックホーンの0506Bタイプから振動板を移植。もう片方は振動板の補修をしたので、こちらのほうが上物に化けました。


左 断線と振動板凹み 右 今回移植した0506Bタイプ

 アメリカにもチタン振動板の安いホーンはありますが、ボイスコイルの径が小さくて使えません。それで、試みのミカエルに使える、1.3インチ程度のフルレンジかトゥイーターなら、ボイスコイル径が合えば無理やり換装できます。もっとも、振動板が重くなれば能率は落ちます。

 振動板が腐食したものでも、ボイスコイルが断線していなければ、穴を何かで埋めれば使える理屈ですが、軽量で強度があって薄いものと条件を付けると、必然的に昆虫の羽が連想されます。玉虫の鞘翅(しょうし、さやばね)や、トンボやセミの羽をプラスチックでコーティングし、強度を高めれば十分に使えるはずです。プラスチックコーティングと言っても、樹脂のラッカースプレーを裏表に噴き付けるだけ。

 このように、半分がバイオの振動板が出来上がるわけですが、そのユニットが奏でる音が玉虫色になるかは不明です。暇ができたら作ってみたいと思います。

 なお、修理完了したHMA-9500は梱包して送りましたが、今回は段ボール箱を使わず、ハンズで2種類の緩衝材を買い、カットして使いました。青くて少し硬いのがベースで、その上に白いスポンジを乗せてアンプを逆さまに載せる。その上から、アンプの足が当たる部分をカットしたスポンジを置いて、全体をプチプチで包んで紐で縛る。


青いのがスタイロフォーム
白いのがスポンジ板材

 この方法だと、アンプの取っ手を掴めるので運搬も楽なのです。もう少し改良して、取っ手を掴みやすくすれば運送屋さんも助かります。ダンボール箱は大きくて邪魔なだけですから、クッションと耐水性さえ確保できれば無いほうが良いのです。

|゜Д゜)))コソーリ!!!!
祝!! トヨタ車体クインシーズのセッター 藤田夏未(ふじた なつみ)のここが凄い! 3000回再生

Arisa Sato Best Album 動画公開

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ヤマハ JA-0506 トゥイーターボックスの製作

2014-06-25 23:01:47 | スピーカー工作
 試聴会のコンデンサー切り替えテストで、当てたらラムダコンデンサーをプレゼントすると公約しましたが、期待以上の満点回答者が出たので、試聴会に使ったトゥイーター ヤマハ JA-0506 のボックスごと使ってもらうことにしました。

 以前もJA-0506用に作ったことはあるのですが、あの時は簡易版で、今回は本格的な積層合板くり抜きです。刳り抜きついでに、Λコンデンサーの0.47μF(マイクロ・ファラッド)がスッポリと収まる穴も設えました。この穴にピッタリと収まるのは、ラムダの0.47と0.68だけです。

 試聴会の時はHi-Λが容量1.0しかなかったので、他のコンデンサーも1.0に合わせました。これではハイ上がりなので、本当はレベルを下げるアッテネーターが必要なのですが、トライアングルがよく聞こえるようにハイ上がりのままで行いました。

 コンデンサーはローカットフィルターとして6dB/octで作用しますが、2.2μFだと8KHzから下が減衰します→計算式サイト。しかし、トゥイーターの音圧レベルは高い周波数で低くなるので、コンデンサーを小さくした方が20KHzとかの超高域は伸びます→原理の分かりやすいサイト。0.47だと30KHzから減衰するので、109dBと超高能率の0506でも、楽音の倍音成分領域ではフルレンジと同じ90~95dBまで音圧が下がり、フルレンジと自然につながるわけです。

 ということで、制作のポイント。

 0506はホーンに段差があるので、フロントの板2枚と、後の5枚はホーンに嵌め込みながら接着する。


板厚は12mm 幅148mm 高120mm
板取図は450×910mmで2個作れる




 この場合、抜けなくなるおそれがあるので、紙やすりをボトルなどに巻きつけてヤスリがけしてから組み立てる。ホーンと接する部分はボンドがはみ出ないように薄く付ける。


穴の中心を揃えるので、左右や天地はズレが生じる
一番収まりが良い向きで揃え、完成したら底にコルクかゴムシートを貼る


 後方2枚の板はコンデンサー用ソケットにヤスリがけしてから接着する。22mm径で発注したけど、実物は23mm近いので入らない。荒目の紙やすりを指に巻いても穴を広げられる。

