私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

一つ紋の色無地を三本の帯で格を変える

2016年12月13日 | 着物の楽しみ
色無地はその人の好みや季節によって様々な色が使われますね。
私も季節に合わせて何枚か持っていますが、今の季節でしたら
やはり温かみのあるものを使いたくなります。

そこで
今回は、一つ紋をつけた栗色の色無地を
三本の帯で格を変えて合わせてみました。





~ 名物裂の袋帯 ~

こちらは文様自体の格が高い名物裂の袋帯を合わせてみました。
留袖から紋付の色無地まで使える格調の高さを備えています。
このクラスの帯は少々高めですが、どんな場面でも対応可能ですから
一生ものとして持っていると、いつでも安心して締めることができます。

帯締めは、着物の一色の栗色と帯の一色を取った抹茶色に
金色で市松文様を表した、格のある中にも面白みのあるものです。
着物の色が落ち着いていますので、このくらいインパクトを与えて
帯回りを華やかにするくらいがちょうど良いと思います。

この一式で結婚式からお茶会まで参加可能です。
(立場にもよりますが、目安は一般的なお客様として)

※ 訪問着までは、この帯に、この帯締めで通用しますが、それ以上の
「色留袖」「留袖」の場合には、帯締めを変える必要があります。
それは次回に掲載したいと思います。





~ 牡丹唐草の名古屋帯 ~

牡丹唐草の文様も格は高いのですが、仕立てが「名古屋帯」ですから
袋帯よりも軽い感じになり、使用出来るのは軽めの訪問着までとなります。

名古屋帯ですから、お太鼓の部分が一重で、軽くて締め易いので重宝します。
たいていのお茶席は、この一式で充分通用すると思います。
但し、初釜や特別なお茶会の場合には、上記のような袋帯を
使用する方がその場に相応しいですね。

帯締めは、帯の柄を生かすためにシンプルなものを合わせました。
ベージュに茶色の濃淡のぼかしです。
名古屋帯とは言っても、ある程度の格がありますから、
帯締めもシンプルとは言え、少々値の張る上等なものを選びます。

上等な帯締めは、締め易く、見た目も落ち着いていて品格がありますから、
買う時にはお財布が痛みますが、様々な場面で使えて使用頻度も高くなり、
満足して長い間使うことが出来ます。




~ 吉祥植物文の袋帯 ~

この帯は、松竹梅に菊、南天、牡丹など吉祥文様の植物が織り込まれています。
袋帯ですが少し軽めの雰囲気で、上記の「牡丹唐草の名古屋帯」よりも格が下がります。

着物の色に対して、帯も地色がグレーと地味ですから、帯締めははっきりとした色合いで
帯締めに視線を集中させるようにします。
そのことによって、帯の地色や模様が反対に生き生きと見えることになります。

この一式でしたら、軽いお茶会や観劇などに気負うことなく、しかも
気後れすることもなく出かけられると思います。

※ また、この帯は帯締め次第で、もう少し格を上げることが出来ます。
この色柄ですと一生使うことが出来ますから、それも踏まえて次々回に
取り上げてみたいと思っています。


* * *

紋付の色無地は利用価値が高く重宝する着物です。
これ一着があれば、あとは帯次第でいろいろと楽しむことが出来ます。
若い人は、まずこの一着を誂えて、それに良く合う帯や帯締め、帯揚げの
一セットを持っておき、
それから徐々に雰囲気や格の違うものを揃えていくといいですね。

※ 帯揚げはあえて同じものを使いました。





コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする