私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

骨董市の付録が凄かった!本居宣長の歌

2016年06月02日 | 時空を超えて来たものたち

ことのはに  ふかきいろかを  かきやりて
ふではこころの  つかひなりけり   宣長

骨董市の買い物の中には、本体に付随した物が素晴らしい時がある。
それが今回は、この本居宣長の歌が書かれた料紙だった。

これも、今までに登場した書と同様に、古い茶碗を入れた箱の中で
くしゃくしゃに丸められ、緩衝材として使われていたものである。

深みのある桃色地に鳳凰文の趣きある料紙に
見事な筆運びで綴られている。

あまりの見事さに、書道歴の長い友人に調べてもらうと、
この歌は本居宣長全集第十五巻「鈴屋集」に収められており、
書体は一般的なものよりも難しい崩し字で、国学者であった宣長の
直筆の可能性もあるかも知れない、とのことだった。

もしそれが本当なら嬉しいが
たとえ本物であっても、なくても、その美しさには変わりはないので、
今後何らかの形で保存して、これ以上の劣化を防ごうと考えている。

そして、時々眺めて は筆は心の使いなりけり
つぶやいて宣長さんを偲ぼうと思うのである。


※ 読み下し文は素人のものですので、お気づきのことがありましたら、
お教え頂きたくお願い致します。
コメント (9)
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