 出来上がりは画像のようになるけど、ケーブルの重みでコンデンサーの足が千切れないように、本当はケーブルも空中で固定したほうが良い。電柱と電線の関係のように。


逆相接続なので0506のマイナス側にコンデンサーからのプラスのケーブルがつながる

 Λコンデンサーの足は特に弱いので、画像のように根元で折れてしまうので、足を持ったり余計な力を加えるのは不可。一応、木工ボンドで根本は補強してあるけど、取り付けるときはくれぐれも注意。1.0や1.3μFの容量のものは少し大きく、サランラップの芯にピッタリと収まる。


足の折れたもの
ピッチ詰めを削ると使えそう


 ミカエルとの接続は、画像のようにバナナプラグで端子に差しこむだけ。フルレンジとはプラスとマイナスの極性が逆の逆相接続と言って、プラスのケーブルが0506のマイナスに接続される。これは、コンデンサーを通過した音楽信号は、位相(波形)が90度進むため。

 最後にフルレンジとの位置合わせ。チューナーの離調ノイズ(サーというホワイトノイズ)を再生しながら、ボックスごと前後させて、一番自然に高域が伸びる位置に決める。ただし、テクニクス(松下)考案のリニア・フェイズ方式のように、クロスオーバー周波数の波長の長さだけトゥイーターの位置を下げるという方式もある。

 チューナーがない場合は、フリーソフトのWaveGeneでホワイトノイズを選択して再生しても同じ。ただし、パソコンの音量には注意。トゥイーターが焼き切れないように、大音量は不可。このソフトは、キーボードによるインプットで1Hzごとの周波数を再生できるので、スピーカーの低域限界を探るのにも便利。

 なお、ミカエルは0506などのトゥイーターが搭載されて初めて完成形とも言えるので、できるだけ確保はするようにしているけど、どうしても数に限りがある古いものなので、余裕のある人はフォステクスのFT90とかでもオケ。当然、板の切り抜き寸法も違ってくる。でも、0506は型番の頭のJAが日本的で良いのかも。

2020/01/27 板取追加 (^_^;)





アッテネーターを取り付ける場合は残り板を組み合わせ、図のように作ります。あとは工夫次第 (*^^*)



    エフライム工房 平御幸
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コンデンサー切替器の製作

2014-05-19 23:02:39 | スピーカー工作
祝!! 日立リヴァーレ 佐藤あり紗のここが凄い! 3000回再生
祝!! 日立リヴァーレ応援歌 Berryz工房 " ジンギスカン " 歌詞付き 2000回再生

 来月の名古屋試聴会で、フィルムコンデンサーの音の違いを体験してもらう企画があります。ヤマハのホーントゥイーター JA0506に、低域カット(ハイパス)のフィルムコンデンサーを直列に入れ、コンデンサーを通過する高域の音質比較となります。

 使用するフィルムコンデンサーは、音の良いフィルムコンデンサーの草分けである岡谷(オカヤ)のVコン。それまでは横に長いフィルムコンデンサーが主流でしたが、基板の省スペース化に対応する縦型で登場。それで、縦を意味するヴァーチカルからVコンと呼ばれました。

 Vコンは二代目がVⅡで、これはパッとしなかったのですぐに消えてVⅢの登場。おそらくは、VⅡを頭の丸いケースに入れて、振動を抑えるためにエポキシでピッチ詰めしたものだと思います。当時、最高と言われた太陽通信のΛ(ラムダ)コンデンサーが円筒形ケースにピッチ詰めだったので、その対抗策みたいです。

 岡谷のVコンシリーズは、最後にVXとなって終了。コイズミ無線で3.3μFだけ在庫があるようです。最近はネットでも出ていて、僕は2.2μFもゲットしたので今回の企画となりました。

 対するΛの方ですが、Λも超高級のHi-Λも2.2という容量はなく、仕方ないので1.0を2本並列のパラにして2.0で組み上げました。0.2μFの差は、高域下限でほんの少しの差がある程度で、フルレンジに組み込まないでトゥイーター単体で聴くと、2.0よりも元気があるかなという感じ。


左から ラムダ、VX、VⅢ、Vコン
ハイラムダは既に組み込んで見せられないので検索汁


 タイトルにあるように、この5種類のコンデンサーを聴き比べやすいように切替器を作りました。しかし、切替器の中身が見えている状態なので、ブラインドテストではカンニングとなるために画像掲載はなしにしました。視聴会場で、自分で切り替えながら採点してもらいます。

 採点のポイントですが、ハイエンドの伸び、艶やかさ、透明感、力感、リアルさ、の5つの項目を予定していますが、パニック状態で聴いても違いは分からないと思います。実際、作った本人が最初は違いが分からず、「こんなだったニカ?」と狐に包まれた状態。慣れてきたら違いが分かってきました。

 Λコンデンサーが発売された当時、Vコンと交換して余りの違いに驚いた記憶があります。トライアングルのリアルさがまるで違う。Vコンはアルミのトライアングルに聞こえ、Λは真鍮のトライアングルに聞こえる感じです。

 トライアングルは純音で、波形に暴れのない最もピュアな音の楽器です。だから交響曲のフォルテの場面でも音が浸透してくるのですが、この性質がテストに向いているのです。トライアングルが活躍するクラシックは数が少なく、ドボルザークの新世界交響曲や、ワグナーのニュルンベルクのマイスタージンガー、リストのピアノ協奏曲第一番、チャイコフスキーの花のワルツなどからピックアップ予定。

 Vコンの開発順に、ラムダとハイラムダの順でグレードが高くなりますが、正解者にはラムダコンデンサーをプレゼントします。

 (ΦωΦ)フフフ… 試聴会の楽しみが増えたニダねw

    エフライム工房 平御幸

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ファ・ゴッドの製作 その2 製作編

2014-05-15 06:57:41 | スピーカー工作
 ファ・ゴッドは板が反りやすい12mm厚シナ合板を使っているので、組み立てには神経を使います。板の厚みも誤差があって完璧に設計図通りは無理なので、どこかに逃げを作る必要があるのですが、今回は不安定にならないように、床と接する底板を優先的に決めました。

 最初に底板を側板に合わせる。次に裏板を側板と底板に接着させるのですが、裏板が計算より長く、天板が1mmほど飛び出てしまいます。そこで、後で作った方は底板の一枚目をカッターで削って薄くしました。

 裏板の次は天板と、それに接着してある、煙突部分の前板に当たる長い板の接着。これは、サブバッフルの位置にも影響をあたえるので、木片のガイドを2カ所に接着。これも、ガイド接着したときはピッタリだったのですが、本接着の時はなぜか前板が少し出っ張ってしまいます。ガイドはピッタリではなく0.5mmほど緩くしたほうが良さそうです。



 次はサブバッフルですが、画像のようにハタガネとクランプで締め付けます。作業するときは、コンクリ板やレンガを縦に並べて隙間を作り、側板の下にクランプが入りやすいようにします。空気室の天板を優先的に位置決めします。下のホーン開口は誤差を吸収するための逃がしでもあるのです。






ガイドの入れ方
今回は板が内側に反っていたので内側にガイド
外に反っていたら外側に接着する



裏板の補強

 端子にケーブルを接着した丸環を嵌めてナットを締めて下準備の完了。画像でわかるように、今回は音道を貫通させたケーブルが紅白で逆で、端子までは交差する形になりました。人間の神経も脳に到達するまでに交差しているので問題無いですが。







 最後に側板を接着し、空気室に吸音材を入れて、バッフルを嵌めてネジ止め。ユニットを取り付けて完成です。




バッフルをネジで固定

 音ですが、ホーンの広がり率を低くして40Hzまで再生させようという設計意図のままに、40Hzがギリギリで再生できます。ただし、その上の50Hz近辺は少し中だるみ。これはスピーカーの特性なのか部屋のせいなのは分かりません。50Hzを豊かにするのなら、ホーンの広がり率を上げて、ホーン長も短くしたほうが良いのです。

 ファ・ゴッドは、55Hzを豊かに再生する小型バックロードホーンの音道を途中でカットし、低域再生限界を下に下げる、広がり率の小さいホーンを途中に加えた構造です。加えた部分が上に出っ張っている部分と考えて間違いではありません。奥行きの特に短いセッティング重視の設計にしては癖も少なく、重低音を欲張らない人には推奨品です。

 モーツァルトのクラリネット協奏曲(シア・キングのバセットクラリネット)は繊細で透明。少しだけ共鳴音がありますが気にならない程度。フルートの名曲は雰囲気がよく出ます。意外に良かったのが、サイモンとガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスと、煙突の出てくるメリー・ポピンズのサントラ。発音がよく聞こえます。

 バッフルは交換式なのでネジ止めですが、交換予定のない人はネジを使わないで接着したほうがルックスは断然良いです。ただし、ネジ隠しにコルクを貼ることが前提なので、コルクを貼った方が高級感が出るかもしれません。

    エフライム工房 平御幸
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ファ・ゴッドの製作 その1

2014-05-13 02:36:31 | スピーカー工作
 一ヶ月も前に板を注文した羊ホルンのファ・ゴッド。フィレンツェの美術を収納するラックを作り、それまでのラックを作業台に転用することが出来たので、いよいよ製作開始。とは言っても、コスモス2号のレターサイズが30号に割付印刷なので、発注した額が届く前には終わらせないと、今度は絵を切る場所がなくなります (;^ω^)。

 羊ホルンは読者の関心が高く、出来が良ければ作る人もいると思うので、補強ポイントや製作のツボを画像で説明したいと思います。

 まず、羊ホルンは側板や音道に長い板が多く、最初から長いと反りやすく、それで張り合わせの技法を用いています。貼り合わせ箇所が台に接着しないように、比較的ボンドは少なめです。反っている板をコンクリ板などで矯正しながら、接着面をピッタリ合わせて乾燥待ち。乾けば強度は大丈夫です。


貼り合わせた側板
左端の裏板も貼り合わせているが写っていない
真ん中はスロートの隅木(左右で長さが違う)


 次に、空気室から裏板の端子までのケーブルですが、音道に沿うと長大になってしまいます。また、横幅が狭いのでケーブルの重みで倒れやすくなるので、端子は床に近いほうがベター。ということで、途中の板に孔を開けてケーブルを貫通させ、木工ボンドで塞ぐことにしました。


右端が音道を貫通させたケーブル

 更に、ケーブルと丸環はハンダ付けしても、最後の端子への固定は後回し。そうしないと、音道を構成する板がケーブルでお縄状態。タイ━━━━||Φ|(|゜|∀|゜|)|Φ||━━━━ホ!!されたみたいに動けなくなります。


ケーブルはこのように最短距離
端子の丸環は最後の側板を貼る前にナットで締める


 裏板は共振しやすいので、桟で二段階の補強。スロートの入り口も三角の隅木でスロート面積を調整しましたが、この隅木も幅に合わせた89ミリの他に、ミニミカエルの70ミリや試みのミカエルの50ミリなどを流用して、左右で長さを変えてあります。長さを変えた効果は分かりませんが、気休め程度です。


サブバッフルや底板

 それから、みんなが苦労するバッフルのネジ穴の位置。今回は、原寸大にプリントした紙をあてがい、上から錐でポイントを打つことにしました。ネジ穴を垂直に開けるために、プリント基板に穴を開けるサンハヤトのミニドリルとスタンドを流用。ドリルピットも1mmφとかで50mm長もあれば、12mm程度の板なら貫通できそうです。バッフルとサブバッフルを重ねて、垂直にネジ穴を開けられます。



 次回は製作編ですが、デザインだけはケルビム・ジュニア以来の傑作です。意外に小さくて軽いので本当の楽器のようです。


仮組みした全体像

    エフライム工房 平御幸
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ミカエル 華 完成

2014-01-23 23:42:02 | スピーカー工作
 名古屋に行く前に華を完成させました。さすがにしんどい。

 ハンズの板が木口の直角が取れておらず、パーツを組み立てる段階で角度修正の連続。幸い、側板に使った桐の集成材に反りが少なく、最後の組み立ては楽でした。四日間で完成です。


ドライフラワーになったバラと試みのミカエルの金箔ユニットと



 スタイルは見るからに細く、シナ合板の反りが底板に出ているので安定が悪く、やはり倒れないように台座を設けるか、本棚の間などの隙間に押し込むほうが良いです。でもルックスは良いですね。

 音ですが、音出しの瞬間から全く癖がなく、管楽器のボン付きも見られない、ちょっと信じられない素性の良さです。やはり、幅が狭いので強度が大きく、余計な共振が少ないためだと思います。

 フェドセーエフ指揮の、チャイコフスキーの大序曲1812年を聴いていますが、十分に楽しめますね。圧倒的なパワーとか空恐ろしい低音とかは最初から期待していない設計ですが、楽器の分離が良くて見通しの良い、空間がパーと広がる感じはなかなかです。絶対にお薦め。

 ユニットのFE83Enはラファエルで確認済みでしたが、ラファエルとはまた違った音で、こちらの方がスピーカーの存在を感じさせない自然さがあると思います。ユニットがユニットだけに見た目はひ弱そうですが、アパートで隣から苦情が来る程度の大音量は出ます。

 意外なことに、サイモンとガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスがマッチします。小さいとは言え流石にバックロードホーンですから、本当はガンガン鳴らしたほうが良いのかもしれませんね。

 明日はコスモスの絵の台紙を製作予定です。ちょっと時間が足りなさそうで、ぎりぎりになるかもしれません。それから、リンゴの水彩も追加でジークレーにするかもしれません。写真撮影をプロに頼むのでそれ次第です。

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バックロードホーン設計の基礎

2014-01-19 05:52:01 | スピーカー工作
 前回のコメント欄で約束したように、今回はバックロードホーンの音道の広がり方について解説します。もちろん、教科書は長岡鉄男氏のものですが、最も初期に位置する1975年の『別冊FA-FAN 第5号』からスキャンしてみました。もっと新しくて見やすいのもあるのですが、探すのが面倒だし、やはりオリジナルということで。




長岡氏の設計は、低域再生限界を欲張らず、開口面積が大きい量感重視タイプ。これは当時のユニットは空恐ろしいハイ上がりユニットが多く、低音の量感がないとバランスが取れなかったから。FP203のオリジナルは何を聴いても金管楽器になる面白いユニットだった。

 バックロードホーンというのは、ユニットの背後から出る音を効果的に放出するものですが、空気室はホーンの効率を上げたり、スピーカーユニットの能率を上げる効果があります。これはスロートの断面積などと密接に関係し、ユニットとの相性もあるので、大半は経験値で決められています。バックロードホーンが名人芸の世界だというのは、この経験値が大きなウエイトを占めるからです。

 しかし、ホーンの広がり方は純粋に数学的な計算で成り立つもので、低域再生限界をカット・オフと言い、24Hzなら10センチ進むごとに面積が1.093倍になります。自作バックロードホーンの大半は音道幅が一定のコンスタンス・ワイズス・ホーン(constant width horn)なので、単純に横から見た広がり方の変化となります。

 でも、このような数学的な設計は、家の天井を超低音ホーンとするなどの、スペースが確保できるマニアにのみ通用するもので、設置スペースやキャビネットの大きさに制限を受ける普通の人には応用できません。それで、妥協点として、広がり方の違う幾つかのホーンを繋いで、低域再生限界を欲張らない設計が主流となっています。

 ところで、この計算は中音や高音にも適用されるものなので、高音用のホーントゥイーターは広がり方が大きくなっています。では、なぜラッパと呼ばれる管楽器は、低音楽器ではないのに、ホーンの広がり方が少ない超低音楽器並みなのか?それは、管楽器は共鳴管としての動作が主で、指穴や弁の位置で決まる管の長さによって音域が決定されているからです。管楽器の先端のラッパは飾りに等しいのです。

 管楽器の先端のラッパが飾りに等しいのは、ラッパの付いていないフルートなどで説明がつきます。管楽器のラッパがホーンとして役立つのは倍音成分に対してだけです。でも、ラッパには音を効率よく空中に伝える効果があり、口を手で覆ったり、あるいはメガホンを口に当てたりするのはこのためです。ホーンロード効果を期待しているのとは違います。

 僕の耳は忍者型で、四方の敵に注意を向けるのに効果的な、側頭部に密着した形をしています。道を歩くときも音で危険を判断するタイプです。対して、長岡鉄男氏は耳が大きくて前を向く集中型です。これは狐と同じで、前方の獲物に集中するタイプなのです。この二つの耳は聞こえ方も違い、狐型の方が高音がよく聞こえます。僕は、手の平を両耳に当ててパラボラアンテナのように使うことがありますが、こうすれば高音がよく聞こえるのです。

 8センチフルレンジで実験したことがありますが、ユニットの前に紙で作ったラッパを加えると、それだけで音が前に出てきて、声が聞き取りやすくなります。実際、ホーンから出る音はホーンの奥から聞こえるのではなく、ホーン出口の少し前から響いてくるようです。

 なお、僕はバックロードホーンの広がり率などを厳密に計算しているわけではなく、見た目の広がり方を重視しています。広がり方がきれいだと、あとから分析しても、広がり率の良い設計となっているからです。暇な人は、10センチ進むごとにどれだけ広がるか、直管の連続として計算してみれば勉強になると思います。

追加 蔵王ホルンとミカエルの音道を比較してみました。ミカエルを作って失敗しない理由が分かると思います。ケルビムの後半は斜めカット多用ですが、それを無理に直管として計算しているので、実際より段差が大きくなっています。右クリックで画像だけを表示させると拡大します。


ピンク色は、極端に短い管を近似値の管と同一視して、広がり率を出したもの。蔵王ホルンは広がり率の小さい管楽器タイプだと分かる。

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スピーカー設計の大変さ

2014-01-17 03:45:12 | スピーカー工作
 ハンズの板の切り間違いから発生したパニック状態。板の過不足の確認から始まり、切り間違いの発生しない新しい板取りの設計と発注、新しい端子の発注、その他の問題点の整理と対策方法の伝授、と修羅場が続いています。工作担当の読者と古代史CDの申し込み以外は、メールの返事は出来ませんから、悪しからずお願いします。何度も書いていますが、コメントで済むものはコメントでお願いします。

 今年に入って、ミカエル 華、蔵王ホルン(ザ・王・ホルン、別名羊ホルン)、ファ・ゴッドと立て続けに設計していますが、CADシステムを使っているわけでもなく、Illustratorを使った手作業なので物凄く大変です。Illustratorを使ったことのない読者には分からないだろうから、ちょっと説明しておきます。

 下の図は、ミカエルの音道図として作ったもので、今から見ると随分とアバウトな設計になっています。小さい図では分かりませんが、底板と二段目の繋ぎ部分を6400%に拡大した2番目の図では、ゲッと驚くほどズレて見えます。まあ、6400%の拡大は異常なんですけど、ここまで拡大して修正しないと、小さくした時にズレが分かってしまうのです。





 3番目の図は、この拡大した線を加工するために選択ツールで青い枠線を出したものです。青い枠線間が1ポイントで、線自体は2ポイントの太さです。なぜ2ポイントの線にするのかというと、4番目の図のようにピッタリ重ねることができるからです。もっとも、分かりやすいようにわざと上下左右をずらしていますが、本当はピッタリと重ねることができるのです。





 このように2ポイントの線を重ねるには、内側の青い枠線がちょうど真ん中に来るようにマウスを動かす必要があります。この内側の青い線が、微妙なズレを修正するのに物凄く役に立つのです。だから、僕は独学なので他の人はどうか知りませんが、2ポイントの線がスピーカー設計には最良なのです。

 このように、線と線が接したり重なったりする全ての部分で、いちいち6400%に拡大して仕事をするわけです。ミカエルだと25ヶ所以上ですから、ミカエルの場合にはめげて、ズレたままで放置していました。ところが、最近のは手抜きがありません。板取りに難しい物が多く、ズレたままでは板取りに影響するからです。

 その他、点線は線ツールでアバウトな線を引いて、高さをゼロにした上で、線幅や点線や色の指定をします。これを回転させれば縦の点線になります。板取りの基本線は、ArcSoft PhotoStudio 2000というソフトで升目を描きます。これをPNGで保存。

 Illustratorの配置を使って、保存した升目の図を呼び出して配置し、これに円や四角を描き加えます。寸法などは文字ツールで行いますが、Illustratorの良い所は、オブジェクトや文字を縮小してもボケないことです。Jpg画像も、普通のソフトで縮小するとボケますが、Illustratorで呼び出して縮小すればボケは小さくなります。

 出来上がった設計図や板取りは、データ書き出しで変換して置きます。Illustrator形式での保存とは別です。Illustratorで保存するときは、配置した画像をリンクとして、同じ場所に保存するようにします。そうしないと、配置した板取りの線がなくて文字ばかりという悲惨なことに。保存するときは「配置した画像も含む」を選択して保存してください。また、クラッシュが恐いので頻繁に保存し、できればバージョンごとに名前を変えて保存します。

 配置した図に間違いがあった場合は、PhotoStudio 2000で描き直し、新規作成の画面で配置しなおし、前の仕事からIllustratorのアートワークだけをコピーして貼り付けます。これが出来たら設計は一人前。Illustratorは1ポイント1mmで設計できるのが魅力で、巨大なものはデータが大きくなるので画像で出力するときは縮小するか、解像度を下げる必要があります。その他、カラー文字の色のコピーも覚えれば便利です。


右の選択されている矩形は40×89ポイントで、これが40mm×89mmの矩形として描かれる

 このようにして出来た前回のファ・ゴッドですが、実は一点だけ修正したいところがあります。それは音道ではなく外観なのですが、ではその修正したいところは何処か?現状でもバランスは取れているのですが、ほんの少しだけ修正したほうが良いかもしれないというところがあります。分かった人には鮎焼きにあゆコロ饅頭を追加ですね。


ファ・ゴッド 2ウェイ版

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ファ・ゴッド

2014-01-15 03:59:12 | スピーカー工作
 蔵王ホルンの改良型の設計が終わりました。板取りは、サブロク合板一枚と1/4です。不思議なことに、改良前とは使うベニヤ板は同じ規模です。改良前(左)と改良後(右)の2つを並べてみましたが、改良後のほうが複雑で少し大きいです。



 改良型のポイントは、斜めの仕切り板がなくなり、すべて直管で構成されていることです。出口近くの裏板には例外的に使っていますが、基本的に階段状の接ぎ方をしています。

 この構造は、長岡鉄男氏が直管の連続でバックロードホーンD-70を設計した頃に、奥行きを浅くするために、10センチユニットで高さ180センチを構想したのに始まります。20年位前と思っていましたが25年は昔ですね。スケッチは何枚も書いたのですが、実際に設計したことはなく、今回が初めて日の目を見ることになります。

 さて、改良型はバッフル交換が出来るように、板一枚だけ奥行きが深くなっています。それでも252mmと浅く、ミカエルの350mmよりミカエルミニの210mmに近くなっています。細くて縦に長い構造から、読者にファゴットのようだと感想をもらいましたが、オリジナルがバソンで改良型がファゴットという感じですね。

 バソン(バスーン)はフランスで発達したもので、ドイツ式のファゴットよりも音程が定まりません。『のだめカンタービレ』でも、フランスの楽団で、バソンとファゴットの演奏者が対立するシーンがありましたね。

 今回のバックロードホーンは折り返しが少なくて共鳴管として働く可能性があります。管長2270mmで計算してみると、音速340m÷管長2.27÷4=37.4Hzが最低音となります。これはD#とDの中間くらいですが、ホーン開口はパイプとしては働かないので、その場合はEかE♭になります。D ならニ長調で、E♭なら変ホ長調の管ということになります→音階と周波数の関係

 ニ長調は名曲が多く、モーツァルトの交響曲35番やセレナーデ第7番ポストホルン、バッハの管弦楽組曲第3番、ベートーヴェンとチャイコフスキーのバイオリン協奏曲など多彩ですが、中でもモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスは名曲中の名曲です。

 この設計のポイントは、音道の広がり方が小さいので、ユニット次第で25Hzという低い音まで再生できるところにあります。25Hzは無理でも30Hzくらいは出したい。それが長大なホーンの理由ですが、共鳴管として動作すれば先のように少し高い音程となります。

 改良型の名前ですが、ファゴットに似ているのでファ・ゴッドと神の名前にしました。Fのヘ長調なら鍵盤のファから始まりますからピッタリですが、リヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」になっても困るし、F#の嬰ヘ短調だと暗くなるのでフォーレのパヴァーヌ。やはりニ長調がいいですね。

 なお、11日の中山新馬戦でマリアライトというマリアの名前の馬が勝ちました。マリアライトはマリアの貴石という意味です。翌日12日の京都新馬戦ではレッドルシファーというサタンの名前の馬が勝ち、僕の書いていることにシンクロしているので驚いています。まさに末日ですが、どちらもディープインパクト産駒。スクリーンヒーロー産駒のゴールドアクターも未勝利勝ちしていますから、ソチでは衝撃的な「金メダリスト」が見られるかもしれません。

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